新幹線400系車両、保存の方針か──山形新幹線、新在直通車両第1号。4月3日特別運転時の動画&静止画公開
約1ヶ月前、JR東日本管轄新幹線群のうち福島駅で東北新幹線から分岐する山形新幹線(奥羽本線標準軌区間。線内では在来線特急の扱い)向けに設計・製造された、新在直通対応車両第1号ともいうべき400系新幹線車両について、今月行われる2度の特別運転(4月3日・18日。何れも「新庄発東京行」の片道運行)を最後に現役を引退する旨のことを喋りました。
現在では第L3編成1本(7両編成)を残すのみとなっている400系車両───先月の時点では、引退後の身の振り方について、JR東日本が自社ニュースリリースの中で「車両運用の都合により止むを得ず4月19日以降に営業運転列車として当該車両を充当する場合がある」と述べるにとどまっていて、最終的に然るべき場所にて保存・展示されるのか、それとも廃車処分とされてしまうのか・・・これについては何の公式発表もありませんでした。
そんな中、400系車両の引退後の処遇を巡って、新たな情報が当方にもたらされました。
今日(4月11日)のこと、コメント欄を通じて、400系を所有している山形ジェイアール直行保有の社長が「保存する予定」と言ってた、などという情報が舞い込んできているのが見えました。
早速ネット上で探索してみたところ、山形県内で配布されているフリーペーパー『やまがたコミュニティ新聞』のWeb版内に設置されている『編集長インタビュー』のコーナーの中に、かの「山形ジェイアール直行特急保有」のトップへのインタビュー記事が掲載されているのを発見《→『編集長インタビュー ~山形ジェイアール直行特急保有(株) 代表取締役社長 坪田卓哉氏』》。
その400系車両や山形新幹線の地上設備を保有する「山形ジェイアール直行特急保有」のトップ(代表取締役社長)を務める坪田卓哉氏は大阪市出身の53歳、東大大学院修了後に日本国有鉄道に入社──この経歴から考えると、恐らく本社採用で国鉄入りしたことでしょう──国鉄分割民営化後はそのままJR東日本に移り、山形新幹線建設に向けての一連の開発・立案などに携わる等していたとの由で、2007年から現在の地位にあるとのこと。
関西出身ながらも国鉄分割民営化時点でたまたま現在のJR東日本管轄エリア内の部署(恐らく国鉄本社内の一部署)に籍を置いていたところから、宿命的(?)に、山形新幹線開業に向けての一連のスキームなどに携わることになった・・・という口のようですね。
まぁ、そんなことはさておいて、去る2010年4月9日付けで『やまがたコミュニティ新聞』Web版に掲載されたこのインタビュー記事の中で坪田社長は、「ミニ新幹線」向け車両第1号となった400系車両そしてその400系と共に歩んできた山形新幹線に対して「山形と首都圏との所要時間を短縮してビジネスや観光に寄与した」等と高く評価すると共に、400系車両の引退後のことについては「ラストランの先頭車両は保存する予定です。連結器がついた貴重な車両ですから」と語り、保存する考えであることを表明していました。
「先頭車両」といっても東京方先頭車両(411形→グリーン席を備える制御電動車)と山形方先頭車両(422形→普通席を備える制御電動車)の2つが当然存在するわけですが、前記の坪田氏発言から、200系やE4系との分割・併合装置などを搭載している東京方先頭車両が保存対象となる模様。
400系車両引退後の身の振り方を巡っては、山形県のもとにも保存要望の声が届いていたところから〔→『山形新幹線廃車後の保存について』・『山形新幹線「400系車両」について』〕、今回の社長発言は保存に向けて一歩前進したといえるところでしょう。
私も、この400系車両に関しては、日本で初めて新在直通運転を実現させた新幹線車両として鉄道史に刻み込まれた存在であることなどから保存を強く望んでいた一人だったので、今後JR東日本等との協議を経ることになるとは思いますが、とりあえずは一安心といったところです。
ただ、現時点では保存場所に関する公式発表が無いことから、今後は何処に保存されるのかに関心が集まることと思いますが、私としては、鉄道史に於いても特異な存在として名を残している以上、そしてJR東日本管内で活躍した新幹線車両という観点からも、是非とも鉄道博物館(さいたま市)に保存されて然るべきと考えるところです《保存スペースが確保出来なければ、先般JR西日本から寄贈された0系新幹線電車先頭車両の場合と同じく、展示スペースを新たに増設してでも、きちんとした形で保存されるべきです》。
あと、引退に際して去る4月3日に実施された1回目の特別運転(新庄発東京行「ありがとう400系“つばさ18号”」)の模様をとらえた動画が『YouTube』等に続々と寄せられてきています。
ここで、『YouTube』等に寄せられてきている「ありがとう400系“つばさ18号”」関連動画の中から私自身の独断と偏見で選び出した計7本の動画を、以下に示すように、始発駅=新庄発車から終着駅=東京到着&折り返しに至る一連の流れ(というか運転方向)に沿う形で、並べてみました。
「ありがとう400系“つばさ18号”」の終着駅・東京到着後は回送車となって折り返していったみたいですね。
それと、400系車両をとらえた静止画像もネット上に数多く寄せられている模様でありますが、その中でも『ありがとう400系』というブログ内記事に於いては、当日「ありがとう400系”つばさ18号”」の乗客に配布されていたという乗車証明書の両面を撮影した写真画像なども見えますし、大宮駅でとらえた写真画像を掲載している『フィナーレに向かって「ありがとう400系」 山形新幹線「つばさ」18号』や終着・東京駅でとらえた写真画像を掲載している『特急「つばさ18号」(ありがとう400系)/東京駅』の両記事ついても、私の独断と偏見ながら、見事なカメラアングルで撮影しているようにと感じるところです。
残すは4月18日に特別運転される「さよなら400系“つばさ18号”」だけとなってしまいましたが、最後の最後まで無事故であってほしいと願うのみです。
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