管内29駅新たに無人化…JR四国、9月と10月、「高速上限千円」等の影響受けて。駅業務委託先探しも?《19年ぶり》
JR旅客6社の中で路線網規模の最小な四国旅客鉄道(JR四国)。
このJR四国といえば、JR発足後に新規投入された車両に関しては旧国鉄時代から続く付番方式を否定、私鉄で見られるような4桁の数字のみとされたあたりが私にとっての大きなインパクトだったわけですが、最近ではJR西日本と同じく黒基調の制服に改められたのも一つの印象として残っています。
そんなJR四国───長引く景気低迷に加え、沿線地域に於ける少子高齢化の進行、昨年春から政府施策の一環として実施されている「高速道路通行料金上限千円(ETC車対象休日特別割引)」などの逆風をまともに受け、ここのところは瀕死の状態にあるとの印象を抱いてしまうところ。
そんな中、JR四国は新たなリストラ策として、同社管内に所在する29駅の無人化を打ち出しました。
駅の無人化という措置が執られるのは、JR四国では1991年に予讃線「伊予上灘~伊予白滝」間(非電化区間内)でCTCが導入されることに伴って実施された伊予上灘・伊予白滝両駅の無人化以来19年ぶりのことになりますが、経費削減を理由とした駅の無人化は今回が初めてとのこと。
今回新たに無人化される駅を生活や通勤・通学の拠点としてきている人たちにとっては、その駅に於いては定期券や各種指定席券、各種割引(学割など)が適用された乗車券類を購入することが出来なくなるなど、影響は避けられないところでしょう。
それはさておき、今回発表された駅の無人化では、
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◎ 1日の売り上げが約10万円以下 ◎ 駅係員の雇用形態が契約社員 ◎ 窓口の営業時間が5時間程度 《終日業務をしていない》 |
に該当する、合わせて29駅が対象となっており、これでJR四国管内に於ける無人化率は全体の約8割に達するのだとか。
その、対象となった駅を以下に挙げますと・・・
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【予讃線】 ◎ 9月1日から 鴨川、本山、豊浜 《以上3駅香川県》 大西、三津浜 《以上2駅愛媛県》 ◎ 10月1日から 伊予土居、菊間、伊予長浜 《愛媛県》(※2) 【土讃線】 ◎ 9月1日から 豊永、西佐川、多ノ郷 《全て高知県》 ◎ 10月1日から 大歩危 《徳島県》 斗賀野、土佐久礼 《以上2駅高知県》 【予土線】 ◎ 10月1日から 江川崎駅 《高知県》(※3) 【高徳線】 ◎ 10月1日から 造田、讃岐津田、讃岐白鳥 《全て香川県》 【牟岐線】 ◎ 9月1日から 阿波中島、桑野、由岐 《全て徳島県》 ◎ 10月1日から 二軒屋、中田 《全て徳島県》 【徳島線】 ◎ 9月1日から 府中、牛島、学 《全て徳島県》 ◎ 10月1日から 阿波川島、阿波山川、阿波加茂 《全て徳島県》 |
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【備考】 ※1:赤字表記の駅名は特急停車駅 ※2:伊予長浜駅は非電化区間の中の海回り線に属する駅。今回の無人化によりその海回り線に於いては駅員配置が無くなる ※3:今回の無人化措置により予土線の線内から駅員配置が消滅することになる |
これら計29駅に合わせて33人の契約社員が勤務しており、無人化に伴って雇い止めになる見通しというふうに伝えています《(33人のうち)26人程度が雇い止めになる、と報じるメディア有り》。
そして、今回の駅無人化措置によって年間約5千万円の経費節減を見込んでいるのだとか。
それにしても、学業成就のお守りにもなる入場券で知られる学駅を初め、特急停車駅も3駅含まれているあたり、今のJR四国の厳しい経営環境の一端というものを垣間見る思いがします。
尤も、一部メディアは、徳島県内で新たに無人化される駅についてJR四国はその一部について他所に駅業務を委託することも検討中〔→”簡易委託駅”化?〕、とも伝えていますが───徳島を除く3県に於ける無人化対象駅についても、同様の検討が為されていることでしょう《定かではないけれども…》。
今回の無人化措置によって有人駅は51駅となり、そのうち23駅は契約社員のみで運営される駅・・・と一部メディアは報じていますが、JR四国は今回の措置などによって尚も業績好転の兆しが見えなければ無人化対象駅の追加の可能性をちらつかせています。
現状、高松から松山、高知、徳島にかけて高速道路網が整備されている四国にあって、今も継続している「休日特別割引」に加えて、6月28日からは一部の有料道路を対象とした「高速道路無料化社会実験」も始まり、四国内でも高知自動車道の「高知IC/JCT~須崎東IC」間などが「無料化社会実験」対象区間に入っていたりするところから、ただでさえ厳しい経営環境に置かれているJR四国にとって今後更に厳しさを増すことは想像するに難くないところ。
下手をすれば、最悪、JR四国管内に於ける有人駅は4つある県庁所在地駅(高松・松山・高知・徳島)だけ───ということにもなりかねないところでしょう《まぁそこまでひどくはならないでしょうが…》。
初めのところでも記していますが、今回新たに無人化されてしまう駅をこれまで生活や通勤・栂区の拠点としてきている人たちにとっては、定期券や各種指定席券の購入、各種割引(学割など)が適用された乗車券類の購入が出来なくなるなどの悪影響は出てくるでしょう。
でも、各種指定席券の購入や一部のトクトクきっぷ(特別企画乗車券)の購入に関して言うならば〔但し各種割引を適用しない場合に限る〕、例えば乗車1週間前までならばJR西日本の電話予約サービス「5489サービス」を利用することで、きっぷ類を自宅などに宅配してもらう格好で予約・購入することは可能です《「宅配サービス」利用》。
「5489サービス」は携帯電話も含めて通話料無料の受付専用電話番号にかけることで利用出来るものの、元々JR西日本が実施しているサービスであるため、乗車券類を購入する旅客からすれば場所に囚われず手持ちの携帯電話などからかけることが出来る等の便利さなどを備える反面、JR四国への収益面での貢献が期待出来ないというところが玉に瑕といったところでしょうか───それと購入に際しての決済手段がクレジットカードのみというのも、ちょっとね・・・
一方、JR四国には、同社系列のシステムインテグレーター「JR四国情報システム」が制作・開設している『夢四国』というインターネット・ショッピングモールが存在し、そこではJR四国関連のトクトクきっぷも取り扱われており、そこから購入して自宅などに送付してもらうことが出来ます。
ここでのトクトクきっぷの購入に際しては、「使用開始日の10日前まで」という購入条件が付いているものの、決済手段としてクレジットカードのみならず現金振込も利用可の模様。
尤もインターネット接続環境を持っているか、或いは何処かのインターネットカフェの類を利用する必要はありますが、この『夢四国』にて、前記のトクトクきっぷと共に、各種指定席券や乗車券類の予約・購入なども出来るようにすれば、JR四国の収入になることは勿論ですが、何処にいてもクレジットカードの有無に関係なく新幹線や各種特急列車の指定席券を予約・購入し、自宅などに購入したきっぷ類を送ってもらうことが可能となるでしょう。
何れにせよ、路線網規模がJR旅客6社中最小のJR四国には、JR旅客会社のひとつとして生き残るため、ひと工夫・ふた工夫凝らすことも求めらているのかもしれません。
勿論、公共交通機関としての一番の要である”安全運行の担保”は大前提となりますが・・・
茨の道は当面続くことになるのかも知れませんが、生き残るため、JR四国がこの先どのように歩んでいくのか、今は静かに眺めていましょう。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『JR県内6駅無人化』
『JR四国:県内6駅、無人化 今秋実施へ /高知』
『JR四国29駅を無人化』
《→『府中、二軒屋駅など無人化へ』》
『新たに29駅を無人駅化へ JR四国』
『JR四国、29駅を無人化 経費削減で19年ぶり』
『JR四国、29駅を無人化へ 9~10月』
『県内6駅、順次無人化へ/経費節減策でJR四国』
『県内5駅含む四国内29駅を無人化 JR四国』
『JR、県内12駅無人化へ 府中・阿波山川・二軒屋・中田など』
『夏休み、高速割引は?』
『平成22年度 高速道路無料化社会実験について』
P.S.(100629追記)
本文中で示しました、今回JR四国から発表された”無人化される駅”に関し、その中に含まれる特急停車駅についてコメント欄を通じてご指摘がありましたので、改めて調べてみたところ、既に示している3駅の他、新たに以下の6駅の特急停車駅が存在することが判明しました。
【高徳線】
讃岐白鳥
【牟岐線】
桑野、由岐
【徳島線】
阿波川島、阿波山川、阿波加茂
よって、今回無人化される駅として公式発表されたものの中で特急停車駅は合わせて9駅に上ることになります。
無人化の対象とされた現特急停車駅が、無人化以降、特急停車を取りやめるのか否かは定かでありませんが、それにしても今回為された公式発表が、今のJR四国がいかに経営面で厳しい状況に置かれているか、改めて垣間見る思いがしました。
なお、新たに判明した特急停車駅については本文中にも反映させてあります。
ご指摘下さった方には深く御礼申し上げると共に、よく調べもせずに記事として掲載してしまったことにつき、深くお詫び申し上げます。
<(_ _)> ありがとうございます。応援よろしくお願いします <(_ _)>
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ベートーベン
歓喜の歌ドイツ語版(ショパン)
歓喜の歌~ベートーヴェン(混声)

おはようございます。
* ※1:赤字表記の駅名は特急停車駅
時刻表と照らし合わせてみると、特急停車駅はもっとありますね。
厳しい状況がうかがえます。
投稿: たべちゃん | 2010年6月26日 (土) 07時40分
たべちゃんさん、こんばんは。
レスが少し遅くなりました───どうもスミマセン。
ご指摘を受けて改めて調べてみたところ、本文中で既に示している3駅とは別に、新たに6駅の特急停車駅の存在を確認できました。
つまり、今回無人化される駅の中に計9駅の特急停車駅・・・う~ん、厳しい現実を垣間見る思いがしてきます。
ご指摘下さり、ありがとうございました!
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年6月30日 (水) 00時17分