「みずほ」急遽設定か──山陽・九州両新幹線直通、最速3時間47分。沿線自治体からの度重なる陳情などが背景?
昨日(8月25日)の朝、我が家に届いた朝日新聞の朝刊の1面トップにデカデカと掲載されているのが見えました。
『最速「みずほ」3時間47分 大阪-鹿児島 直通新幹線』───この記事タイトルが初めて目に飛び込んだ時、一瞬、何のことやら、頭の中で整理がつきませんでした。
何しろ、一昨日まで、来年(2011年}3月全線開業予定の九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)に山陽新幹線から直通する新たな新幹線列車の列車名として「さくら」の名前が付与されることが決まり、正直、これが鹿児島ルート全線開業後の大きな目玉になるとばかり思っていましたから。
既に各種メディアにて大々的に報じられてきていることなのですが、来年(2011年}3月に全線開業予定の九州新幹線・鹿児島ルートを巡り、全線開業と同時に設定されることが決まっている山陽・九州両新幹線直通列車「さくら」とは別に、その「さくら」号を上回る時間短縮をねらった山陽・九州両新幹線直通列車を新たに設定する意向を示していることが明らかとなりました。
JR西日本とJR九州が共同で新たに設計されたN700系”青磁”仕様車両(7000番台・8000番台)により運転されることが既に決まっている「さくら」は新大阪と鹿児島中央を約4時間で結ぶ計画となっているわけですが、今度急遽設定が検討されていることが明らかとなったのは、同じくN700系”青磁”仕様車両により新大阪と鹿児島中央を最速3時間47分で結ぶという最速達列車。
列車名としては、「さくら」と同様、かつて存在していた東京と九州を結ぶ夜行寝台ブルートレイン(ブルトレ)で使われた列車名の一つに数えられる「みずほ」を充てることが検討されている模様で、JR西日本とJR九州では・・・
|
「みずほ」→「のぞみ」 「さくら」→「ひかり」 「つばめ」→「こだま」 (九州新幹線内限定) |
という位置づけで考えているところだとか《これ以降の記述については、新列車名称として「みずほ」が正式に採用された場合を想定して進めていきます》。
ブルトレ時代には「さくら」のほうが、歴史的に見ても、格が上だったように思えるところなのですが〔何しろ戦前期にも特急第3・第4列車「櫻(さくら)」が存在していましたし…〕、こと九州新幹線・鹿児島ルートに於いては立場が逆転することになりそうですね。
今回急遽「みずほ」の新規設定が検討されることになった背景として、やはり九州新幹線・鹿児島ルートの沿線自治体からのJR九州に対する度重なる「さくら」停車などの要望(陳情)があると思われます。
新幹線フル規格区間に於いて、在来線扱いとされている区間(「博多~博多南」と「越後湯沢~ガーラ湯沢」)を除いて2番目に駅間距離の短い区間を挟む新鳥栖と久留米の両駅がそれぞれ「さくら」を含む全列車停車を目指して陳情合戦などを繰り広げていることが報じられたのは昨年(2009年)の5月下旬のこと《→『うちに多く停車を―九州新幹線、県境5.8キロで綱引き』》。
お互い、うちの駅に全列車停車を、などと地元自治体ぐるみで激しい綱引き合戦が繰り広げられていたみたいで・・・
加えて新鳥栖・久留米両駅以外の鹿児島ルート内各駅をそれぞれ抱える自治体などからも”おらが街の駅にも停車させて”などといった陳情が相次いでJR九州のもとに───悲しいかな、九州新幹線自体が国や沿線自治体の負担により建設された整備新幹線の一つと位置づけられていることから背負わされている、ある種の宿命ともいうべきものなのでしょうか。
こうした状況に、鹿児島ルート全線開業以後に於いて関西と鹿児島の間で航空機に対抗することを念頭に置いているJR西日本が「JR九州にはわかってもらえない」などとため息を漏らす一幕も。
これに対し、全線開業後に於いて鹿児島ルート全線を管轄することになるJR九州も、「九州全体で最もよくなるように決めたい」と意気込む一方で「関係個所、特にJR西日本と調整しているが、関係者が増えたこともあり、手こずっている」などと、こちらも頭を抱えている様子。
そうこうしているうちに列車ダイヤ作成のタイムリミットが刻一刻と迫る中で、苦肉の策として、「さくら」を上回る速達性を持たせた新幹線列車の追加設定に動いたものと考えられます。
東海道・山陽新幹線に於ける「のぞみ」・「ひかり」・「こだま」と同様、速達度合いにヴァリエーションを持たせ、利用客に対して選択肢を確保するという手に出たということでしょう。
でも、急遽設定するのであれば、むしろ「さくら」を「のぞみ」級の最速達列車として、その次に速い「ひかり」級の新幹線列車として位置づけすればいいんじゃないか、と思ってしまうところなのですが、そうなってくるとまた沿線自治体などとの間で話し合いを新たに持つ必要が出かねず、JRサイドとしても、そこまでする時間的な余裕は最早無い、と考えているのかもしれませんね。
今回急遽設定の検討に入った「みずほ」については、現時点で明らかとなっている概要として・・・
|
【停車駅(起終点駅除く)】 新神戸・岡山・広島・小倉・博多・熊本 【運転本数】 「さくら」より本数少なめ 《数往復程度》 |
と報じられていますが、ことに運転本数に関しては、メディアにより「出張客が多い朝晩などに本数を絞って運行」すると報じているところもあります。
一方、新大阪と鹿児島中央の間で1時間あたり1本程度の運転を表明している「さくら」については、東海道・山陽新幹線に於ける「ひかり」の如く、上記「みずほ」停車駅に加えて数駅程度の停車駅を別途設定する予定だとか。
ちなみに、JR西日本とJR九州がライヴァル視している航空機に関しては、「大阪~鹿児島」線に於いて、大阪側の発着空港(伊丹・関空・神戸)及び運航会社(ANA・JEX・JAC)に関係なく、1日あたり計10往復程度運航されている模様。
とりあえずは本数少なめで開業させて、少なくとも1~2年間ほど、実際の需要動向を見極めようというJRサイドの腹の内であるように思えるところなのですが───ただ、大阪と鹿児島の間の航空機とのシェア争いを意識するのであれば、今回急遽設定が検討されている最速達列車「みずほ」に関しては新神戸通過でもいいような感じがします。
新神戸に関しては「さくら」に任せておいて───勿論同駅には山陽新幹線内完結の「ひかり」なども停まってくれるでしょうけれども。
何はともあれ、かつての九州ブルトレの列車名がまた一つ復活となることは鉄道好きの一人として喜ばしい限りです。
9月中に九州新幹線・鹿児島ルート全線開業日の正式発表が予定されているほか、毎年12月中旬に一斉に発表されるであろう翌年春施行分のJRグループ定例ダイヤ改正の概要の、来春改正施行分の概要発表〔12月17日(金)ぐらいか──ちなみに今春改正施行分の概要は昨年の12月18日(金)付けで一斉発表済〕に於いては具体的な列車種別毎の本数などが発表されることになるでしょう。
熊本総合車両基地に於ける公式車庫見学会も無事終了し、建設主体である鉄道・運輸機構による公式試運転の開始が今月末日(8月31日)に控える昨今、私としてもこの九州新幹線・鹿児島ルートの動向を引き続き見守っていきたいと考えています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『大阪―鹿児島が3時間47分、新幹線「みずほ」登場へ』
《→『最速「みずほ」で3時間47分 大阪―鹿児島直通新幹線』》
『九州新幹線:「みずほ」大阪-鹿児島間を3時間47分 全線開業3月12日』
《→『新幹線:鹿児島中央-新大阪に最速車両 3時間47分に』》
『九州新幹線、3月12日に全線開通』
《→『九州新幹線鹿児島ルート3月12日全通、最速「みずほ」も設定』》
《→『九州新幹線、来年3月12日全線開業へ』》
『大阪-鹿児島に最速新幹線「みずほ」投入 3時間47分 航空対策への切り札』
《→『大阪-鹿児島に最速新幹線「みずほ」投入 3時間47分 航空対策への切り札』》
『大阪―鹿児島3時間47分 新幹線「みずほ」投入へ』
『九州新幹線3月12日開業で調整 新大阪へ3時間47分』
『3時間台で新大阪へ=山陽・九州新幹線、3月12日開業』
『最速3時間47分を検討 九州新幹線「みずほ」が有力』
『鹿児島-大阪 3時間47分 九州新幹線 3月12日全通検討 新列車「みずほ」投入』
《→『鹿児島-大阪 3時間47分 九州新幹線 3月12日全通検討 新列車「みずほ」投入』》
『九州新幹線3月12日開業で調整 新大阪へ3時間47分』
『九州全体でよくなるように JR九州社長、新幹線停車駅で』
『鹿児島-新大阪、直通新幹線「ねじれ」 停車駅・料金まとまらず』
《→『鹿児島-新大阪、直通新幹線「ねじれ」 停車駅・料金まとまらず』》
<(_ _)> ありがとうございます。応援よろしくお願いします <(_ _)>
←ソーシャルブックマークです
←ランキング参加中。各1クリックご投票を!
【関連記事(九州新幹線・鹿児島ルート関連)】
「九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)関連記事専用リンク集──「2011年3月12日全線開業」に至る軌跡」
« 大阪市営地下鉄の初乗り”一駅間片道100円”検討を指示──大阪市。違法駐輪減らしのため | トップページ | キハ189系気動車、約5ヶ月ぶりに次なる編成の出場・甲種輸送さる──特急「はまかぜ」向け、第2・第3編成計6両 »
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 「みずほ」急遽設定か──山陽・九州両新幹線直通、最速3時間47分。沿線自治体からの度重なる陳情などが背景?:
» 九州新幹線、「さくら」の上位種別に「みずほ」登場の記事 [阪和線の沿線から]
来年3月に博多・新八代間が開業し、山陽新幹線との直通運転が開始する九州新幹線ですが、この直通運転の列車名が「さくら」であることは、既に過去のエントリーでも述べたとおりです。
また、現在の九州新幹線の名称である「つばめ」も、九州新幹線内の区間列車として存続す...... [続きを読む]
» JR九州と西日本、九州新幹線鹿児島ルート2011年3月12日開業を軸に最終調整 [kqtrain.net(京浜急行)]
新大阪へ3時間台も検討 九州新幹線 3月開業へ - 47NEWS(よんななニュース) [続きを読む]
» 1504.つばめ<さくら<<<<<みずほ!? [さすらい館]
しばらく青森・函館ツアーのネタを取り上げないといけないのですが、ニュースネタは待ってくれませんので、このあたりで取り上げましょう。もう既に取り上げておられる鉄道趣味系ブログもたくさんあるようなので、当ブログがそこに加わるのは何をいまさら…の観無きにしも非ずです... [続きを読む]
» 3月12日開業の九州新幹線に最速達型「みずほ」誕生! [たべちゃんの旅行記「旅のメモ」]
来年3月に全線開業する九州新幹線。どうやら、その開業の日は事前の予想通り、3月 [続きを読む]
« 大阪市営地下鉄の初乗り”一駅間片道100円”検討を指示──大阪市。違法駐輪減らしのため | トップページ | キハ189系気動車、約5ヶ月ぶりに次なる編成の出場・甲種輸送さる──特急「はまかぜ」向け、第2・第3編成計6両 »

ベートーベン
歓喜の歌ドイツ語版(ショパン)
歓喜の歌~ベートーヴェン(混声)


速攻沿線自治体は、みずほの停車を求める陳情を
下らしいですが、なんとなくアサマシイですな
投稿: ねこあたま | 2010年8月26日 (木) 17時16分
ねこあたまさん、こんにちは。
早速ネット上で確認してみました───仰るとおりの動きが出てきていますね。
近いうちに記事にしてみようと思います。
情報ご提供、ありがとうございました。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年8月27日 (金) 11時16分
こんにちは。
いつも楽しく拝見しております。
新幹線の新名称「みずほ」には確かに賛否両論あるようですね。その中でも特に多く感じるのが「格の違い」でしょう。
人の思いいれがいろいろと反映されるので面白いなぁと思って見ているところです。
そういえば、新神戸通過について、私もそう思いますよ。でもおそらくここにも自治体がらみのいろいろが・・・・。
なかなか一筋縄ではいかないものですね。
投稿: ヘッドマーク博物館 | 2010年8月27日 (金) 16時45分
ヘッドマーク博物館さん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
私も「さくら」を上回る最速達列車の列車名に「みずほ」が有力との報道に接した時、正直少し違和感を感じてしまったものです《ブルトレ時代の「さくら」と「みずほ」を鉄道書籍などを通じて知るところとなっているものだから…》。
尤も、また一つ、本州・九州間ブルートレインの列車名称が復活すること自体は喜ばしく感じるところですが・・・
新神戸駅通過の是非についてですが、新幹線の駅一つに停車するかしないかによって一列車の運転区間全体の所要時間に10分ほどの差が出てくるとの話を何処かで見聞きした覚えがあり、今度の「みずほ」のように大阪と鹿児島の間を、航空機と対抗すべく、3時間台で結ぶことを真剣に考えるのであれば、新神戸通過はそれを実現するための要件の一つとされてもおかしくないところでしょう。
ただ、現在では神戸空港が存在し、9月から「神戸~鹿児島」便、そして10月からは「神戸~熊本」便が新たに就航されることになっていることも考慮に入れるのであれば、「みずほ」全列車を新神戸通過とするのではなく、当初の設定本数などにもよりますが、全設定本数の半分ぐらいを新神戸停車としたほうがよさそうな気もしてきます。
JRサイドで繰り広げられるダイヤ編成から目が離せません。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年8月29日 (日) 13時39分
速達性を重視するなら、私はみずほの途中停車駅を新神戸・博多・熊本のみとし、
岡山・広島については岡山始発のさくらを後追いで設定すれば問題無いと思いますがどうでしょう?
投稿: | 2010年9月11日 (土) 21時17分
「2010/09/11=21:17」付けでご投稿の名無し様、こんばんは。
一個人に過ぎない私に提案されてもどうかと正直思うのですが───JRサイドでは、『時刻表』への入稿締切などの絡みから、そろそろダイヤ作成に取りかかりつつあるところと推測しています。
12月中旬ぐらいにJRから開業ダイヤの概要発表があると思いますので、今はその時を待つのみです。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年9月14日 (火) 20時12分