指定席車座席等に木材?…山陽・九州両新幹線「さくら」用N700系7000番台報道公開。800系「つばめ」内装踏襲か
昨日(6月15日)行われた、来年(2011年)3月全線開業予定の九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)に於いて、山陽・九州両新幹線を直通する新幹線列車「さくら」向けに運用されるN700系7000番台(”青磁”仕様…JR西日本保有分)車両の報道公開。
その時の模様が、私の自宅で購読している朝日新聞の今朝の朝刊(6月16日付朝刊)にも掲載されているのが見えました《左の写真画像》。
勿論、朝日を初めとする各種メディアが今回の「さくら」向けN700系7000番台車両の報道公開をこぞって伝えていました。
私もそれらの報道記事(レポート)の類に一通り目を通してみました。
そこで抱いた印象・・・N700系車両に九州新幹線オリジナルの800系「つばめ」車両の要素を持ち込んでいる。
或いは「N700系と800系を足し合わせて2で割ったようなもの」。
各種の報道によると、このN700系7000番台車両の車内のインテリアについては「和」(メディアによっては「和のもてなし」等とも)をモチーフにしているみたいで、指定席車(普通車&グリーン車)に入れられている座席のテーブルや肘掛けには木材が使われているとのこと。
このテーブルや肘掛けに使われている木材について、その具体的な品種名については一切明らかにしていませんが、メディアによっては「桜調の木材」とか「桜の木に似た木材」と伝えているものもあります。
更に、一部メディアでは荷棚、手すり、妻面壁、洗面台にも木材が使われているとも報じています───尤も、使われているとすれば、恐らくは指定席ゾーン内に入っているものに限られていることでしょうけども〔定かでありませんが〕・・・
座席に木材・・・といえば、九州新幹線先行開業区間(新八代~鹿児島中央)で既に運用されている800系「つばめ」車両も、座席の基部やブラインド、妻面壁に木材が使われているとのことですので、今回報道公開されたN700系”青磁”仕様車両に於いても客室部分のところで既に800系車両のエッセンスが採り入れられているような気がしないでもないところですね。
ただ、各種の報道では一切明らかにしていませんでしたが、所々に使用されている木材には不燃加工が為されているのだろうか───800系車両の内装で素材として用いられている木材には全て不燃加工が施されていると聞きますが、まぁ安全のため〔というか火災予防のため〕、当然のことながら、漏れなく施されていることでしょう。
800系車両のエッセンスと言えば、もう一つ、乗降口デッキにもそれを見ることが出来ます。
パッと見た感じ、なんと800系車両のデッキと同じく黒々した感じになっていました。
そして、更に眺めるうち、800系車両のデッキと同様の造り(「柿渋色」の壁面に「古代漆色」のドアを配してダウンライトでしっとり感を演出…)をしているような印象を抱くようになりました。
一部メディアの報道では、内装に関しては岡山市出身のデザイナー水戸岡鋭治氏が手がけた800系「つばめ」車両の内装を踏襲しているとの話であり、800系車両の内装もまた「和」を基本コンセプトとしているところから考えると、内装に関してはJR九州の息が結構かかっているように見受けました。
なお、普通車の座席配置について、自由席が従前からの新幹線車両と同じ「2×3」配列となっているのに対して指定席は山陽新幹線”ひかりレールスター”車両(700系7000番台)の普通車指定席と同じく「2×2」配列となっているあたり、JR西日本オリジナルの”ひかりレールスター”の座席配置を踏襲したものとも捉えることが出来るところでしょう。
その一方で、現行の”ひかりレールスター”に於いて名物的存在の一つともいえる、静かな車内作りを目的とした「サイレンスカー」は、今度のN700系”青磁”仕様車両に於いては設定されるのかどうかについては、現時点では一切触れられていません。
現行の”ひかりレールスター”引退と共に「サイレンスカー」もまた姿を消す運命にあるのだろうか・・・
また、今回の報道公開では、座り心地の紹介は為されていたものの、モバイル族にとっては欠かせない電源コンセントの有無に関しては殆ど触れられていませんでした。
普通車であっても自由席と指定席とで配列の異なるこのN700系”青磁”仕様車両も、16両編成にて東海道・山陽新幹線を通しで運用されているN700系通常仕様車両と同様の電源コンセント配置方(グリーン車の全席と普通車の”窓際席及び最前列・最後列席”)となっているのだろうか───ちょっと気になります。
幾つかのニュース映像にて、普通車指定席の窓側壁面下部に電源コンセントらしきものが映っているのが見えていたところから、少なくとも指定席に関してはN700系プレーンタイプ(通常仕様車両)と同様の電源コンセント設置方になっていることでしょう《普通車自由席についてはわかりませんが…》。
あと、車内設備の一つとして「多機能トイレ」も紹介されていますが、某全国紙報道記事に掲載の写真画像から、N700系通常仕様車両に備わっているそれと同様、オストメイト対応になっている模様です。
その一方で洗面所の類については、メディアの報道によると、通常の洗面台とは別に女性客向けのパウダールーム(三面鏡付き)が設けられていますが、洗面台・パウダールームともカーテンの類(或いは800系車両に見られるような”のれん”)が備えられていなかったあたりがちょっと気になるところかな・・・
座り心地や車内の雰囲気のことについてはメディア報道に任せているためここでは触れませんでしたが、改めて、東海道新幹線区間にも顔を出すN700系通常仕様車両に800系「つばめ」車両の内装面に於けるエッセンスを採り入れたのが今回報道公開された「さくら」向けN700系”青磁”仕様車両であることをつくづく感じました。
9月から建設工事区間(博多~新八代)間に於いて現用車両による試運転が始まるほか、東北新幹線「八戸~新青森」間延伸開業予定時期にかかる12月には山陽・九州両新幹線を相互直通しての試運転も開始となるとのことで、全線開業まで残り10ヶ月を切っている九州新幹線・鹿児島ルートの建設工事はいよいよ大詰めを迎えていると言ってもいいでしょう。
N700系”青磁”仕様車両の本番に向けての”訓練”にも益々力が入ってきているような気がしました。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『新型新幹線「さくら」、女性専用スペース充実 車内公開』
『九州新幹線:「さくら」試運転を公開』
《→『山陽・九州新幹線:「さくら」公開 N700系を基に開発』》
《→『【写真一覧】山陽・九州新幹線:「さくら」公開 N700系を基に開発』》
『新幹線「さくら」車内公開… 快適性を重視』
《→『快適性を重視(特集「鉄道」・新おとな総研「旅のしおり~ニュース」)』》
《→『くつろげる木目調(九州経済・ニュース特集「九州新幹線」)』》
『九州新幹線イメージ一新 新型「さくら」公開』
《→『九州新幹線イメージ一新 新型「さくら」公開』》
『新幹線車両「さくら」を報道公開』
《→『新幹線車両「さくら」を報道公開』》
《→『新幹線「さくら」の車内を公開 JR西日本と九州』》
『新型「さくら」公開=来春、山陽・九州新幹線直通』
『新幹線「さくら」試運転を公開 JR九州・西日本』
『新幹線「さくら」公開 九州-新大阪を直通運行』
『試験走行中の「さくら」を公開 JR西と九州、博多を出発』
《→『さくら 待ち遠し 九州新幹線 全線開通急ぐ』》
《→『「和」が包む快適な旅 九州・山陽新幹線「さくら」試乗ルポ 木の香り漂う車内 点字の席番号案内』》
『九州新幹線「さくら」公開 「和」コンセプトに快適性重視』
『山陽・九州新幹線 新型車両「さくら」公開』
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