キハ189系、豊岡(鉄道部)を経て米子駅へ──特急「はまかぜ」向け、キハ181系の後継。豊岡鉄道部にて報道公開
新潟トランシスにて先月のうちに落成された、特急「はまかぜ」向け新型気動車「キハ189系」の最初の編成(下関方←[キハ189-1001]+[キハ188-1]+[キハ189-1])が、甲種輸送そして北陸本線「南福井(貨物駅)~金沢」間の試運転を経て、年度初めとなる去る4月1日に自走回送にて京都駅に姿を見せたことを、先日このブログでもお喋りしています。
その京都駅に到着した「キハ189系」の、その後の足取りはどうなのかについて、先日のお喋り以降新たに判明したことを今回お伝えしようと思います。
特急「はまかぜ」の現行運用車両であるキハ181系の後継となる「キハ189系」気動車の京都駅到着後の足取りについて、『「キハ189系、豊岡へ」の巻』及び『キハ189系が米子へ』が伝えるところによると、東海道・山陽本線(JR京都線・JR神戸線)、播但線、山陰本線を経由して、途中、播但線非電化区間に於ける運用車両の属する豊岡鉄道部(車両基地)に立ち寄り、そのあと米子に向かった模様です。
大阪から先は「はまかぜ」の運行ルートをそのままたどった格好となっていますね。
そして、途中立ち寄った豊岡鉄道部の車両基地に於いては報道陣向け公開が行われ、地元紙を中心に、車内構造や座席、運転台等が紹介されました《→『印象的なあかね色 特急「はまかぜ」新型車両公開』・『特急「はまかぜ」新型車両を初公開 来春導入目指す』ほか》。
このうち、座席については、窓周りの塗色(茜色)とほぼ同じ感じの地色に某らの文様(市松模様?)の入ったモケットが張られていて、足元の広さは普通車座席にしては少し広めの印象を抱いているほか、床面にもグレー系統で某らの文様が入り交じっていて、遠目に見れば何だか絨毯を敷き詰めているように錯覚してしまいそうなところです《勿論実際は絨毯敷きでは無いでしょうけれども…》。
また、客室妻面は焦げ茶の木目調のように見えたかな───これについては遠目に見える映像(画像)しか無いので実際には違う可能性はありますけどね。
豊岡鉄道部で一休みした「キハ189系」は、このあと、山陰本線を更に西に向かって進み、米子駅5番のりばに到着しました。
この映像では、行先表示窓に「回送 Not In Service」のLED文字が光っていたり、ドア横に装備されている号車番号表示窓に「1自由」などと縦方向表示されていたりするのが見えます。
その一方で、側面窓に目を向けてみますと、先頭車両だけ大部分の窓でブラインドが開けられて内部が見えていたものの、残る2両の側面窓は全てブラインドが下ろされて目隠しされているのが見えました。
どうやら、豊岡鉄道部に於いて報道公開されたのは先頭車両のみだったようですね。
あと、この映像を見る限りでは、特急形車両では電車車両を中心によく見かける車端ダンパが見られなかったのと、ハッキリとは見えませんでしたが、先頭車両先端部すぐ横に見えるATS装着標識の見え具合から、どうやらATS-Pも装着されているみたいでした《報道公開の際に紹介された運転台の様子などからも装着している印象でした》。
米子駅に到着した「キハ189系」は、一旦松江方に引き上げたあと側線に入り、更に鳥取方でもう一度スイッチバックして更に奥の側線へと入っていきました。
この「キハ189系」気動車の米子入りについて───車種が変わりますが、実は、姫新線に於いて昨年(2009年)のJRグループ定例ダイヤ改正施行に合わせてデビューした、223系ライクな気動車「キハ122系・キハ127系」も、デビュー前には山陰本線の米子界隈に於いて試運転を行っていたとの話がありますので〔→『【JR西】山陰本線キハ127系試運転』・『キハ122・キハ127 試運転を実施!』〕、今度の「キハ189系」米子入りも、恐らく米子界隈に於ける試運転のためと思われるところです。
これは余談になりますが、昨年デビューした姫新線向け「キハ122系・キハ127系」の製造元は「キハ189系」と同じく新潟トランシスとなっていて、落成後の甲種輸送では北陸本線・糸魚川を行先(受取地点)としていました。
受取地点こそ相違しているものの、新潟トランシスで製造して甲種輸送にて発送し、北陸本線内の駅(貨物駅とか)で受け取るあたりは今回の「キハ189系」と共通していますので、「キハ189系」が新製後いきなり関西入りせず北陸本線の南福井貨物駅(というか北陸本線内の駅)にて一旦受け取り試運転を行った上で自走回送で関西入りするというパターンは、JR西日本が新潟トランシスに発注した車両の受け入れ方としては珍しくないのかもしれませんね。
JR西日本によると、特急「はまかぜ」向け新型気動車「キハ189系」は最終的には3両編成7本(21両)を投入することにしていて、残る6本(18両)については今年秋以降順次落成させるとしています。
今年秋といえば、「キハ189系」と共に北近畿エリアを走る特急列車向けに新規投入される「287系」電車の最初の編成が今年11月に落成される予定となっていますので、今年の暮れには、北近畿エリアに於いて、従前からの車両に混じって「キハ189系」や「287系」の試運転列車が走り回っていることでしょう《尤も北近畿エリア外で試運転する可能性もありますが…》。
普通列車向けに223系5500番台車両の投入が進む北近畿エリアに於いて、またひとつ、新たな風が吹き込もうとしています。
P.S.
本文中、「キハ189系」気動車の、落成から甲種輸送を経て山陰本線に於ける試運転に至るまでのプロセスに於ける類似例の対象として、同じく新潟トランシスで製造されて昨年姫新線にデビューを果たした「キハ122系・キハ127系」を挙げましたが、余談ながら、その「キハ122系・キハ127系」の落成直後の甲種輸送の模様をとらえた動画を『YouTube』にて見つけました。
この動画では一昨年(2008年)の11月24日に甲種輸送されたキハ127系気動車6両(キハ127-2+キハ127-1002+キハ127-3+キハ127-1003+キハ127-4+キハ127-1004)の、黒山駅分岐新潟東港専用線(新潟東港鉄道。動画では”新潟東港臨海線”と表記)「藤寄駅」から始まる鉄道輸送部分がダイジェスト収録されているわけですが〔特に新潟東港鉄道「藤寄駅」に於ける出発前の風景はとても貴重です…〕、今度の「はまかぜ」向け新型気動車「キハ189系」もまた、こういったプロセスを踏んで甲種輸送され、そして関西入りしたことでしょう。
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