485系特急「雷鳥」消滅・・・来春(2011年春)限り、683系4000番台「サンダーバード」に置き換え。関西と北陸を直結
当時、金沢行きは勿論のこと、富山行き、新潟行き、そして夕方には魚津行きというのもありました。
加えて当時は、旧国鉄色をまとった485系車両による「雷鳥」だけでなく、同じ485系車両ながらも白地に青とピンクの帯をまとい、10両された編成にて運転された「スーパー雷鳥」も存在していました。
従前からの「雷鳥」より更に停車駅の絞り込まれた「スーパー雷鳥」向けの編成では富山方先頭2両をグリーン車とされ、更に先頭車両である10号車の前面形状を展望(パノラマ)のきく開放感溢れる形状に改造されていましたね。
そんな栄華を誇っていた大阪・北陸間特急「雷鳥」も、485系車両の後継として681系や683系が登場して「サンダーバード」として運転を開始してからはスピード面で劣る等として徐々に減らされていき、今年3月に施行されたJRグループ定例ダイヤ改正にて、ついに1往復を残すだけとなってしまいました。
その、1往復だけ生き残った「雷鳥」の運行ダイヤを『JRおでかけネット』から拾ってみますと・・・
【上り(金沢→大阪)…雷鳥8号】 金沢0710始発→大阪1004終着 《湖西線・近江今津にも停車(0902着→0903発)》 【下り(大阪→金沢)…雷鳥33号】 大阪1712始発→金沢2004終着 《湖西線・堅田にも停車(1755着→1756発)》 |
何だか金沢を軸にしたような感じの運用になっていますね《少なくとも私自身はそう感じる…》。
そんな、ついに1日1往復となってしまった、485系車両充当による特急「雷鳥」でありますが、今月に入ってから、来年(2011年)春に「サンダーバード」に置き換えられる格好で姿を消すことが報じられました。
この「来年(2011年)春」という時期、実は約2年半前の2008年1月24日にJR西日本から、「雷鳥」に充当されている485系を全て新型車両に取り替える期限として既に発表されているものであり〔→『JR西日本 〈雷鳥〉用485系置き換えへ』〕、今月に入ってから為された報道は新型車両(683系4000番台→後記)への取り替えが順調に進んでいることを暗に示しているものといえますね。
「来年春」───恐らくは来年のJRグループ定例ダイヤ改正の施行時期、ということになるでしょう。
この時期は、北近畿エリアを走る電車特急「北近畿」や「きのさき」などで運用されている183系(西日本ヴァージョン)の後継となる新型特急用車両「287系」のデビュー予定時期、一足先に「八戸~新青森」間を延伸開業した東北新幹線に於ける”はやぶさ”車両こと「E5系」のデビュー予定時期・・・などとほぼ重なる格好となっています。
旧国鉄時代からの生き残りで、平均経年でも30年を超える485系を充当しての特急「雷鳥」───老朽化が進んでいるとしてJR西日本では、この485系からの置き換え用として、オフセット衝突を考慮した車体強度の向上や主電動機出力の向上、グリーン車座席を中心にした電源コンセントの装備などのマイナーチェンジを施した683系4000番台車両を2008年12月にデビューさせ、今日に至るまで順次「雷鳥」を置き換えてきています。
そして現在、その683系4000番台車両は、225系車両を怒濤の如く製造・発送してきている近畿車輛に於いて、製造が進捗しているとの情報が入ってきており、この製造中の4000番台車両1編成分の落成そして投入によって「雷鳥」は定期特急列車として姿を消すということになりそうですね。
特急「雷鳥」は東京オリンピックが開催された1964年(昭和39年)の12月25日、当時落成されたばかりの481系特急形電車(ボンネット車)を使って「大阪~富山」間にて運行を開始《当初は同年10月1日のダイヤ改正を受けて運行開始する予定だったところ、そのダイヤ改正期日に481系車両の落成が間に合わなかったために延期───その481系車両の落成を待って、同年12月25日〔クリスマス当日〕、名古屋発の「しらさぎ」と共に運行開始となった》。
立山連峰の高山地帯に生息し、富山県の県鳥にして国の特別天然記念物にも指定されているライチョウから採られたというこの電車特急は、デビュー当時に於いて電車列車といえば普通か急行ぐらいしか無かった北陸本線エリアに於いて燦然と輝く存在だったみたいで、乗客だけでなく、運転士や車掌といった乗務員にとっても花形的存在だったそうで、人一倍の誇りを以て乗務していたのだとか。
1995年4月に「サンダーバード」が登場して以降〔当初は「スーパー雷鳥(サンダーバード)」としてデビュー、1997年3月以降は「サンダーバード」に改称〕、スピードと乗り心地に勝る681系に圧される格好で485系特急「雷鳥」は年を追う毎に姿を消すことになったわけですね。
私にとっても”特急「雷鳥」”は関西と北陸地域を湖西線を介して結ぶ中・長距離列車の代名詞として認識していた節があり、そこに新潟経由で青森まで運転されていた「白鳥」や夜行の「日本海」・「つるぎ」などが伴っていたようにも思ったりしたものです。
更に、1989年12月に「大阪~札幌」間臨時夜行特急列車「トワイライトエクスプレス(TWE)」が登場して以降は、臨時列車という性格がもたらす宿命とでもいうか、大阪発の下りに於いて後続の「雷鳥」や「スーパー雷鳥」がダイヤ上TWEを追い抜くという事象に目を見張り、その後発「雷鳥(スーパー雷鳥)」を”TWE乗り遅れ客の救援列車”と考えていたこともありました《現在も大阪発下りに於いて先発のTWE(大阪1150発)を後続の「サンダーバード」2本(1212発と1242発)が福井到着までの間にTWEを追い抜くというダイヤ組成になっているみたいです…》。
何れにせよ、大阪駅などに於いて外から眺めることが殆どだったものの、私にとっても「雷鳥」は北陸路を連想させてくれる馴染みの存在として今も記憶として焼き付いています。
来春の、恐らくJRグループ定例ダイヤ改正にて定期特急列車としての「雷鳥」は姿を消すことになるわけですが、JR西日本金沢支社によると、消滅後も臨時列車として「雷鳥」の列車名が使われる可能性があるのだとか。
かつてのブルートレイン「さくら」や「はやぶさ」みたいに、列車廃止によって消滅してしまった列車名が違う形で復活するケースを、最近になって、相次いで耳にするところですので、来春の消滅後に於いて、何らかの形で「雷鳥」が列車名として何処かで復活してくれたら・・・
ただ、新幹線の列車名称として復活されることになった「さくら」や「はやぶさ」と違い、「雷鳥」の場合はその名称の由来からして地域がある程度限定されてしまうところがあるので、列車名としての復活は北陸・信越エリアを除いて正直難しい印象を抱くところがあります。
とはいえ、来春以降、何らかの形で「雷鳥」という列車名が復活してくれれば私も嬉しいです。
それが昼行運転の特急以外の列車であっても・・・
何はともあれ、最後の最後まで、無事故で、北陸路に於いて旧国鉄時代から引き継がれるその雄姿を見せ続けて欲しいと願うばかりです。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『「雷鳥」来春でお別れ…大阪と北陸結び46年』
《→『「雷鳥」来春でお別れ…大阪と北陸結び46年』》
『特急「雷鳥」引退 来春限り』
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