2代目AE形車両の報道機関向け試乗会・・・京成”スカイライナー”向け。高速新線含む「成田スカイアクセス」を駆ける
西日本で山陰本線「鎧~餘部」間に架かる余部橋梁のコンクリート主体で造られた新橋梁の使用開始(8月12日予定)に向けての最後の掛け替え工事(というか新橋梁への線路付け替え等工事)が始まる7月17日、首都圏内に於いては京成にとっての新しい成田空港アクセス鉄路、「成田スカイアクセス」(京成成田空港線)が開業を迎えます。
それを前にして、新規建設工事区間に於いては北越急行ほくほく線と同様に160km/h高速走行対応で造られたというこの京成の新しい成田空港アクセス鉄路を走る主役的存在、3代目「スカイライナー」車両こと2代目AE形車両の報道機関向け試乗会が去る6月23日に開催され、各種マスメディア関係者らが集いました《→『京成新型スカイライナー、160キロ運転を公開』・『新型スカイライナー試乗会。』》。
その2代目AE形車両試乗会の模様が一部メディアによって『YouTube』にも寄せられてきており、私たちもこの映像を通じて、ほくほく線を走る特急「はくたか」と同じく160km/hで駆け抜ける2代目AE形の走りっぷりを体感することができます。
今回は、私自身もしばしばお世話になっている『鉄道コム』スタッフ陣もこの試乗会に乗り込み、動画撮影をしてくれています《『鉄道コム』自身による動画撮影・掲載は今回が初めての模様…》。
撮影されているのは上野方面に向かう試乗列車の、「空港第2ビル~印旛日本医大」間に於ける車窓風景。
空港第2ビル駅を発車した直後あたりから映っていて、グングンとスピードを上げていき、再生開始から1分半弱で最高時速である160km/hに達成しています《この少し前から車内アナウンスで現在速度を告知する声あり》。
「3:40」あたりで成田湯川駅東(成田空港)方に設置されている、上越新幹線・高崎駅の長野(越後湯沢)方に設置されているのと同様の「38番分岐器」を通過して複線区間に入り、さらに「3:54」あたりで待避線が見えてきて成田湯川駅のホームが見えてくると思いますが、分岐器通過時にゴロゴロという音が聞こえてくるものの、確かに速度を落とさぬまま颯爽と成田湯川駅を通過していく様が見て取れます《どうやらこの分岐器、新幹線やほくほく線で取り入れられているのと同様、可動ノーズになっているみたいですね→『在来線最速160kmを体験 - 成田スカイアクセス・新スカイライナー試乗記(2ページ目)』》。
この160km/h前後の高速───外部から見れば、大凡以下に示す動画に映っているような感じの走りっぷりになることでしょう。
上の動画3本とも北越急行ほくほく線を走る特急「はくたか」の駅通過シーンから借りてきていますが、一つの連結面を通り過ぎてから次の連結面が現れるまでの時間が在来線列車の通過の場合と比べて短くなっていることが感覚的におわかりになるかと思います。
最初の動画に戻りまして───「7:11」あたりで印旛日本医大駅を通過、ここから先は既存線である北総線区間に突入、同駅通過前後(「6:50」ぐらいあたり)から徐々にスピードを落としてきているのがおわかりになるかと思います。
印旛日本医大駅より京成本線との合流地点となる京成高砂駅にかけての北総線区間では最高時速「130km/h」となっているためなのですが、実は北総線区間における従前から設定されている最高速度は「105km/h」であったところを、今度の「成田スカイアクセス」開業に備えて待避設備の増設や地上諸施設の改良(線路の改修も?)などを実施、「130km/h」への引き上げが実現できているわけです。
報道陣らと共に試乗していた森田健作・千葉県知事もご満悦だった様子───京成上野駅停車中に見せたガッツポーズに、なんだか昔の俳優時代だった頃の彼を見る思いがしました《→『新型スカイライナー試乗会(時事ドットコム・YouTube)』》。
去る6月23日に開催された「成田スカイアクセス」(2代目AE形)試乗会の模様をとらえた動画をもう一つ、『YouTube』から抜き出してみました。
こちらは、先に示しました動画とは逆に成田空港方面に向けての走行動画となっていて、集合地である京成上野から空港第2ビルにかけて4本の動画にわたって収録されています《京成本線内を中心に一部省略されている箇所が見られますが…》。
集合場所として指定された京成上野駅構内の様子からカメラを回し始め、目当ての2代目AE形車両に乗り込んでからは車内放送による「成田スカイアクセス」概略や2代目AE形車両の解説などをほぼまるまる聴くことができるよう収録されているあたり、視聴している側もその場にいるかのような気分にさせてくれてイイ感じでした。
車窓風景や、車内に設置のモニターに映し出された前面展望の撮影(というか前面展望を映し出しているモニター画面の撮影)が中心になっているのですが、その一方で動画投稿者が座っている座席周りの設備やその他の車内設備の紹介も実物に即する形で、時に車内アナウンスに合わせつつ、なされているのが見えました。
この映像の作り方については、走りっぷりを楽しむ一方で2代目AE形に関する基本的な知識を得ることも出来るあたり、嬉しい限り───車内に設置されたモニター画面を通してではあるものの、新線区間に於いてほくほく線と同様の”高速進行”(G-G)現示が見られるのもイイ感じですね。
中でも電源コンセントの位置をわかりやすく示してくれているあたりは、一応モバイル機器関連にも関心を抱いている身としてはとてもありがたく感じるところ───この2代目AE形車両では、座席の中央足のところに2席分がまとめて装備されているのが見えました。
このあたり、約1年前(2009年4月1日)に正式デビューした近鉄の標準軌線区向け汎用特急車両「22600系」を連想させてくれるところです《近鉄22600系車両の電源コンセントは座席背面の中央部、背もたれ部の付け根付近に1カ所設備されています→『近鉄22600系』(当該ページ中ほどにコンセント写真。よく見ると1カ所に2ヶ口集中設備か?)》。
その一方で、ひとつ気になったことを・・・
座席の背もたれ上部に新しいスカイライナーのロゴの入った青色の頭当てが見えるのですが、見た感じ、ビニール製で一つ一つの座席に固定しているかのような印象を受けました。
この頭当ての作り方、JR東海の313系車両(但し関西本線を除く名古屋地区運用車両)の座席の背もたれ部分に見える頭当てを連想してしまいそうです。
このあたり、2代目AE形車両に於いては、JRの特急列車に於ける座席に見られるように、頭当てとして白い布(或いは不織紙)を個々の座席にかけて回り、終着駅に到着後は全て回収してクリーニング───というふうにはならないみたいですね。
今の京成が抱えているであろう経営実態の一端を垣間見るような思いがしました《もし間違っていたらスミマセン》。
何はともあれ、これまで成田空港に通ずる本線(京成本線)に於いてカーブの多さに悩まされてきたであろう京成にとっては、今度の「成田スカイアクセス」こと京成成田空港線の開業、そして3代目「スカイライナー」車両こと2代目AE形車両の新規投入は、まさに悲願であり、そして京成の歴史に新たな1ページを書き加える大事業となることでしょう。
開業まであと1ヶ月足らず───E259系「成田エクスプレス」新型車両の投入で臨むJR東日本との”成田空港鉄路アクセス”競争で優位に立つことが出来るや否や・・・その本番はすぐ目の前に迫ってきています。
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