「のぞみ」・「ひかり」の普通車自由席、全席禁煙…東海道・山陽新幹線、来年(2011年)春から。喫煙ルーム試行設置も
私自身は元からタバコは吸わないほうなのですが、そんな私にとっても、今度とられることになっているJR東海とJR西日本の施策には基本的に大歓迎したいところですね。
『【社長会見】禁煙車両の拡大と新幹線駅ホーム一部喫煙コーナー室内化の試行について』(PDF版)
『新幹線車両の禁煙拡大について』
これらのニュース・リリースが発表しているところによると、東海道・山陽新幹線の300系・700系両新幹線電車の16両編成のうちの3号車(普通車自由席)、及び山陽新幹線の”レールスター”車両(700系7000番台→E編成)の2号車(普通車自由席)が、来春(2011年春)以降、新たに禁煙車両として設定されることになりました。
来春───現時点では具体的な実施時期は示されていませんが、恐らく、来年のJRグループ定例ダイヤ改正の施行と同じタイミングで実施されるのではないだろうか・・・
九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)の全線開通、そして「JR東海博物館(仮称)」開館とも同じタイミング?
まぁそのあたりは定かではありませんけどね。
それはさておき、今度の禁煙車追加設定の公式発表により、「のぞみ」と「ひかり」に於ける普通車自由席は全席禁煙となり、喫煙可能な普通車自由席は「こだま」号に於ける自由席1両のみとなります。
「こだま」号に於ける自由席1両のみ───16両編成にあっては15号車、そして”レールスター”車両にあっては6号車、ということになります。
このうち”レールスター”車両を使った「こだま」については、現在は「新大阪~岡山」間と「広島~博多」間に1日各1往復設定されているのみとされています。
これらは俗に「こだまレールスター」とも呼ばれたりすることもありますが、貴重な存在です。
けれども、来年3月予定の九州新幹線・鹿児島ルートの全線開業に於いては、勾配のきつさ等のため九州新幹線に適応しないとされる”レールスター”車両は「ひかり(ひかりレールスター)」運用から外されて順次「こだま」に転用されると既に報じられてきています。
この”レールスター”車両の「こだま」への転用に関しては、現時点に於いて、JR西日本からの公式発表はありませんが、仮に「こだま」転用時に全席禁煙化改造が実施された場合〔500系新幹線車両V編成(8両編成)がまさしくそれに該当しますね…〕、今回の禁煙車追加設定に関するリリースは無意味なものとなってしまいかねません。
逆に言えば、今度のリリース発出により、来年3月予定の鹿児島ルート全線開業で「ひかりレールスター」としての運用を終えて「こだま」に転用されると報じられている”レールスター”車両については、全席禁煙化改造は当面為されないとの見方も出来るということなのだろうか・・・
何だか、妙なことで気にかかってきました。
何はともあれ、今度の禁煙車追加設定によって「のぞみ」や「ひかり」の普通車自由席の全席禁煙が実現するわけで、今や滅多にない新幹線利用機会の大半を普通車自由席利用で占めている私自身にとっては基本的に大歓迎です。
やむを得ず喫煙車に乗車していて、体調に問題ない時ならまだしも、少しでも体調のすぐれない時には空中に漂うタバコの煙で気分を悪くしてしまうことも───まぁ「喫煙車に乗るアンタが悪いだろ」と言われればそれまでなんですけどね《自己責任ですし…》。
その一方で、代わりに設置される、定員20名で空調完備の密閉式喫煙ルームが、試行段階とはいえ、東京・名古屋両駅に1カ所ずつのみの設置(投資額計7千万円)にとどまっているのは、正直、ちょっと腑に落ちないかな・・・
東京駅はいうまでもなく首都圏の代表駅であると共に旧国鉄時代から続く「座標原点」駅〔東京駅を基準に”上り”や”下り”が定められている〕、そして名古屋駅はいうまでもなくJR東海本社のお膝元。
新大阪駅は見捨てられたか・・・まぁタバコを吸わない私にとっては、喫煙ルームなどどうでもいい話ですけれども。
ただ、この喫煙ルーム設置は「試行」と位置づけられているため、設置後に於ける乗客たちからの評判などによっては、他の駅にも同様に設置されるか、さもなければ逆に撤去されるか───まぁ7千万円を投じているだけに、そう簡単に撤去されることは無いと思いますが、せめてでも「のぞみ」が停車する駅に設置されるようになってほしいと願うところです《タバコを吸わない私が願うのも変な話ですが…》。
2004年の先行開業当初から全面禁煙としている九州新幹線、2007年3月施行のJRグループ定例ダイヤ改正に合わせて全面禁煙に踏み切ったJR東日本管轄新幹線群(東北・上越新幹線など)と比して、全面禁煙化に対して慎重な姿勢を崩していない東海道・山陽新幹線でありますが、ゆっくりながらも確実に禁煙化拡大の動きを見せていることに対し、この動きをこれからも途切れることなく推し進めてほしいと思います。
それにしても来年春に、九州新幹線・鹿児島ルートの全線開通、東北新幹線に於けるE5系新幹線車両の正式デビュー、北近畿エリアを走る特急向け新型車両「287系」のデビュー、「JR東海博物館(仮称)」の開館、そして東海道・山陽新幹線に於ける禁煙車両追加設定───などが予定されているあたり、まさしく来年は鉄道界にとって激動の年となる気配を改めて感じるところですね。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『「のぞみ」「ひかり」の自由席、全席禁煙に 来春から』
『JR東海:禁煙車を拡大』
《←『JR東海:禁煙車拡大 「のぞみ」「ひかり」自由席すべて』》
『「のぞみ」「ひかり」全自由席を禁煙…来春から』
『「のぞみ」「ひかり」自由席すべて禁煙に 11年春』
『新幹線の禁煙化を拡大=「のぞみ」「ひかり」の全自由席-JR西、東海』
『新幹線の禁煙、拡大へ 来春から自由席で』
『新幹線自由席、全面禁煙に JR東海、来春のダイヤ改正で』
『来春より「のぞみ」「ひかり」の自由席はすべて禁煙席に』
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おはようございます。
* けれども、来年3月予定の九州新幹線・鹿児島ルートの全線開業に於いては、
山陽新幹線から100系が引退するのは、九州新幹線開業から1年経った2012年の見込みです。「さくら」用N700系も最初からすべてがそろうわけではありません。
当面は700系の「ひかりレールスター」がそのまま間合いで「こだま」用にも使われますが、そのうちに「こだま」用に改造されるのでしょうね。
投稿: たべちゃん | 2010年8月 7日 (土) 06時02分
たべちゃんさん、こんばんは。
お世話になっております。
ご指摘ありがとうございます。
ふと考えてみれば、九州新幹線・鹿児島ルートの全線開業以後、確かに現行”レールスター”車両(700系7000番台)が「こだま」に転用されることは一部メディアで既に報道済み(但し公式発表無し)なのですが、列車としての「ひかり(レールスター)」が山陽新幹線の運行ダイヤから無くなる(廃止される)とまでは聞こえてきていないし、正直言って私自身、「ひかり(レールスター)」という列車の存在をすっかり忘れていました(汗)
N700系’青磁’仕様量産車両編成に関しては、とりあえず来年3月の開業時に於いて設定される「さくら」を充足するために最低限必要な本数分だけでも間に合わせるようJR西日本とJR九州の両社で用意し、全線開業後も引き続き発注数量のうちの残り本数分について納入を受ける・・・ということですね。
何はともあれ、現行”レールスター”車両が「こだま」に転用される際にどのような措置(というか施工)が執られるのか、来年の全線開業後に於いて見つめていようと思います。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年8月 7日 (土) 21時47分