山陰本線・余部橋梁「8月12日」架け替え完了&使用開始…4月1日より映像配信も開始《+円山川橋梁も架け替え》
今朝、我が家に届いた朝日新聞朝刊の折り目付近に掲載されていた記事───しわくちゃです(笑)
国鉄分割民営化の前年(1986年)に当時の和風ジョイフルトレイン「みやび」が、回送状態で通過中、折からの強風にあおられて転落、車掌ら6人が死亡した大惨事の現場となった、あの山陰本線=余部橋梁(余部鉄橋。「鎧~餘部」間)のことです。
2007年3月29日の着工から約3年4ヶ月半後にあたる来る8月12日に完成及び使用開始すると、昨日(4月5日)付でJR西日本から発表がありました《→『山陰本線鎧・餘部間余部新橋りょうへの架替について』》。
着工直前の余部橋梁の姿をとらえた写真については現在も『余部橋梁まもなく工事着工。』等で見ることが出来ますが、この光景もまもなく過去帳入りとなってしまいます。
コンクリート主体の構造をした新しい余部橋梁の当初の完成予定時期は九州新幹線・鹿児島ルートの建設工事区間(博多~新八代)に於ける試験運転が始まる予定の今秋あたりとされていましたが、JR西日本からの発表によると、お盆の帰省時期や夏休み後の通学利用などを考慮して上記完成(使用開始)日にて前倒し決定したとのこと。
これに伴って餘部橋梁の架け替え(線路付け替え)スケジュールも発表となっていて、7月16日に現行の旧橋梁(鉄橋)の使用を終え、翌日の7月17日から8月11日までの間、「香住~浜坂」間を全面運休させて旧橋梁の撤去と新橋梁(コンクリート橋)の山陰本線レールとの接続などを行うとしています《余談ながら、線路付け替え等の工事の始まる「7月17日」は、九州では新幹線熊本総合車両基地にJR九州保有分の新幹線車両(N700系8000番台と「新800系」車両)の搬入が始まっている時期にあたっている他、首都圏に於いては2代目AE形車両の160km/h走行の舞台となる京成成田空港線(愛称「成田スカイアクセス」)の開業予定日にもあたっています》。
なお、前記運休期間中の扱いについてJR西日本は「バス代行などを検討中で詳細が決まり次第発表する」としています。
ところで、前記の余部橋梁架け替え工事完了時期発表に先駆けて、余部橋梁を擁する香美町(かみちょう。兵庫県美方郡)では、同町Webサイト内に於いて同橋梁に関係する項目が月毎のアクセスランキングで毎月第1位に輝くなど好評を博していることを踏まえて、年度初めの4月1日から同町Webサイト内に同橋梁の架け替え工事の様子などをリアルタイムで放映するネット中継コーナーを新たに設けました。
この新たなコンテンツの設置のため、先月(3月)23日から30日にかけて、余部橋梁近くに建つ香美町立余部小学校の屋上にライヴカメラを取り付けるなどネット配信に向けての準備・調整を進めてきたとのこと。
香美町Webサイト内に掲載されている『「余部橋梁(新橋)ライブカメラ」を公開しました』というページから余部橋梁の様子のリアルタイム中継をご覧になれるわけですが、なかなか現地に足を運ぶ機会が持てないという方であっても、これならば自宅やネットカフェ等からであっても、Java対応ブラウザがインストールされている環境下であれば、余部橋梁を渡る列車たち等を眺めることが出来るわけであり、私としてもありがたい限りです。
100年近くの歴史を誇る余部橋梁の、コンクリート主体の透明防風壁付き新橋梁に置き換わる時が間近に迫ってきましたね。
P.S.
鉄道用橋梁の付け替え工事では、今回取り上げた余部橋梁を擁する山陰本線と同じく日本海側を走る第3セクター鉄道路線の一つ、北近畿タンゴ鉄道(KTR)・宮津線の「豊岡~但馬三江」間に架かる円山川橋梁に於いても、昨日(4月5日)から明日(4月7日)にかけて、列車の運行を止めた上での旧橋梁の上流側に準備していた新橋梁に架け替える工事が現在進行中の模様でありますが、こちらの旧橋梁は1929年(昭和4年)に完成された鋼鉄製トラス橋で、2004年の台風23号の襲来をきっかけに策定された「河川激甚災害対策特別緊急事業」の一環として2007年10月から総事業費77億円をかけて工事が進められてきました。
川の水面からの高さを旧橋梁より3m高い9.3mとしている他、橋脚の数も旧橋梁の半分の5本に減らし、更にトラス橋部分も橋全体に広げるなどすることで、川の流れを阻害しない、災害に強い橋構造を目指したものとなっています。
この架け替え工事開始を目前とした4月3・4両日にはタンゴディスカバリー車両を充当した旧橋梁お別れ列車(渡り納め列車)が「豊岡~久美浜」間で往復運転され、2日間合計で延べ約390人が乗車して80年以上の歴史を誇ってきた旧橋梁に別れを惜しんでいたと報じています。
そして更に、この円山川橋梁の架け替えに合わせるかのように、同橋梁を含むKTR宮津線の兵庫県内区間に存在する豊岡・但馬三江の両駅の駅舎も改修されるか改修が決まっていて、同橋梁架け替えの約2ヶ月前にあたる去る2月6日には但馬三江駅の駅舎が改修されている他、JR山陰本線との接続駅にもなっている豊岡駅も来年(2011年)3月を目処に橋上駅舎化されることが決定、コウノトリが羽ばたく姿などをモチーフにした新駅舎完成予想図も発表されています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『JR山陰線、余部鉄橋の後継橋は8月12日開通』
『ひょうご東西南北:余部橋りょう、HPにライブカメラ映像--香美 /兵庫』
『余部鉄橋100年の歴史に幕、新橋梁8月から』
《→『余部鉄橋100年の歴史に幕、新橋梁8月から』》
『余部鉄橋に代わる新橋梁、8月12日に供用開始 JR山陰線』
《→『余部鉄橋に代わる新橋梁、8月に供用開始』》
『余部鉄橋に代わる新橋梁、8月12日に開通 香美』
『8月12日供用開始 JR山陰線「新余部橋」』
《←『余部鉄橋を“ネット中継” 香美町があすから』》
『お別れ列車、ゆっくりと 円山川橋梁/但馬』
『円山川橋梁:鉄橋7.5メートルスライド、来月3日間で架け替え--豊岡 /兵庫』
『豊岡の円山川橋梁、架け替え前にお別れ列車…北近畿タンゴ鉄道』
『架け替え控え円山川橋梁に別れ 北近畿タンゴ鉄道』
『円山川橋梁架け替えに合わせKTRが企画列車とツアー』
『コウノトリの郷駅“再出発” 但馬三江駅がリニューアル』
『羽ばたくコウノトリ 豊岡駅、新駅舎デザイン決定』
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