「キハ189系」11月7日デビュー…特急「はまかぜ」として。カニ漁解禁に合わせて《キハ181系、今年度末完全引退か》
ネット上に於いては既出の話題となってしまっているみたいですが・・・
播但線を介して大阪と但馬地域を結ぶディーゼル特急「はまかぜ」の現用車両「キハ181系」の後継として今年3月19日に最初の編成が落成・出場している新型特急形気動車「キハ189系」の運用開始日がJR西日本より正式発表されていますね。
ただ、今回のキハ189系特急形気動車運用開始日に関するJR西日本からの公式発表は、単体リリースの形で発表されているのではなく、定例社長会見の中で織り込まれる格好での発表となっていますが・・・
今回為されたキハ189系特急形気動車のデビュー公式発表は『7月定例社長会見』ページの後半に見える『4 新型「はまかぜ」号の営業運転開始について』項が該当するわけですが、この中で「必要な編成数が完成する期日や松葉ガニ漁の解禁日を考慮」した結果として・・・
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キハ189系新型気動車による「はまかぜ」 平成22年11月7日(日)より営業運転開始 ↓ 旧国鉄キハ181系による「はまかぜ」定期運転 平成22年11月6日(土)を以て終了 |
というふうに正式に決まったとの由。
現用車両キハ181系の顔つきを踏襲しているとされるこの「キハ189系」、3月19日に最初の編成が製造元の新潟トランシスに於いて落成し、同工場にほど近い黒山駅分岐新潟東港専用線・旧藤寄駅を通じて出場後、北陸本線上に於ける試運転や豊岡鉄道部(兵庫県)に於ける報道公開を経て米子入りし、その後は京阪神地区を中心に試運転が重ねられてきている様子《最近では去る6月21~24日の4日連続で向日町(操車場)と網干(総合車両所?)の間で試運転を実施→『【JR西】キハ189系試運転 続報』》。
その一方で、運用開始時期については、今月に入ってからも、「2011年春」とか「2011年度中」というふうに今ひとつハッキリとしていなかった印象を抱いていただけに、今回の公式発表にはまさに目を見張る思いで眺めていました。
なお、「キハ189系」と入れ替わりに「はまかぜ」定期運用から撤退することになっている、旧国鉄時代からの生き残りの一つであるキハ181系特急形気動車については、「はまかぜ」定期運用からの引退後も臨時列車に一部充当されることはあるものの、今年度末に全車完全引退となる、とJR西日本は表明しています。
それと、特急「はまかぜ」といえば、今や余部橋梁を通過する唯一の定期特急列車として知られるところとなっていますが、今回の公式発表により、8月12日の2代目新橋梁使用開始後に於いて、現用車両である181系気動車が独特のターボ音を響かせつつ新橋梁を渡る勇姿を目の当たりにできる期間は約1ヶ月半ほどということになります。
何はともあれ、キハ181系特急形気動車には、引退となるその日まで、力強いターボ・サウンドを発しながら無事故で駆け抜けていって欲しいと願うばかりです。
ところで、キハ189系特急形気動車のデビュー時期について「松葉ガニ漁の解禁日」も考慮したあたりは、いかにも但馬の国を目指す「はまさか」ならではの措置といえそうなところ。
そこで、ウィキペディアで「松葉ガニ」の元であるズワイガニについて調べてみたところ、富山県以西の北陸・山陰地域の海域に於ける漁期については・・・
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雌ガニ:11月6日~翌年1月10日 雄ガニ:11月6日~翌年3月20日 |
となっていているとの由。
更に『市場魚貝類図鑑 ~ズワイガニ(雄)』によると、ズワイガニの漁獲される海域や雄・雌の別によって呼び名が変わるとのことで、「松葉ガニ」の呼称は島根・鳥取・兵庫各県などの海域でとれるズワイガニのオスに対して与えられる呼称となっています《ちなみに同様の海域でとれるズワイガニのメスに対しては「親ガニ」や「メスガニ」、「セイコガニ」、「セコガニ」などの呼称が与えられるとか→『市場魚貝類図鑑 ~ズワイガニ(雌)』》。
特急「はまかぜ」が目指す兵庫県北部・但馬の海域は、まさしく「松葉ガニ」のテリトリー。
そんなわけで、変な話、「松葉ガニ」解禁日を以て現用車両であるキハ181系は「はまかぜ」定期運用から引退し、翌日から後継車両であるキハ189系にバトンを譲るという、まさいくカニの旬(というか当地の観光シーズン)に合わせての車両世代交代ということになりますね。
運用開始日をカニ漁解禁日の翌日としているのは、解禁日当日にとれたオスのズワイガニ(つまり松葉ガニ)が、水揚げされて、競りにかけられる等して最終的に食卓(というか旅館の食卓)に上るのは翌日以降になるとの読みによるものでしょうか・・・よくわからないけれど。
その一方で、ちょっと気にかかっているのが、キハ181系の後継をつとめることになっている新型ディーゼルカー「キハ189系」の動向。
ネット上を眺める限りでは、先にも記していますように、3月19日に新潟トランシスから最初の編成が出場し、その後は京阪神地区を中心に試運転を重ねてきている模様なのですが、今日に至るまで2本目、3本目・・・の落成及び出場が確認できていません。
けれども、ご存じのように、現行の特急「はまかぜ」は1日3往復の運転となっており、「はまかぜ」の現行ダイヤから考えると、最低限2本は絶対に必要であり、更に車両検査などの理由で一時的に抜けることに備えての予備編成をも考え合わせるならば3本は欲しいところ。
JR西日本では、このキハ189系特急形気動車について、最終的に「3両編成×7本」投入すると表明しています。
ここでふと思ったことなのですが、最初の編成の試運転の結果を見て、2本目、3本目───と次々と発注をかけるつもりとか・・・
或いは、もしかするとネット上に情報として出てこないところで「キハ189系」の次なる編成を既に落成させている可能性も考えられますが───まぁそのあたりは定かではありませんけどね。
何れにせよ、今回リリースされたJR西日本7月定例社長会見に於ける発表内容から、今は正式デビュー日とされている11月7日が到来するまでに、特急「はまかぜ」全3往復が一斉に「キハ189系」に取り替えられるだけの本数を用意してくれることを期待し、信じようと思います。
引き続き新型ディーゼルカー「キハ189系」の動向などをウォッチしていこうと思います。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『181系「はまかぜ」 11月6日にラストラン。』
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