東北新幹線「八戸~新青森」間”12月4日”開業、「E5系」最速達列車は”はやぶさ”──「青春18きっぷ」論議前進?
既に新聞系メディアでも、そしてNHKのニュースでも報じられていることなのですが・・・
今年暮れに予定されている東北新幹線「八戸~新青森」間延伸開業の、その具体的な開業日が発表されました。
と同時に、九州新幹線・鹿児島ルート全線開業〔2011年3月〕、そして「JR東海博物館(仮称)」開業〔2011年春〕とほぼ同時期に東北新幹線に新規投入されることになっている「E5系」新幹線車両を充当しての最速達列車に対して付与されるべき列車名称も発表されていますが───その名前には思わず面食らいました。
このうち、東北新幹線「八戸~新青森」間延伸開業日については・・・
12月4日(土)
と発表されました。
この日付───大阪に於ける「サントリー1万人の第九(10000人の第9)」第28回公演の本番前日、リハーサル日にあたる日です《尤も東北地方では放送されていませんが…;でも過去には東北地方でも岩手県内で1度きりながら大規模「第九」演奏会が開催されましたけどね(→『名古屋にも「1万人の第九」があった!?・・・・・・インマゼール=アニマ・エテルナのベートーヴェン「第九」も』)》。
日程的に「1万人の第九」とほぼ同じタイミングということもあってか、遠く北国の出来事であっても心の中でつながっているような気がしました。
そしてもう一つ、同時発表されました、九州新幹線・鹿児島ルート全線開業とほぼ同時期にあたる来年(2011年)3月に新規投入される予定の「E5系」新幹線車両を充当しての最速達列車に付与されるべき列車名称は・・・
はやぶさ
えぇぇっ───これって、かつて東京と九州を結んでいたブルートレインに与えていた列車名の一つだったような。
今でも九州島内ではリバイバル列車の形で「はやぶさ」は生き続けていますし───去る3月20日・21日には、以下に示していますように、「鹿児島本線+肥薩おれんじ鉄道線」全線を通しての「はやぶさ」リバイバル運転が行われていました《その模様を伝えている記事→『門司港—鹿児島中央間でブルートレインが運転される』・『ブルトレ「はやぶさ」おれんじ鉄道を走る!』》。
元々東北方面の優等列車には見られなかった列車名称なだけに、私自身、列車名公募に応募する際には、正直、この「はやぶさ」という名前は全く考えていませんでした。
それだけに、今度の列車名称決定の記事が目に入ったとき、思わず目を丸くして眺めたものでした。
全く予想外な名称での決定となったことで、凄いサプライズな出来事のように感じましたよ(驚)───九州の鉄道好きの人たちの反応が気になります《まぁ気にするほどのことでは無いでしょうけれどもね…》。
今回「E5系」車両充当最速達列車に付与される名称として決定された「はやぶさ」について、NHK総合テレビで夜19時から放映されていたニュースの中で映っていたJR東日本の記者会見の席上、清野智・JR東日本社長が「”国内最速”とハヤブサの速く飛翔する姿とを重ね合わせた」というふうに語っているのが聞こえましたが、たまたま過去帳入りしてしまったブルートレインの中に「はやぶさ」という列車名称も存在するところから、結果として、来年3月予定の九州新幹線・鹿児島ルート全線開業に合わせて新たに設定される山陽・九州両新幹線直通列車の名称「さくら」と同様、過去のブルトレ列車名称が新幹線列車名称として復活するという格好になったわけですね。
ちなみにJR東日本が3月中に実施した列車名公募に於いて、「はやぶさ」は3,129票を集めて7位にランクインしていたとか───意外に多かったですね、この票数。
参考までに得票数トップは上野と青森を東北本線経由で結んでいた特急列車に与えられていた名称である「はつかり」の8,948票、2位には「E5系」の車体塗装パターンが女性バーチャルアイドルとして広く知れ渡っている「初音ミク」を連想させる等として投じられた「はつね」(7,184票)が入り、3位には上野と青森を常磐線経由にて結んでいた特急列車に与えられていた「みちのく」(5,904票)がランクイン《ちなみに私は「はつかり」や「みちのく」等に票を投じていました》。
そして、現行の最速達列車の名称で地元などから継続採用を要望する声が挙がっていた「はやて」は4,200票を集めて5位にランクインしていました。
あと、「E5系」車両に纏わることをもう一つ───約2年前の4月8日付で発出されたリリースの中で導入を表明している「スーパーグリーン車」について、昨年暮れに報道関係者を招いて実施した「E5系」公開試運転の段階では「未だ出来ていない」と一部メディアが報じていましたが、これについても、今回、同時に発表されていて、「グランクラス(GranClass)」と命名することに決めると共に、一部メディアではその「グランクラス」車向けに採用が予定されている、アイボリー調の座席(背板は木目調の樹脂?)の実物写真をも公開しています《→『E5系新幹線の列車名「はやぶさ」に決定--新グリーン車「グランクラス」連結』》。
で、今回「12月4日」開業予定と決まりました東北新幹線延伸区間を巡っては、去る4月13日にJR東日本新幹線群に於ける電気軌道総合試験車「East i」(E926形車両。東海道・山陽新幹線に於ける”ドクターイエロー”に相当)が初めて入線している他、その10日後にあたる4月23日には現行営業車両のひとつであるE2系車両(「はやて」車両)もまた新青森駅に姿を現すなど、延伸開業に向けての準備は着々と進められているような印象を受けるところです。
尤も、先に延伸区間への入線を始めていた「East i」が、入線開始5日後の4月18日に新青森駅手前約1kmの地点で突然停止してしまうというトラブルを起こし、その救出のため「はやて」車両が”初入線”して「East i」を引っ張っていったそうですが───東海道・山陽新幹線における”ドクター・イエロー”(現在は「923形」車両が就役)が故障で立ち往生したという話を今まで聞いたことが無かっただけに、このアクシデントには、正直、ちょっと呆れてしまっていました。
まぁ「East i」運転中の故障は恐らく初めてのことでしょうけれども、う~ん、ちょっと複雑な心境・・・
それはさておき、今頃はE2系車両や「East i」あたりを使っての試験走行が繰り返されていて、そろそろすれば徐々に速度を上げていって本番さながらの高速走行へと移行することと思いますが、大きなトラブルを起こすことなく、無事開業にこぎ着けられるよう祈るばかりです。
あと、今度の東北新幹線「八戸~新青森」間の延伸開業日決定によって、新たに発生する並行在来線区間(東北本線「八戸~青森」間)の第3セクター鉄道「青い森鉄道」への移管に絡んでとみられる「青春18きっぷ」今冬発売分を巡っての協議についても多少なりとも影響するものとみられるところなのですが〔→『「青春18きっぷ」2010年発売分一斉発表──冬季発売分は未定《協議中》。”赤い「青春18」”通販取り止め(終了)も』〕、現在もJR東日本開設の『えきねっと(旅どきnet)』内に掲載されている『青春18きっぷ』案内ページ内に掲載されている冬季分発売期間欄のところは「冬季用の発売および利用期間等については、詳細が決定次第お知らせします」と表示されているのみ。
7月から始まる夏期発売分「青春18」の発売・利用期間中ぐらいにも冬季発売分に係る発売期間などが発表されるものとみられるところですが、制度面での変更が為されるか否かも含めて、大いに注目してみるつもりです。
その前に、今週の終わり(或いは来週初め)ぐらいにはJRグループ旅客6社で夏期臨時(増発)列車の運転概要が一斉発表されることと思いますので〔ちなみに昨年(2009年)は「5月15日」付けで一斉に発表されていました〕、まずはそれを楽しみにしていようと思います。《→5月14日付で発表されました!》
九州新幹線・鹿児島ルート全線開業を控えるなど、鉄道界にとって激動の年ともいえそうな2011年への端緒ともいえるビッグ・イヴェントに向けて、大きく動き出しましたね。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『東北新幹線 新青森開業等について』
『新しい東北新幹線の列車愛称等の決定について』
『新型高速新幹線車両(E5系)「スーパーグリーン車(仮称)」の正式名称・インテリアデザイン決定について』
『愛称は「はやぶさ」に 東北新幹線の新型列車』
『新幹線・新青森開業は12月4日 列車名「はやぶさ」』
『東北新幹線:はやぶさ来春投入 八戸-新青森間12月開業』
『東北新幹線、新型車両の愛称「はやぶさ」』
《→『新幹線E5系、愛称「はやぶさ」に 八戸-新青森間は12月4日開業』》
『新青森開業12月4日、最速は「はやぶさ」』
『八戸―新青森、12月4日開業 新型車両愛称「はやぶさ」』
『東北新幹線・新型車両の愛称募集、「はつね」は2位だった』
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え、「はやぶさ」だって!?
確かに違和感あるわ・・・鉄道史に登場して以来ずっと九州への列車だったからねぇ。
でも「つばめ」もよう似たもんですから、まぁ、そのうち慣れてくるんちゃうんかな?
さてこれ、来年三月に北海道に行く予定があります、是非乗ろう。
(もっともグランクラスはどだい無理でしょうけど。。。)
これ「はやて」を半分入れたって風に考えてもいいかも。
「はつね」、以外と伸びましたねぇ、ヲタさんご苦労さん。
投稿: ポケット保持 | 2010年5月12日 (水) 00時10分
ポケット保持さん、おはようございます。
引き続きのコメントをありがとうございます。
私も今度の列車名称決定には意外な思いで眺めていましたよ。
「つばめ」にしても、起点こそ歴史の流れによって変わってきているものの、一貫して西に向かう優等列車として活躍してきていますし───今度の「はやぶさ」の場合はブルトレの時とは運転方向が正反対となってしまっていますのでね。
とはいえ、列車名称として再び復活したこと自体は、私も歓迎しています。
それにしても「はつね」という名前が飛び出したあたりも意外でした───現代の”萌え”ブームを見事反映していますね。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年5月13日 (木) 08時13分
はじめまして、キヨスカと申します。
トラックバックありがとうございました。
「はやぶさ」のニュースには驚きました。
でも鹿児島に「さくら」がやってくる時代ですから。
何がおきてもおかしくないのかもしれませね!
かつてのブルトレの愛称が新幹線で復活して嬉しいです。
投稿: キヨスカ | 2010年5月23日 (日) 22時23分
キヨスカさん、こんばんは。
お世話になっております───先日は失礼しました。
私もビックリでしたよ・・・何しろブルトレ時代とは運転方向が正反対なのですから。
とはいえ、「はやぶさ」が列車名として復活すること自体はうれしい限りです。
そして、列車名公募の獲得票数ランキング7位という結果を眺める限り、”旧・九州のブルトレ”ということにとらわれず、スピード感あるネーミングということで票が集まった、ということなのかもしれませんね。
話は変わりますが、八代以南の肥薩おれんじ鉄道線───かつて八代以北と同じく「鹿児島本線」と称していた鉄路を「はやぶさ」のHMを掲げた赤い電気ガマが久しぶりに駆け抜ける姿を見たとき、私もまたかつてのブルトレの再現ということで心中嬉しくなっていましたよ。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年5月23日 (日) 23時31分