白ウサギ「もっちぃ」、駅長に…山形鉄道フラワー長井線=宮内駅。2羽の茶ウサギ等と共に《「'駅長たま'に続け」と…》
和歌山電鐵・貴志川線の終点=貴志駅に「勤務」している”駅長たま”。
いや、”駅長”ではなく”スーパー駅長”でしたね(笑)
日本の民間鉄道事業者では初めてのケースとなった、この貴志駅に於けるネコの駅長就任は大きな話題となり、各種メディアにも度々取り上げられたり、”駅長たま”をイメージした「たま電車」の登場や、しまいには”たま”が「勤めて」いる貴志駅の駅舎が、”たま”をイメージした、檜皮葺(ひわだぶ)きの屋根を備える新しい駅舎に生まれ変わったりもしています。
私も昨日か今日に初めて貴志駅新駅舎を写真で見ましたが、檜皮葺(ひわだぶ)きの屋根に”たま”の目と鼻をイメージする起伏のようなものを配し、更に天辺には耳をイメージした扇形の飾りに「TAMA」の文字形看板を配するなど、もはや「貴志駅」というよりは「たま駅」と思ってしまうぐらいのこだわりように、思わず頭が下がりました《勿論本来の「貴志駅」駅名板もはめ込まれていますが、金枠の渋い感じの仕上がりである反面、サイズ小さめで英字表示もありません(尤も以前あった「貴志駅」駅名板にも英字表示はありませんでしたが…)》。
更には「”駅長たま”に続け」とばかりに地方のローカル鉄道の駅でネコやイヌ等の駅長が続々と誕生してきました《但し、数としては決して多くありませんが…》。
会津鉄道・芦ノ牧温泉駅の”駅長ばす”、IGRいわて銀河鉄道・奥中山高原駅の”駅長マロン”───残念ながら”駅長マロン”は昨年(2009年)の8月末に他界してしまっています《→『名誉駅長「マロン」、他界す』》。
また、東葉高速鉄道・飯山満駅の”みーすけ”とか、ひたちなか海浜鉄道・那珂湊駅の”おさむ”のように、ある時期から駅に住み着いたところから自然とその駅のシンボル的存在となったというケースも存在します。
何れにせよ、彼らは行き交う乗客たちにとって心癒してくれる存在といえるでしょう《特定の動物に対して強い嫌悪感(抵抗感)を感じる人は別にして…》。
そんな中、また新たな”駅長”が去る8月1日に誕生しました。
場所は山形県内、JR奥羽本線(山形新幹線)・赤湯駅から分岐する第3セクター鉄道「山形鉄道」フラワー長井線(旧JR長井線)の宮内駅。
そして、今回駅長に就任したのは白ウサギの「もっちぃ」で、2羽の茶ウサギ「ぴーたー」・「てん」、そして宮内駅前に軒を構えるそば屋で暮らす亀を伴っての駅長就任です。
この”駅長もっちぃ”就任については、今年に山形鉄道に入社した女性新入社員が社内で「駅にミニ動物園をつくりたい」と提案したところから実現したものです。
そして白ウサギ「もっちぃ」と2羽の茶ウサギ「ぴーたー」・「てん」は、同鉄道フラワー長井線内に白兎駅が存在するという縁などから、何れも彼女の母校である山形県立置賜農業高校から譲り受けたもので、3羽とも今年5月に誕生した子ウサギだそうです。
2羽の茶ウサギ「ぴーたー」・「てん」は駅員として、そして駅前のそば屋で暮らす亀は非常勤の助役として、駅長「もっちぃ」と共に宮内駅を利用する乗客たちの出迎えにあたることになっています《”駅長もっちぃ”を含む3羽の”駅長”と”駅員”たちについては水曜を除く毎日「09:00~17:00」に駅待合室でお出迎えするのだとか(非常勤助役である亀については不明)》。
提案した女性新入社員も飼育役も兼ねて宮内駅の駅員として常駐することになり、同駅は8月1日付で、1998年4月1日の無人化以来12年4ヶ月ぶりに有人駅に再転換、待合室にウサギたちと触れ合えるスペースを設けるなどして、フラワー長井線全体の活性化に一役買おうと動き始めています。
ウサギが”駅長”に就いたケースとしては、国道9号線の鳥取県内区間沿道に設置されている「道の駅神話の里 白うさぎ」の”名誉駅長”として昨年(2009年)就任した白ウサギ(就任当時生後6ヶ月)の例がありますが〔→『道の駅にウサギの駅長就任』・『鳥取市白兎にある道の駅「神話の里 白うさぎ」』〕、鉄道駅では今回の山形鉄道・宮内駅に於ける”駅長もっちぃ”が初めてのケースとなるでしょう。
私としては、今度の山形鉄道・宮内駅の”駅長もっちぃ”のほうが何となく温もりのようなものを正直感じるところがあります《理由についてのお尋ねは何卒ご勘弁を》。
山形鉄道といえば、昨年(2009年)3月に一般公募によって就任した元旅行会社営業マン・野村浩志社長が、赤字で苦しむ同鉄道の再建のため、自伝本『私、フラワー長井線「公募社長」野村浩志と申します』を出版したことなどで話題となったことが記憶に新しいところでしょう。
今回山形鉄道が打ち出した、宮内駅に於ける”駅長もっちぃ”就任を初めとする4つのウサギに纏わる観光スポット等を引っくるめて前面に出すという「山鉄うさぎ街道 4つのラビットポイント」施策が更なる話題作りへとつながるのか、そして経営改善の道筋がつけられるのか、これからが本番ですね。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『宮内駅に「ウサギ駅長」あす登場』
《→『駅長はウサギ、助役はカメ 山形鉄道・宮内駅』》
『山形鉄道がウサギ駅長を任命 新入社員の発案で実現』
《→『ウサギ駅長がデビュー 山形鉄道 新入社員の発案で実現』》
『長井線宮内駅にうさぎ駅長 8月1日にデビュー』
《→『うさぎ駅長、任務開始 フラワー長井線・宮内駅』》
P.S.(100810追記)
記事掲載後、「もっちぃ駅長」着任後の山形鉄道・宮内駅の様子をレポートしてくれている貴重なブログ内記事を見つけました。
それは『うさぎ駅長!?』というブログ内記事で、駅舎内に見える数々の掲示物の紹介から始まり、実際に「もっちぃ駅長」らウサギ駅長・駅員たちが「仕事場」としている待合室内設置のゲージ風景、そして非常勤の助役という肩書きを貰った亀の”かめ吉”の姿も紹介されていました。
掲示物の中にはウサギ駅長・駅員たちそれぞれのプロフィールが書かれたものや餌の可否について書かれたもの、記事本文中でも紹介した「山鉄うさぎ街道 4つのラビットポイント」のポスターなどがあり、何だかちょっとした動物園の様相を呈しているかのようでした。
また、当該ブログ内記事を掲載しているブログサイト『Bellの日常』の管理人はご自宅でもウサギを飼育されていて、ウサギの飼い方全般に関して精通しているご様子で、宮内駅を訪れた際には、ウサギ駅長・駅員たちと共に同駅に詰めている女性駅員2人に対し、餌のことやウサギの体質のこと等をアドバイスしたことも当該ブログ内記事にて記されています。
それにしても、当該ブログ内記事を読んでいるうち、ウサギたちに対する並々ならぬ愛情というものを感じてしまいます───宮内駅に「着任」した「もっちい駅長」と今後とも地元の人たちや観光客らに愛される存在として健やかに成長していってほしいと願うばかりです。
それと、今回の記事の本文中では宮内駅に常駐する駅員の数を「1人」としていますが、実際に同駅を訪れた『Bellの日常』のブロガーから「女性駅員お2人」との報告を受けて、私もあらゆる意味で安心しています。
<(_ _)> ありがとうございます。応援よろしくお願いします <(_ _)>
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