新型車両「225系」報道公開・・・JR西日本、223系の後継として来年3月登場か《E257系非貫通型前面形状を彷彿?》
現在、東海道・山陽本線の京阪神エリア(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)を走る新快速・快速を中心に、周辺各線区にも導入範囲が広がってきている223系ファミリー。
その223系電車の後継車両として「225系」車両の設計・製造が昨年9月にJR西日本から発表されたわけでありますが〔→『安全性が向上した225系を投入 JR西』〕、先月ぐらいから製造元(近畿車輛)の工場の敷地内に於いてその「225系」の構体が見られるようになり、更に今月に入ってからは完成された「225系」車両が工場敷地内に於いて低速試運転を行っているところをスクープしたという事例も見られるようになってきています。
そして、今日〔5月17日〕、報道陣向けに公開となりました。
私自身はというと、昼前の民放に於ける関西ニュースと、正午のNHKニュースの全国ニュースに続く関西ニュースの中で、この「225系」車両の報道公開のことを知るところとなりました。
完成された姿だけでなく、まだ製造中の構体の段階の映像も流れてきていたわけですが、今回「クラッシャブルゾーン」とされた運転台(先端部分の乗務員室)天井部分の鋼体も公開され、この部分が”壊れやすく”造られているのかなぁ、と、その部分の映像を眺めながらただただ感心しきりの私(爆)
見た感じ、運転台天井部分は単なるスチールで造られているような印象を受けるところです《まぁ実際は違うでしょうけれどもね…》。
クラッシャブルゾーンを採用した鉄道車両といえば、既にJR東日本に於いてE217系車両以降に新製される電車車両について採用されてきているわけですが、JR東日本が導入しているクラッシャブルゾーンでは運転台の乗務員席の据え付けられている部分の前後が断面方向に壊れやすくするという考え方となっているのに対し、今度のJR西日本「225系」の場合は運転台の天井部分をわざと壊れやすい構造にしている・・・
どちらの考え方(というか導入方)が有効なのかは、東日本と西日本がそれぞれ異なる設計思想を持っていることなどから、現時点では何とも言えないところですが、何れにせよ、乗務員と乗客双方の安全確保のため「衝撃吸収」という一昔前の鉄道車両には無かった発想を採り入れた鉄道車両がJR東日本に続いてJR西日本でも誕生したということは、今後の鉄道車輌製造に新たな方向性が改めて示されたという点に於いて、とても意義深いものと考えることが出来ますね。
今回の「225系」に続き、北近畿エリア電化区間(福知山線など)に於ける特急列車向けに現行車両183系の後継として発表された「287系」電車にも「衝撃吸収」の発想を採り入れた構造とすることを表明しており、現在は川崎重工業兵庫工場などで製造されていることと思いますが、こちらは今年11月頃に最初の編成が落成となる予定であることが伝えられてきていますので、とりあえずはその時を待ちましょう。
それと、従来車両と比べて1.5倍に数量を増やしたというつり革とドア横の握り棒の類が全てオレンジ色というのもインパクトありそう───JR東日本のE233系車両の車内につり下げられているつり革が濃いグレー(通常)又はオレンジ色(優先席付近)をした二等辺三角形となっているあたりもインパクトを与えているような気がするけれども…
もう一つ、これは前面形状を眺めていての印象であり、既にネット上でもちらほらと聞かれるところなのですが、中央本線(中央東線)を走るJR東日本のE257系基本番台(新型「あずさ」車両)の前面形状(非貫通型)とよく似た感じになっています。
何だかE257系「あずさ」を彷彿とさせるような造りかな(笑)
変な話、そのE257系基本番台(0番台)の非貫通型前面形状を幾分スリム化させて塗装を無くしたのが今度の「225系」の前面形状のようにいえなくもないところですね。
今回報道陣向けにお披露目となった「225系」は明日(5月18日)にも製造元である近畿車輛から出場し、近日中に試運転を始めるとしており、来年(2011年)の3月頃〔というか今年度中〕には東海道・山陽本線の京阪神エリア(琵琶湖線・JR京都線・JR神戸線)に於いて主に新快速電車として運用を開始させるとしていますが、現時点では総額約300億円を投じて計226両を順次投入することにしています。
「来年の3月頃」といえば、「225系」以外では前記の「287系」車両の他、3月中に新潟で落成され、現在試運転が繰り返されている「キハ189系」車両もまた同時期にデビューを予定しています《全てJR西日本管内!》。
更に、さんざん言ってきていますが、九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)全線開業予定時期、東北新幹線に於ける新型「E5系」新幹線車両の新規投入時期、そして「JR東海博物館(仮称)」開業時期・・・何れも来年の3月或いは春季ということになっています。
まさしく、来年は鉄道界にとっての激動の年───大袈裟に聞こえるかも知れませんが、私自身、本気でそう感じるところです。
とりあえずは、「225系」車両がデビューするその時を心待ちにしています。
と同時に、JR発足の2年後(1989年)にJR西日本オリジナルの車両として初めて新製された221系電車の今後の処遇も気になるところですね。
何しろ、最初にデビューしてから既に20年以上経過してしまっていますから・・・足回りのほうは如何なものかと。
そのあたりも含めて、私の住んでいる京阪神地域に於けるJR線事情に引き続き目を配っていようと思っています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『衝撃を吸収する新型車両完成 脱線事故を教訓に JR西』
《→『衝撃を吸収、JR西が新車両 脱線事故教訓に開発』》
『JR西:新型車両を公開 尼崎脱線教訓に安全性高め』
『脱線事故教訓に新型車両、乗客の衝撃半減…JR西日本』
『JR西が新型車両 衝撃半減、事故受け安全性向上』
『JR西、安全性高めた新車両公開 乗客の衝撃半減』
《→『脱線教訓生かし安全重視 JR西「225系」公開』》
『JR西、新型車両を公開=安全性重視の構造-福知山線事故の教訓生かす』
『脱線教訓に安全性向上 JR西が新型車両を公開』
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