22600系”Ace”、2010年鉄道友の会ローレル賞受賞…近鉄の標準軌用新型汎用特急車。気になるコンセント設置方
ここのところ、訳あって、鉄道友の会の会報誌『RAILFAN』、今年に入ってからぐらいから届いた状態のまま開封せずそのまま放置という状態が続いてしまっています。
そのため、今年のブルーリボン賞(BL賞)の投票をすっかり忘れてしまっていたり(ぉぃ)・・・
そんな中で、今日の午前中に『近畿日本鉄道博物館』を覗いてみたところ、今日(6月11日)付掲載記事にて、近鉄の標準軌線区向け汎用特急車両「22600系”Ace”」が今年の鉄道友の会ローレル賞(2010年…第50回)を受賞したことを伝えているのが見えました《→『鉄道友の会 22600系に2010年ローレル賞』》。
この記事を目の当たりにした私自身、ふと我に返り、ずっと封を開けぬまま放置し続けてきてブルーリボン賞投票のことなど眼中になかった自分を一瞬悔やみました。
まぁ自業自得なんですけどね・・・
で、早速鉄道友の会Webサイトにアクセスしてみたところ、今年は以下の通りに受賞車両が発表されていることがわかりました《→『2010年 ブルーリボン・ローレル賞選定車両』・『E259系が2010年ブルーリボン賞』》。
◎ ブルーリボン賞 … JR東日本E259系電車 《「成田エクスプレス」2代目専用車両》 ◎ ローレル賞 … 近畿日本鉄道22600系電車 《標準軌線区向け汎用特急車両「Ace」》 |
このうち鉄道友の会のローレル賞については、最近では2~3車種程度の同時受賞が続いてきていただけに、今回のような1車種のみの受賞という報せには、正直なところ、一抹の寂しさを抱いてしまうところがあります《ちなみにローレル賞受賞車両が1車種のみというのは2002年のローレル賞(第42回…JR西日本キハ187系気動車)以来8年ぶりのことになります》。
ところで、今回ローレル賞受賞の栄に浴することになった近鉄22600系車両でありますが、ウィキペディアを眺める限り、結構造り込まれているような印象を抱くところです。
窓の大きさは「さくらライナー」(26000系車両)より一回り大きい高さ965mmで窓ガラスには大型UVカットガラスを採用、座席間隔は甲特急(甲種特急…)向けの「アーバンライナー」(21000系”plus”・21020系”next”)や「伊勢志摩ライナー」(23000系車両)並みの1050mm、そして近鉄の鉄道車両としては初となるモバイル機器向け電源コンセントの設置・・・
こう書いていくうちに「是非一度乗ってみたい」という気持ちになるところなのですが、半面、この22600系車両は汎用特急車両ということで、原則的には主要駅停車タイプの特急列車(乙特急つまり乙種特急…)にまわされるみたいですので、この新しい特急用車両を体感したいのであれば、少なくともノンストップ特急(つまり甲特急)は敬遠したほうがいいのかもしれませんね《尤も現時点ではこの22600系車両が充てられている特急列車は限られていますが…》。
そして、もう一つ気になるのは、モバイル機器向け電源コンセントの設置方について。
ウィキペディア解説によると、車端部座席(最前列と最後列)については1席につき1ヶ口、そのほかの座席についても一列前の座席の背面に”1カ所”備えているとの由。
前者、つまり車端部座席へのコンセント設置方については「1席につき1ヶ口」と明記されており、このあたりは、最近デビューしたJRの特急形車両を中心に車端部座席への電源コンセント設置が進んでいることなどから、異存はありません。
問題なのは後者、つまり車端部座席を除く座席群について座席背面に”1カ所”備えられている電源コンセントです。
この”1カ所”というのが1ヶ口(つまり1席分のみ)を意味しているのか、それとも2席分のコンセント(つまり2ヶ口)が1カ所に集中して備えられているという意味なのか・・・このあたりが明確に示されておらず、ネット上で読みあさってみてもわかりませんでした。
もし1ヶ口のみの設備ならば”2席に1つ”ということになるわけで〔ネット上にて流布されている情報から、この”2席に1つ”が正解である可能性が高いですね…〕、2席のうちのどちらかだけが埋まっている状態ならばまだしも、満席状態とでもいうか、2席とも埋まっている状態だと、実際に使おうとする段になって隣人に気を遣ってしまいそうです《尤もその隣人が既にコンセントを使っていればいいのですが…》。
いや、乗った時点では隣に誰もいなくても、充電などでコンセントを使い始めて以降に停車する駅にて隣の席に誰か座られると、やはり気持ち的(というか精神的)に参ってしまうのかも・・・
いっそのこと、N700系・E5系両新幹線車両に於ける普通車の如く、窓側席のみに設備ということにすれば気分的にスッキリしそうなところなのですけど───ハッキリ言って。
色々文句を並べてしまいましたが、実際のコンセント設備方については、本来ならば自らの目で確かめるべきところを、悲しいかな、経済的なことなどもあって、今の私自身には正直厳しいかな・・・スミマセン。
一時期、先頭車両先端部に装着されている連結器の形状などから、阪神なんば線(というか阪神線以西区間)への相直対応を期待していたこともある近鉄の新しい汎用特急車両22600系。
何はともあれ、私にとって身近な存在でもある近鉄からローレル賞受賞車両が出たことにつき、とても嬉しく感じるところです。
心から祝したいと思います。
22600系電車だけの臨時のお勤め、名奈”せんとくん”特急の姿です《11月7日(土)迄の土休日を中心に運転;名古屋方先頭車両前面窓にせんとくんプレートが吸着されているのが見えますね》。
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南八尾電車区殿、
祝!近畿日本鉄道、22600系ローレル賞受賞!
シリーズ21以来のひさしぶりの受賞ですね。
22600系は登場時から、ブルーリボンは無理でも、ローレル賞は取れそうな感じがしていました。
喫煙室の設置や、シートピッチの改善、ゆりかご式シートの改良、パソコン用のACコンセントの設置、温水洗浄便座付きトイレの採用など、ハイグレードな装備が評価されたようです。
「うわさ」されております、阪神なんば線経由の、阪神線、さらには山陽線乗り入れについては、おそらく、この22600系が充当されるのではと思います。
その根拠としては、まったく個人的な見解ですが、、、
1、運転席にある指令列車無線制御機には「大名」、「奈」、そして、「阪」のランプが設置されています。しかし、最近はビニルテープで「阪」が目隠されております。
2、電気連結器が二段になっている。(ちなみに上が60芯、そして、下が36芯だそうです。追加された下部電気連結器には温度、湿度などの車内モニター情報のほか、三相の電力も付加されているとのことです) ただし、南大阪線でまもなく営業を始める22600系の狭軌バージョンの16600系も電気連結器が二段になっています。
3、クーラーキセに車外スピーカー用の準備工があるように思われます。そして、運転席には車内放送の車外、車内切り替えスイッチの準備工がされています。阪神の保安装置を積むことも、設計時から考慮されていると思います。
4、方向幕(カラーLED)に阪神三宮のコマがある。
http://d.hatena.ne.jp/special-rapid223/20090125
5、モーター出力の強化。22000系のモーター出力は135kw/1050Vですが、22600系のモーター出力は230kw/1050V系となっております。(参考 wikipedia) これは、大阪線の33‰で110キロ以上の登坂能力に加え、阪神なんば線における40‰にも充分対応できるものだと思います。
6、短期間に4両編成が2本と、2両編成が12本の計32両が投入されている。これはあまり、関係ないかもしれませんが、すぐにも営業運転が可能な本数だと思います。
などです。
でも、まだまだ、課題も多く、三宮やそれ以西の駅での折り返しの際の車内清掃や、特急券販売委託、相互乗り入れのバランスなどの問題もあると思います。
かなり、空想的なことを書いてしまい、失礼しました。でも、近鉄特急の阪神線内の走行シーンはぜひ見てみたいし、乗ってみたいと思っています。
ありがとうございました。
投稿: 奈良の鹿やん | 2010年6月12日 (土) 11時43分
南八尾電車区殿、
先ほどの22600系の阪神線乗り入れの妄想話の中で、間違いがあったかもしれません。
5番目にモーター出力の強化とありますが、22000系はオール電動車に対して、22600系はMT比率1対1になっており、単純にモーター出力だけの比較にはならないと思います。
充分に検討せず、誤解、混乱を招くようなコメントをしてしまい、反省をしております。
以後、注意してコメントするようにします。
どうか、笑い話としてお忘れください。
このときばかりは、コメントの取り消しができたらと思いました。
大変失礼をしました。
投稿: 奈良の鹿やん | 2010年6月12日 (土) 12時09分
せんとくん特急こと
名奈特急(名古屋~大和西大寺)、
大和八木と大和西大寺で見ました。
名古屋市~奈良市を結ぶ直通列車は関西本線の急行『かすが』が廃止されて以来、普段はありませんから、びっくりします。
JRも関西本線にキハ85系の臨時特急を名古屋~奈良に走らせて欲しかったです。
桑名、四日市、亀山、柘植、伊賀上野、木津に停車とし、
比較的短距離なためB特急料金とすれば利用されたと思います。
近鉄22600系の三宮乗入れを是非実現して欲しいです。
山陽電鉄乗入れはもし実現してもおそらく修学旅行臨(宇治山田行)と天理臨(天理行)くらいでしょう?
投稿: 長瀬国分線 | 2010年6月13日 (日) 15時26分
長瀬国分線さん、こんばんは。
引き続きアリガトウです。
奈良は見事なまでに近鉄に包囲されてしまっていることもあり、実情に即しつつよほど工夫を凝らすなどしなければ東海圏から奈良への輸送に於いてJRが打ち勝つことは難しいでしょうね。
それから長瀬国分線さんへ・・・
色々と鉄道趣味に纏わるご意見などをお持ちとお見受けするところなのですが、ならば、一度ご自分でブログなりツイッター(Twitter)なり始められたらいかがでしょう。
今では初心者向けの解説サイトの類も充実していますし、開設することで自分のペースで綴ったりつぶやいたりすることが出来ますので、是非ともオススメします。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年6月15日 (火) 08時06分
奈良の鹿やんさん、こんばんは。
順番が前後してしまって、どうもスミマセン───今回2つ分まとめてレスさせてもらいますね。
それにしても、鉄道友の会ブルーリボン賞の投票、うっかり失念しました(自爆)
それはさておき、私もこの22600系がデビューせんとした際に、先頭車両先端部装着の連結器の形状や時期的なことなどから、阪神なんば線直通乗り入れ対応になるのでは、と密かに期待していました。
けれども、阪神線以西区間に乗り入れるために必要な阪神の列車選別車上子(先頭車両の先端部横側下部に装着)が備わっていないこと、運転台に阪神ATS表示装置などの取り付けが見られないことなどから、結局は相直対応にはなりませんでした《車体外寸もちょっと大きめという印象でしたし…》。
とはいえ、列車無線装置が阪神線対応型になっていること〔これは寡聞にして知らなかったです…〕、LED式行先表示に「阪神三宮」も用意されていること・・・等を考えれば、設計段階で阪神線への乗り入れをある程度意識していたことを窺わせるところですね。
あと、22600系のモーター配置の件については承知済です───ウィキペディアを読む限り、どうやら動力源は二重系になっているような感じですね。
今度、2013年が当たり年となる伊勢神宮式年遷宮に備えて近鉄がまた一つ新しい観光特急車両を設計する旨を発表していますが、この新型車両こそ阪神なんば線直通乗り入れ対応になるのでは、と勝手ながら睨んでいるところです。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年6月16日 (水) 00時17分
近鉄王国の奈良県と三重県は近鉄の圧勝というイメージが強いですね。
近鉄沿線に住んでいるから近鉄が永遠に勝って欲しいのですが。
ツイッター、今話題になっていますね。菅首相就任時に不正利用が問題になりましたね。
ツイッターに登録しようと思います。
投稿: 長瀬国分線 | 2010年6月18日 (金) 16時07分
長瀬国分線さん、こんにちは。
いつもコメントをアリガトウです。
私も過去に、「青春18きっぷ」シーズン外に、近鉄を使って大阪と名古屋を往復したことがあります。
勿論、普通乗車券型の株主優待乗車証を使って───安上がりですし。
とはいえ、旧国鉄から引き継がれたJRは全国に鉄路を張り巡らしていますし、関西圏に限っても近鉄の範疇外となっている地域も少なくないわけですので、そのことを生かしつつ工夫を凝らして奮闘して欲しいですね。
あとツイッターをお考えの様子で・・・
『Twitter公式ナビゲーター twinavi』
http://twinavi.jp/
既にご存じならばスミマセンが、始められる前に、まずはこのサイトを読まれるとよろしいかと・・・
ツイッターにせよ、ブログにせよ、慣れてくれば他のブログサイト(コメント欄)などに依存することなくご自分のペースで綴ったりつぶやいたり出来ますので───それと、あまり熱くなりすぎずに。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年6月20日 (日) 11時24分
近鉄大阪線沿線に住んでますたまに特急に乗りますが新しい22600系もいい車両ですだけど自分にとって一番好きな電車である12200系いくつかは残して欲しいですこの電車で神戸や姫路に行くのがひとつの夢なんですけど他の12400系12410系12600系30000系といった昭和車両も好きでこれらはまだ廃車の対象になってないんで安心ですけどこれらの電車でも神戸や姫路に行けたらと思ってます特急時間帯で車両わかればいいんですけどね
投稿: スナックカー | 2010年7月11日 (日) 14時23分
スナックカーさん、こんばんは───懐かしい響きですね。
近鉄特急の標準軌線区向け車両のうち昭和生まれ且つ現在も運用されているのは5系列───12200系・12400系・12410系・12600系・30000系───ということになるわけですが、今のところ、これら系列の中では廃車処分にされるとの話は聞かれないですね。
ただ、車両限界などの関係から、阪神線以西区間への乗り入れは、残念ながら、ちょっと無理かと・・・
昭和生まれの近鉄特急車両で今も運用に入っている車両たちは次々とアコモ改造を受ける等してリフレッシュが図られている様子ですが、車齢の問題などもあって、今後何処まで生き続けられるのか、気にかかるところです。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年7月11日 (日) 20時39分