新幹線100系車両、2012年中に引退へ…背景にN700系ファミリーの投入か。JR東海300系車両も同年3月末引退へ
JR西日本が管轄している山陽新幹線区間に於いて、今年2月いっぱいで「のぞみ」運用から完全撤退した同社オリジナルの500系新幹線車両が8両に編成短縮された上で山陽区間に於ける「こだま」運用に流入、そして、これは一部報道により明かされている段階に過ぎないことなのですが〔公式発表は未だ無し〕、現在「ひかりレールスター」に充当されている700系7000番台(「レールスター」車両)についても、来年(2011年)の3月に予定されている九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)全線開業に絡んで、性能面から急勾配が存在する九州新幹線区間には乗り入れ出来ないとして、JR西日本とJR九州の共同開発によるN700系”青磁”仕様(7000番台と8000番台)車両が新規投入されることが決定、それに伴って現行の「レールスター」車両もまた山陽区間「こだま」運用に順次流入される予定とされています。
こうなってくると、気になってくるのは東海道・山陽新幹線に於ける現役最古参で、唯一の旧国鉄時代からの生き残りでもある100系車両の処遇ということになるわけですね。
ただでさえ、かつての「のぞみ」車両だった500系の山陽新幹線区間における「こだま」運用への流入で一層肩身の狭い立場に立たされてきているところに、来年3月以降に現行「レールスター」車両の山陽区間「こだま」運用への流入が順次開始となれば押し出し式に廃車となる編成が出てくることは必至とみられ、いつ完全引退となるのか、気にかかるところでした。
そんな中、JR西日本は、このほど、2012年中に100系車両を完全引退させる方針であることを明らかにしました。
現役最古参である100系車両に対し、ついに”余命2年”の宣告が下されたことになるわけです。
私自身、最後に100系新幹線車両に乗ったのは2年前(2008年)の12月21日───この年の「第九ひろしま2008」に合唱参加しての帰りに「岡山~姫路」間で乗車した新大阪行き上り「こだま」でした《→『「第九ひろしま2008」顛末記(5)・・・終演、そして広島をあとに』》。
その時には同一ホーム上の反対側に入ってきた名古屋行き「のぞみ」を先に通したあとに私の乗った「こだま」が発車したわけでありますが、姫路までの2駅間、眼下に見える、抜かされていく赤穂線列車の車窓から放つ照明の光列などを眺めながら、ガラガラの車内で何処か重厚な感じの走りっぷりを楽しんでいたものでしたよ。
100系の命あるうちに、せめてもう1度だけでも、実地で体験したいし目に入れておきたいです・・・
一方、1992年3月施行のJRグループ定例ダイヤ改正にて、それまで新幹線の列車種別として存在してきた「ひかり」と「こだま」に加えて「のぞみ」という最速達種別が新たに加えられたことに伴って開発された初代「のぞみ」車両こと300系新幹線車両について、JR東海は、車体の老朽化と省エネ性能に優れたN700系車両への置き換えのため、現在自社で保有している384両(16両×24編成)について、2012年3月末までに全て引退させることを去る5月4日に表明しました。
それまでの団子鼻スタイルの新幹線車両のイメージを覆してくれた、何やらテレビのヒーロー(スーパー戦隊)物のお面をイメージさせるような前面形状に、私自身も何となく愛着を感じるところなのですが・・・
尤も、そうした外観とは裏腹に、実際この300系に乗ってみての印象としては、特にこの車両のために新たに設定された「のぞみ」(当初は全車指定席でしたね…)で乗った際には結構揺れを感じ、少し怖さを覚えるほどでしたが…
なお、300系車両にはJR東海保有分と共にJR西日本保有分も存在しますが、JR西日本保有分に関しては当面残留するとのこと。
このあたり、同じく先に東海道新幹線区間から全面撤退した”元祖新幹線車両”こと0系車両とパターンがよく似ている感じがしますね《1999年9月18日の第YK8編成充当による「こだま473号」運転を以て東海道新幹線区間から完全撤退している》。
尤も、0系車両の場合には「営業最高速度の向上の足かせになる」ことが理由にされているところが、エネルギー節減などを理由としている今度の300系車両・JR東海保有分の完全引退と異なるところですが・・・
とはいえ、今度のJR東海の発表では「東海道新幹線区間からの撤退」という発表の仕方をしておらず、額面通りに受け取った場合、当面残留することになるJR西日本保有分が引き続き東海道区間を駆け抜けるということになってしまうわけですが、そのあたりはどうなんだろうか、ちょっとわからないなぁ・・・
N700系ファミリーの追加投入、そしてそのファミリーに属する新系列車両の開発・投入により、また一つ、新幹線の歴史を彩った車両たちが姿を消そうとしています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『さよなら、初代「のぞみ」 名物新幹線、相次ぎ引退へ』
『初代のぞみ300系引退、12年3月末までに』
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山陽・九州新幹線開業予定の翌年の2012年が、ある意味東海道・山陽新幹線における車両のターニングポイントになりそうだな、と感じた記事を見つけました。
さよなら、初代「のぞみ」 名物新幹線、相次ぎ引退へ(47NEWS)
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