N700系”さくら”車両8000番台の陸送第2陣…1~4号車の4両。雨天の下、熊本総合車両基地へ《陸送ルート解説も》
【←N700系8000番台の船積みから陸揚げまで】
【←陸送第1陣(5~8号車)のこと】
山口県下松市内に所在する日立製作所笠戸事業所にて製造され、一昨日(7月1日)に熊本港に着岸・陸揚げされた、山陽・九州両新幹線直通列車「さくら」向けN700系”青磁”仕様車両JR九州保有分(8000番台)量産型の1本目編成(第R1編成)。
一昨日から昨日(7月2日)にかけての陸送第1陣(5~8号車の4両)に続き、昨日から今日(7月3日)にかけての深夜時間帯にも残る4両(1~4号車)の陸送が行われました。
で、昨日掲載した前回記事では書き切れませんでしたが、今回熊本に届きましたN700系8000番台車両の第R1編成8両の、熊本港から熊本総合車両基地に至る陸送ルートについて、地図サイト『Mapion(マピオン)』を利用して、以下にて示してみました。
埋立島となっている熊本港で陸揚げされたN700系8000番台車両第R1編成8両は長大な熊本港大橋を渡って熊本市内・九州本島部に入り、県道51号線を近見交差点に向けて道なりにひたすら東進、そして国道3号線や国道57号線(熊本東バイパス)と合流する近見交差点にて右折して国道3号線を今度は道なりに南下、緑川橋を渡り、富合町大字田尻の、鹿児島本線・九州新幹線高架と挟まれた位置に建設されている熊本総合車両基地に至る───という順路になっています《尤も上の地図では熊本総合車両基地まで表し切れていませんが…》。
そして、今回、パンタグラフが搭載された車両(陸送第1陣に於ける7号車と後記の陸送第2陣に於ける2号車)にとっての難関の一つとされた薄場歩道橋と思われる歩道橋とその周辺の拡大地図を以下にて示してみますと〔同じく『Mapion(マピオン)』使用〕・・・
いくつかのネット上資料と突合していくうち、熊本県道51号線上の薄場町近くに見える、少し太めに記載されている歩道橋が薄場歩道橋らしきことがわかってきたわけでありますが〔上に示す拡大地図上では「薄場歩道橋?」としています〕、ここがパンタグラフ搭載車両にとっての難関といわれるべき場所だったんですね。
話では、パンタグラフ部も含めた車体上端部と歩道橋下端部との隙間はわずか14cmだったそうな───ヒヤヒヤものでしたね!
で、上の拡大地図の中でも示されていますが、問題の薄場歩道橋を含めて、薄場町付近の交差点から国道3号線などが合流する近見交差点に至るまでの区間に合わせて4つの歩道橋が存在し、更に鹿児島本線高架、そして近見交差点をまたぐ熊本東バイパス高架をも陸送車両は潜っていった様子でしたが、薄場歩道橋を除く橋の類の通過はスムースにいけたのだろうか・・・
尤も近見交差点に於ける橋潜りについては”右に曲がる”というプロセスを踏む必要があったことから必然的にスピードを落としていたことでしょうけれども、一方でこの近見交差点界隈には、地元民を中心としたギャラリーに加えて、報道陣も詰めかけていた模様。
皆、独特の顔つきをしたN700系の車体にある種の期待を寄せていたのだろうか・・・記事を書いていてそう感じてしまうところです。
ここで、余談になりますが、熊本総合車両基地の所在地については、殆どのWebサイトに於いては「熊本市富合町」(2008年10月6日付けで熊本市に合併されるまでは「熊本県下益城郡富合町」)と表記されているのみで、未だ完成されていないためか、地図サイトに於いてもその位置について表示されておらず、富合町のどのあたりに所在するのか、正直ちょっと悩んでいました。
そしてネット上にて探し回っていくうち、熊本総合車両基地が鹿児島本線・宇土駅を最寄りとしているとの風の便りを耳にした私は改めてそれを基に探してみたところ、ネット上に公開されている『九州新幹線博多・新八代間工事実施計画(その2)の概要』というPDF文書の最初のページ内に「熊本県下益城郡富合町大字田尻」(現在は「熊本市富合町大字田尻」)と同車両基地の具体的な所在地が記載されているのを発見。
更に『YouTube』にも、熊本総合車両基地の具体的位置を示してくれているものを発見しました。
この動画は昨年(2009年)11月18日に建設途上の熊本総合車両基地を撮影・収録したものになっていますが、最初のところ(「00:10」あたりまで)で同車両基地の具体的位置を図示しているのが見え、確かに宇土駅を最寄りとしていることがわかります。
改めてこの場で申し上げますが、熊本総合車両基地の所在地は「熊本市富合町田尻(又は”熊本市富合町大字田尻”)」です。
さて、昨日実施された陸送第1陣に続き、今日の未明のうちに実施された陸送第2陣は、あいにくの雨模様の中、行われたみたいですね。
画面をよく見ていると、路面は濡れていて、雨粒が落ちているような感じ───路面を映している映像が”ザラザラ”と映っているだけという可能性もありますが《定かではないけれども…》。
とはいえ、この陸送第2陣が実施された時には雨は小康状態(或いは小降り)にあったみたいで、何よりでした。
『2010.07.03 今日のJR九州「N700系 九州新幹線「さくら」 陸送」』等の証言によると、今日の未明のうちに行われた陸送第2陣では、鹿児島中央方先頭車両となる1号車を先頭に、パンタグラフを搭載した2号車、3号車、4号車・・・の順番で熊本港から熊本総合車両基地まで陸送されていきました。
そして、この陸送第2陣では先導として警察のパトカーが姿を現していたとのこと《→『☆2010年7月3日 九州新幹線さくらR-1編成、陸送2日目』》。
なんでも、今回の一連の陸送の見物のため現地に集結したギャラリーたちの路上駐車を取り締まるためのものだとか───恐らく、昨日の未明のうちに行われた陸送第1陣でも、輸送進路確保のため、同じように取り締まりが行われたと思いますけどね。
それにしても、その路肩に停められている車、もしかすると地元民ではなく遠方から駆けつけたギャラリーのものとか…
何はともあれ、現地では大きなトラブルも無く、昨日実施された陸送第1陣も併せて、無事8両全て熊本総合車両基地に搬入と相成り、私も心の中で安堵しているところです。
来年(2011年)3月に予定されている九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)全線開業に向けて、9月から建設工事区間に於ける試運転が始まることになっていますが、その際、博多南駅付近に於いて途切れている架線が張られ、レールも架線も山陽新幹線区間と本当につながれば、現在山陽新幹線区間に於いて試運転を繰り返してきているJR西日本保有分(7000番台)と共にJR九州保有分車両も山陽新幹線区間を走ることになるのかもしれませんね。
どうなるのか今は何ともいえませんが、その時を楽しみに待っていようと思います。
今回熊本市内で繰り広げられました、N700系”青磁”仕様車両JR九州保有分(8000番台)の陸揚げから熊本総合車両基地への陸送に至る一連の出来事につき、ネット上にレポート(動画含む)をお寄せいただいた方々に対し深く御礼申し上げます。
<(_ _)> ありがとうございます。応援よろしくお願いします <(_ _)>
←ソーシャルブックマークです
←ランキング参加中。各1クリックご投票を!
【関連記事(九州新幹線・鹿児島ルート関連)】
「九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)関連記事専用リンク集──「2011年3月12日全線開業」に至る軌跡」
« 「さくら」用N700系8000番台(”青磁”仕様車両JR九州保有分)、深夜の熊本市内を陸送…第R1編成5~8号車4両 | トップページ | 「さくら」用N700系”青磁”仕様車両、日車で第S3編成落成…JR西日本保有「7000番台」。第S4編成は試運転実施中 »
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
« 「さくら」用N700系8000番台(”青磁”仕様車両JR九州保有分)、深夜の熊本市内を陸送…第R1編成5~8号車4両 | トップページ | 「さくら」用N700系”青磁”仕様車両、日車で第S3編成落成…JR西日本保有「7000番台」。第S4編成は試運転実施中 »
早速のお返事ありがとうございます。こちらこそよろしくお願い致します。
薄場歩道橋の場所ですが、その場所でOKです。ローソンが目印になります。熊本新港線の歩道橋は新幹線の陸送を見込んで予め高く作られているそうで、なぜかこの薄場歩道橋だけは・・・。この点はちょっと謎です。
これから残りの車両も来年2月までには全て陸送される予定です。
熊本総合車両基地の最寄り駅は現在は宇土駅ですが、車両基地の横に在来線の新駅も設置されます。新幹線開業までには出来る予定だそうです。
投稿: fukuchan | 2010年7月 3日 (土) 22時40分
fukuchanさん、おはようございます。
この度はありがとうございました。
薄場歩道橋だけが低め───う~ん、そのあたりの事情は私も知る由がありませんが、完成時期の関係とか、或いは連絡ミスとか・・・まぁいろいろと原因らしきことを勝手に考えてしまうところです。
あと、熊本総合車両基地の最寄りに出来る予定の新しい駅、駅名としては「田尻」あたりが考えられそうなところですね《尤も実際に設置される場所の住居表示などにより決まるでしょうから現時点では何ともいえませんが…》。
建設工事区間をN700系”さくら”車両か800系”つばめ”車両のいずれかが駆け抜けるさまをあと2ヶ月弱で見られるあたり、私も楽しみにしています。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年7月 5日 (月) 08時00分
新駅の名前ですが、地元民としては「田尻」はちょっと考えられないかなと・・・。というのも、これで「たのしり」と読み、新駅の隣には川尻(かわしり)駅があります。混同される方が多いかも知れないので、自分は素直に富合(とみあい)か志々水になると予想しています。
投稿: fukuchan | 2010年7月 6日 (火) 10時16分
fukuchanさん、こんにちは。
引き続きのコメントをありがとうございます。
まぁ新駅の駅名は実際に設置される地点に於ける住居表示(或いは地番)などによりますので、仮に熊本総合車両基地が置かれている「富合町田尻」内に設置されるのであれば”田尻”ということになると思うのですが───けれども、地図サイトで眺めていて感じることですが、仮に「富合町田尻」内に新駅が設置された場合、宇土駅からの駅間距離が短過ぎですね《1キロにも満たないような感じ…》。
要は具体的にどのあたりに新駅が設置されるかにかかってきますので、まずはそこからですね。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年7月 7日 (水) 15時10分