九州新幹線鹿児島ルート「3月12日」全線開業・・・来春JRダイヤ改正にて。特急料金だけで1万円超か《西郷騒動も》
来年(2011年)3月に予定されている九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)の全線開業を巡り、当ブログに於いても、先月のうちに、具体的な開業の日取りについて「3月12日」を軸に検討している旨のことを書きました。
そして・・・
昨日(9月15日)から今日にかけて、各種メディアがこぞって報じてきています。
昨日の夕方頃に開かれたJR九州の定例社長会見の中で、九州新幹線・鹿児島ルートの全線開業日について、かねてから検討されてきた「3月12日」にて正式に決定したと表明しました。
メディアによってはJR西日本も発表に関わっている旨の報道が為されていますが、JR九州と共同で為されたのかな───なんて思っていると、先ほど『JRおでかけネット』を経て入ったJR西日本Webサイト内に設置されているリリース・スタンドの中に掲載されている『9月定例社長会見』の中にも「全線開業日は平成23年3月12日(土曜日)に決定しました」との文言を見つけることが出来たので、まずは納得。
ちなみにJR九州側のリリース文書は『九州新幹線(鹿児島ルート)博多~新八代間の開業日等について』と『九州新幹線(鹿児島ルート)の全線開業日が決定』がセットになる格好で発出されています《何れも画像になっていますが…》。
この発表に合わせて博多駅に西郷隆盛のリアルなイラストの入ったカウントダウンボードが披露され、行き交う人の目を引いていた様子。
今日には熊本駅と、先行開業されている鹿児島中央駅にも設置されることになっていたところ、このうちの熊本駅設置分に関して、西郷隆盛が鹿児島の象徴(鹿児島県出身)となっていることなどから「熊本に合わない」との苦情が噴出、今日予定されていた除幕式が急遽中止に追い込まれる始末・・・
結局はイラスト部分を差し替えた上で、後日、改めて設置するとしていますが、この手のカウントダウンボードで苦情が出るのはちょっと珍しいかな───何れにせよ、熊本県民としての意地というものが如実に出た一つの好例となりましたね。
そういえば、急遽設定の検討に入ったと報じられた、新大阪と鹿児島中央を3時間台で結ぶという最速達列車に「みずほ」の名前が付与されることが有力視されていることに対し、鹿児島県知事が「熊本止まりのブルトレに付けられた名前。好きではない」などと不満を漏らしたのも鹿児島県民としての意地の現れというべきか・・・
なお、鹿児島ルート全線開業に向けてのカウントダウンボードはJR西日本管内となる山陽新幹線の新大阪・新神戸・岡山・福山・広島・新山口の各駅にも設置されることになっていますが〔新大阪駅のみJR東海管轄〕、こちらは「さくら」などに充当されるN700系”青磁”仕様車両(7000番台・8000番台)をメインに据えた格好の造りになっていて、併せて実際に車内に設備されているとされる座席(自由席車の座席?)の展示も行われるそうです。
それと、一部メディアの報道内容から、この九州新幹線・鹿児島ルート全線開業期日として正式に表明された来年の「3月12日」にJRグループ定例ダイヤ改正が施行されることも事実上明らかにされています。
この来春施行されることになっているJRダイヤ改正に於いて、鹿児島ルート全線開業と共に目玉となることが予想されるものとして、東北新幹線へのE5系新幹線車両(いわゆる”はやぶさ”車両)の新規投入が挙げられるほか〔青森の地元メディアによる報道から〕、JR東日本が当面の存続を表明している寝台特急「あけぼの」(上野~青森)と長岡以北に於いて同一経路にて運行されている寝台特急「日本海」(大阪~青森)の去就も気になってくるところ。
それで、九州新幹線・鹿児島ルート関係でいうならば、各種メディアの報道から、博多から熊本までは1時間あたり4本程度、熊本以南は1時間あたり2本程度といわれています───少ない本数だな、とつい思ってしまった私でしたが、実際に先行開業している鹿児島中央駅の時刻表を見たところ、新幹線に関しては概ね1時間あたり2本となっているのが見え、今度の全線開業に際し、運転本数に関してはほぼ現状維持になっているような印象を受けました。
現行の先行開業ダイヤと異なる点を挙げるならば、鹿児島中央にまで乗り入れる予定の「1時間あたり2本程度」のうちの毎時1本程度が、今度の全線開業に合わせて新たに設定される山陽・九州両新幹線直通列車「さくら」に化けるであろうこと。
更に、先月下旬に「さくら」とは別に急遽設定の検討に入ったことが明らかとなった、新大阪と鹿児島中央の間を3時間台で結ぶという最速達列車に関しては、今も「みずほ」という名前で追加設定するか否かの検討を進めている模様ですが、”みずほ”急遽設定の報道以前に大まかなプランとして提示されている運転本数・パターンと今度の”みずほ”の関係について、従前から報じられてきている「1時間あたり2~4本程度」となっているところにトッピング(追加運行)する格好で設定されるのか、それともその「1時間あたり2~4本程度」という運転プランの中に”みずほ”も織り込ませる格好で設定されるのか───福岡の地元メディア報道の中で指摘されていることですが、私もちょっと気になります。
ちなみに、先行開業区間(新八代~鹿児島中央)も含めた鹿児島ルート全線に設置されている途中駅(10駅)のうち、待避設備を備えているのは新鳥栖・筑後船小屋・熊本・新水俣の4駅で、このうち上下線ともに待避線を備えているのは新鳥栖と熊本の2駅だけ《筑後船小屋は下りのみに、新水俣は上りのみに、それぞれ待避線設置(但し筑後船小屋の待避線は構内配線の関係から上り列車の待避も可能→『九州新幹線のダイヤ予想』より)》。
待避設備を備える駅の数としては正直少なめの印象を抱くところですが、現状で報じられている運転本数パターンの下では、この程度の施設規模(というか線路量)で十分と考えられていることでしょうし、逆にこの線路量に見合うだけの列車ダイヤの構想を立てた、という見方も成り立つのかもしれません。
そのため、開業後に輸送実績が好調続きで増発がままならないほどの実績を上げ続けるようであれば、待避線増設などの施設拡充に動くことになるでしょう《勿論、用地の追加買収の必要が出てきたりするなど、簡単にはいかないでしょうけれども…》。
12月中旬頃───例年、翌年春に施行されるJRグループ定例ダイヤ改正の概要が発表される時期───に九州新幹線・鹿児島ルートの開業ダイヤ概要が発表される見通しと報じられてきていますので、具体的なダイヤ編成に関してはその時まで待っていることにしましょう。
九州新幹線・鹿児島ルートとそれに続く東海道・山陽新幹線との通しの特急料金がどうなるかもメディア間で話題として挙がってきている様子ですが、現時点では、「新大阪→鹿児島中央」の片道で7,230~9,000円のあたりで、「新大阪→熊本」の片道で6,170~7,430円あたりで、それぞれ調整が進められている様子《運賃は、「新大阪→鹿児島中央」の片道で11,760円、「新大阪→熊本」の片道で10,370円》。
そんな中、JR九州が昨日開いた定例社長会見の中で、唐池恒二社長が新大阪から鹿児島中央までの「運賃+指定席特急料金」の合計額についても触れ「もう少し高くして割引で対応してもいいのでは。2万3千~2万4千円をいただいてもと思っている」とつぶやいたのだとか。
この場合だと、特急料金の部分だけで1万円を超えてしまう計算になるわけですが・・・
参考までに、東海道・山陽新幹線に於いて東京から博多まで通しで乗車した場合の片道指定席特急料金(通常期利用)をみると、「東京(都区内)→博多(福岡市内)」の片道運賃13,440円に対して、「のぞみ」で8,880円、「ひかり」又は「こだま」で8,280円となっています《「のぞみ」と”「ひかり」又は「こだま」”の相互で乗り継ぐ場合を除く》。
新大阪から鹿児島中央までの営業キロは千キロに満たないはずで、それに対して特急料金だけで1万以上を取るというのは、些かぼったくりの感が否めないところですけれども、経営基盤が脆弱といわれる三島会社の一つであるJR九州は運賃も本州JR3社と比べて高めに設定しており〔その一方で九州島内完結の在来線特急料金は割安な「B特急料金」で計算〕、今度の全線開業に伴って新たに発生する並行在来線区間(博多~八代)について引き続きJRの路線として運営していくことに伴う経費負担や、未だハッキリしない長崎新幹線(九州新幹線・長崎ルート)の関係で将来予想される経費負担などを考えると、定例社長会見に於けるJR九州の唐池社長の前記のつぶやきも理解出来なくもないところでしょう。
鹿児島ルートとそれに続く東海道・山陽新幹線を合わせた特急料金については、当初今月中の国土交通省への申請を目指していたところ、昨日になって来月(10月)にずれ込む見通しであることを明らかにしていますが、前記の列車ダイヤと共にどのような特急料金体系を打ち出すのか、こちらもまた気になるところです。
何はともあれ、東京から鹿児島中央にかけて1本の新幹線レールでつながるという歴史的瞬間に向けて、また一歩前進しています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『全線開業は来年3月12日 九州新幹線鹿児島ルート』
《→『博多―熊本1時間4本 3月12日全線開業の九州新幹線』》
《→『「西郷どーん」お待ちかね 九州新幹線カウントダウン板』》
『九州新幹線:全線開業は来年3月12日と正式発表』
《→『九州新幹線:来年3月12日、全線開業決定』》
『九州新幹線、航空機と競合区間は割引料金も』
《→『九州新幹線開業まで177日、カウントダウン開始』》
『九州新幹線・鹿児島ルート 来年3月12日に開業』
《→『九州新幹線・鹿児島ルート 来年3月12日に開業』》
『九州新幹線鹿児島ルート、来年3月12日に全線開業』
《→『JR九州社長、九州新幹線の大阪―鹿児島「2万3000円も」』》
『九州新幹線、3月12日全線開業=山陽との直通運転も開始-JR九州』
《→『大阪-鹿児島間、従来計画より時短検討=山陽・九州新幹線開業決定でJR西社長』》
『全線開業は来年3月12日 九州新幹線鹿児島ルート』
『3月12日全通を決定 九州新幹線鹿児島ルート』
『来年3月12日に全線開業 九州新幹線』
『九州新幹線、3月12日全線開業を発表』
《→『新幹線全線開業「西郷どーん」秒読み 鹿児島中央駅』》
『「稼ぎ優先」「空と競争」の板挟み 九州新幹線、料金設定が難航』
《→『「稼ぎ優先」「空と競争」の板挟み 九州新幹線、料金設定が難航』》
『鹿児島-大阪 3時間47分 九州新幹線 3月12日全通検討 新列車「みずほ」投入』
<(_ _)> ありがとうございます。応援よろしくお願いします <(_ _)>
←ソーシャルブックマークです
←ランキング参加中。各1クリックご投票を!
【関連記事(九州新幹線・鹿児島ルート関連)】
「九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)関連記事専用リンク集──「2011年3月12日全線開業」に至る軌跡」
« 「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」10月1日発売・・・昨年と同一。「青春18きっぷ」今冬発売分は未だ発表無し | トップページ | 【「第28回1万人の第九」;レッスン2】”マーチ”に”M”に”Seid umschlungen,”──「大阪5」写真撮影。貨物列車も »
コメント
この記事へのコメントは終了しました。
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 九州新幹線鹿児島ルート「3月12日」全線開業・・・来春JRダイヤ改正にて。特急料金だけで1万円超か《西郷騒動も》:
» 九州新幹線、新大阪-鹿児島中央間23000~24000円は高すぎる [たべちゃんの旅行記「旅のメモ」]
いまだに決まらない九州新幹線の運賃・料金。新大阪-熊本間が16000~1800 [続きを読む]
« 「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」10月1日発売・・・昨年と同一。「青春18きっぷ」今冬発売分は未だ発表無し | トップページ | 【「第28回1万人の第九」;レッスン2】”マーチ”に”M”に”Seid umschlungen,”──「大阪5」写真撮影。貨物列車も »
今日、JR大和路線志紀駅構内で、九州新幹線3月12日全通のポスター掲出を確認しました。
あと半年。これで交通体系がまた大きく変貌する。
その日が待ち遠しいですね。
投稿: 愚夫愚父 | 2010年9月16日 (木) 22時44分
愚夫愚父さん、おはようございます。
お久しぶりです。
志紀の駅にも九州新幹線PRポスターが貼られていましたか───八尾や久宝寺の駅にも貼られているかどうか見に行かなければ(笑)
約半年後には新大阪駅新幹線のりばの下り方面発車標に「鹿児島中央」の文字が表示されることを思えば、何だかワクワクする気分になりますね。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年9月19日 (日) 09時16分