トルコ国鉄のイズミル近郊2路線の信号設備を「丸紅&日本信号」が受注───2004年の受注以来の実績買われる
西アジア諸国の一つに数えられ、東欧諸国地域とも接しているトルコの鉄道関連で日本の技術が採用されたとのニュースを、昨日(8月16日)、証券会社Webサイトを通じて知るところとなりました。
場所はトルコ西部、エーゲ海に面したイズミル(Izmir)───このイズミル市を走るトルコ国鉄(TCDD)の近郊路線に於いて実施される信号設備工事で、日本の鉄道信号界ではおなじみの存在となっている日本信号が大手商社の丸紅と組んで受注したことが昨日付けで発表となった・・・というニュースです。
この信号設備工事はトルコ国鉄が実施母体(施主?)として実施されるもので、全長21kmの南線(Alsancak~Cumaovasi)と全長57kmの北線(Basmane~Aliaga)の2路線が対象となっています。
実は6年前(2004年)にも丸紅と日本信号が組んで、今回の受注対象となっているイズミル市の近郊鉄道に信号設備一式を納入していて、その実績から今度の受注につながったとの由《どうやらその6年前に納入した信号設備一式の更新に伴うものらしいですね…》。
まず南線について今年中に完成させ〔Phase1〕、そのあと北線について来年(2011年)5月末までに完成させる〔Phase2〕・・・という段取りで進められ、受注金額は総額で約10億円。
日本信号は、列車運行を一括して司る列車集中制御装置(CTC)と、駅構内の信号・転轍機を制御する連動装置を日本国内で全て生産して現地に納入、併せて現地据え付けに際しての監督業務も請け負うことになっています。
今回の導入地であるイズミル市に関して、丸紅と日本信号の双方が各々発出しているリリース文によると、市内では踏切による交通渋滞の緩和を図っての立体交差が進められていて、市内の道路渋滞の解消に加え、空港最寄駅からの利用客増加、及び列車運行本数の増加が期待されている・・・とのことなのですが、このことから、今回の受注先路線に於いては、それなりに高密度な列車ダイヤが編成されていることが推測出来るところ。
リリース文を眺める限りでは、CTCと連動装置のみを受注しているような感じに受け取ってしまうところなのですが、果たしてそれだけで大丈夫なのか───正直、一抹の不安を禁じ得ないところがあります。
あ、受注自体を否定するつもりは毛頭ありませんよ・・・これはあくまで鉄道好きの一個人が抱いている懸念に過ぎませんから。
ところで、トルコでは主にトルコ国鉄(TCDD)が国内に鉄道網を張り巡らしているものの、運行本数の少なさ、整備不足に起因する施設の老朽化などによって乗客数を急激に減らしてきているとの話が伝わってきている一方で、昨年(2009年)3月に、トルコ国内で初めて、首都アンカラ(Ankara)と北西部に位置する産業都市エスキシェヒール(Eskişehir)とを結ぶ高速鉄道が開業(但し竣工から約2年経過している)して以降、アンカラと、西部に位置する大都市イスタンブールとの間の鉄道利用客が4割増加しているとの外国メディアによる報道もあります《→『トルコの高速鉄道計画【トルコ】』》。
そうした中で、今回日本側にもたらされた新たな結果───列車の安全運行には欠かせない信号施設に於いて日本の技術がまた一つ認められた瞬間でもありました《日本のマーケットでも評価されていました→『日本信号(6741)は3日ぶりに反発 「トルコ国鉄向け信号制御機器受注」報道で収益上乗せに期待感』》。
日本の鉄道好きの一人として、誇りに感じるところです。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『トルコ・イズミール近郊線化プロジェクト向け信号設備を受注』
《→『トルコ・イズミール近郊線化プロジェクト向け信号設備を受注』》
『日本信号、トルコ国鉄向け信号制御機器受注 10億円』
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とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
投稿: 職務経歴書の書き方 | 2014年2月22日 (土) 11時35分