私鉄・公営交通は「manaca」──中京圏、2011年2月導入予定。2012年度中に「Suica」・「toica」との相互利用も
昨日(4月19日)、ふと『鉄道コム』に立ち寄ってみた私は、いの一番に目に飛び込んできた一つの見出しに目を丸くしていました。
ついに中京圏(というか名古屋圏或いは東海3県)に於いても決まったか───そんな心境を抱いていた私。
ICカード型乗車券に関しては、首都圏に於いてはJR東日本の「Suica」に首都圏私鉄・公営交通加盟の「PASMO」が、関西圏に於いてはJR西日本の「ICOCA」に関西圏私鉄・公営交通加盟の「PiTaPa」が、そして九州北部地域に於いてはJR九州の「SUGOCA」に”西日本鉄道「nimoca」&福岡市交通局「はやかけん」”が、それぞれパートナーを組んできているわけでありますが、3大都市圏の一つである名古屋圏に於いては、JR東海の「toica」は既に導入されているものの、名鉄や名古屋市交通局などの中京圏に於ける私鉄・公営交通に対しては未だに磁気記録式乗車カードシステム「トランパス」が導入されている段階にあり、ICカード型乗車券導入の段階には進んでいませんでした。
今度、中京圏における私鉄・公営交通向けに導入されるICカード型乗車券に「manaca(マナカ)」の名称及びデザインが発表されたことによって、ようやく中京圏に於ける私鉄・公営交通に対するICカード型乗車券導入に向けていよいよ本格的に動き出したという印象を抱きました《→『ICカード乗車券の名称とデザインを決定しました』・『ICカード乗車券の名称とデザインを決定しました』》。
この「manaca」を導入することにしているトランパスIC協議会は以下の6社局によって構成されており、これら6社局に於いて来年(2011年)2月に導入することが表明されています《但し名古屋鉄道については、蒲郡線など、一部導入対象外線区有り》。
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○ 名古屋鉄道 《一部路線を除く》 ○ 名鉄バス ● 名古屋市交通局 ● 名古屋臨海高速鉄道(あおなみ線) ● 名古屋ガイドウェイバス(ゆとりーとライン) ○ 豊橋鉄道 |
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【発行・運営主体】 ○=名鉄ICカード株式会社 ●=株式会社名古屋交通開発機構 |
上表にもありますように、名鉄(名古屋鉄道)系列の3事業者は「名鉄ICカード(株)」(名鉄子会社;2007年4月19日設立)が、そして公営交通及び名古屋市などが出資する第3セクター事業者は「(株)名古屋交通開発機構」(名古屋市交通局発祥;1989年7月1日設立→2007年6月5日ICカード事業運営指定)が、それぞれ発行主体となっているわけですが、両者とも同一名称・デザインにより発行及び運営を行うとしています。
更に、2012年度(平成24年度)中を目処にJR東海「toica」とJR東日本「Suica」との相互利用サービス提供を始めるべく、昨年6月から検討に入っていることも明らかとなりました《→『IC乗車券の相互利用サービスの検討を開始しました』・『IC乗車券の相互利用サービスの検討を開始しました』》。
今度のICカード型乗車券「nimoca」導入を巡っては、昨年3月25日付けで名古屋市交通局が地下鉄・バスの乗降に使えて且つ電子マネー機能により買い物が出来るICカード型乗車券を「2011年1~3月」に導入すると表明する一方で、その翌日(3月26日)に中部運輸局がICカード型乗車券の導入を「公共交通の利用促進につながる有効な施策」と評価する一方で「(鉄道事業者間の連携に向けた)具体的な動きが見えない」等と懸念、事業者間の連携に向けて運輸局が主体的な役割を果たす考えであることを明らかにするなど、中京圏に於いてはICカード型乗車券を巡っての鉄道事業者間の動きが鈍かった様子でした。
そんな中、今年に入り、JR東海の「toica」が今春のJRグループ定例ダイヤ改正施行(3月13日)に合わせて電子マネー機能の追加提供をスタートしたのに続き〔同時に「Suica」と「ICOCA」との電子マネー機能に於ける追加の相互利用提供を開始〕、名古屋鉄道も「2011年1~3月」に名鉄蒲郡線・広見線などの一部計14駅を除く大半の駅に導入すると共に名古屋市交通局の地下鉄・バスとも互換性を持たせ、更に2012年度中にはJR東海「toica」とも互換性を持たせる方向で調整していることが明らかとなっています。
う~ん、中京圏に於けるICカード型乗車券導入の議論がなかなか進まなかったことに中部運輸局も半ば苛立っていたみたいですね・・・
ところで、今度導入が発表されている「manaca」でありますが、JR東海「toica」とJR東日本「Suica」との相互利用の検討に入っていることが明らかになる一方で、同じく中京圏内に含まれる岐阜県内を主たる営業区域としているバス事業者で、既にICカード型乗車券「ayuca」を導入している岐阜バス(岐阜乗合自動車)については、その「ayuca」との相互利用の是非に関して現時点では公式な発表は何も為されていません。
また、名鉄などと共に「トランパス」を導入している鉄道事業者で、5年前(2005年)に開催された「愛・地球博(愛知万博)」の会場アクセスのために建設された愛知高速交通(リニモ。東部丘陵線)については、資金繰りに苦慮しているためなのか、現時点では「manaca」導入の検討はなされていない様子。
そして、あおなみ線(名古屋臨海高速鉄道)と同じく愛知県内を走る第3セクター鉄道路線で、東海道本線・岡崎駅と中央本線・高蔵寺駅を結び、沿線にトヨタの本社などを擁している他、前記の「愛・地球博」開催中には、リニモと同じく会場アクセスの一端を担うべく、名古屋からのJR中央本線(高蔵寺)経由直通列車「エキスポシャトル」が数多く乗り入れていた愛知環状鉄道(愛環線。旧国鉄岡多線など)についても「manaca」導入検討への動きは見せていません。
それともう一つ、軌道線(東田本線)向け車両「T1000形(ほっトラム)」で昨年の鉄道友の会第49回ローレル賞を受賞し、既に自社鉄道・軌道路線に於ける「manaca」導入を決めている豊橋鉄道の、その子会社である豊鉄バスが豊橋市内などで運行している路線バスについては、今回は導入見送りを決めている模様です《→『豊橋市地域公共交通活性化・再生総合事業計画の変更(案)について』(「2ちゃんねる」筋を通じて入手)》。
まぁ導入に際しての初期コストなどの関係で導入を躊躇するところはあるように思えるところなのですが、使える範囲が広がればそれだけICカード型乗車券としての価値は高まるわけですし、加えて「SUGOCA」等で行われているようなポイントサービスの類を「manaca」独自で行ったりすることで「Suica」等との差別化が図れるところですので、工夫を凝らしつつ、サービス開始以降も少しずつエリア拡大などの取り組みを推し進めていってほしいと願うばかりです。
同時に、同じく中京圏に乗り入れている近鉄については既に「PiTaPa」を導入していることもあり、今回は導入対象外となっているとのことですが、近鉄サイドではこの「manaca」との相互利用について前向きに検討しているとのことですので、こちらの動向も気になるところです。
中京圏に於いても、ようやくICカード型乗車券普及に向けた動きが本格化しそうなところですね。
P.S.
今回発表された「manaca」のカードデザインについて、ほぼ中央に配置された、目と口が描かれた黄色い円は、もしかして太陽を表しているのでは・・・まぁ違うのかもしれませんが。
デザインの印象としては、何だか穏やかな雰囲気を感じさせるところかな・・・
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『日本の真ん中… 共通ICカード乗車券「マナカ」』
『東海のカード乗車券は「マナカ」 名鉄など6事業者決定』
『名鉄などIC共通乗車券の名称「マナカ」』
『IC乗車券 豊鉄が「相乗り」』
『名古屋市交通局がIC乗車券導入 電子マネー対応、11年初頭から』
『中部運輸局長、鉄道各社のIC乗車券、「相互利用の促進を」。』
『駅構内の買い物、「トイカ」で可能、JR東海、来月13日から。』
『IC乗車券に集中投資、名鉄、来年261駅で対応、鉄道以外にも普及へ。』
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【関連記事(中京圏に於けるICカード型乗車券)】
「JR東海「toica」、大きく前進へ・・・電子マネー機能追加導入決定(来春目処)」
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