ついにJR東日本に引き渡し──東北新幹線「八戸~新青森」間、9月2日。気になる「青春18きっぷ」今冬以降の動向
去る8月31日から始まった、九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)の建設工事区間(博多~新八代)に於ける試験走行《試運転》。
建設主体である鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)が中心となって始めたこの試運転で、熊本配置となったJR九州保有のN700系”青磁”仕様量産車両(8000番台)8両編成が、去る9月2日、フル規格新幹線区間に於いては、線路戸籍上在来線扱いとされる区間を除いて、2番目に短い駅間距離を挟む久留米・新鳥栖両駅にまで足を伸ばし、それぞれの駅に於いて、運転士が地元の小学校に通う児童から花束を贈られるなど、地元自治体の首長、そして地元住民らの歓迎を受けていました。
来年(2011年)3月の鹿児島ルート全線開業に向けての期待の大きさというものを感じさせられるところですね。
その、久留米・新鳥栖両駅に初めてN700系8000番台新幹線車両が入線した同じ9月2日、東北新幹線「八戸~新青森」間延伸開業部分に於いては、一つの大きな区切りを迎えていました。
去る4月13日から始まり、都合4ヶ月半少しの間、E2系”はやて”車両を中心に、時には最新のE5系”はやぶさ”車両を投入するなどして話題を呼んだりもしていた、東北新幹線延伸開業部分に於ける鉄道・運輸機構主体の試験走行(試運転)が9月2日を以て終結となり、路線運営についてJR東日本に引き渡されました《施設面の維持・管理については引き続き鉄道・運輸機構が担当》。
試運転が実施された日数は通算で32日間に及び、その最終回となった去る9月2日未明時間帯(1~4時)に於ける試運転では、東京の新幹線運行本部総合指令室との信号のやりとりが正確に出来ているかを確認するためのコントロール・ランを実施、E2系”はやて”車両2編成が延伸区間を3往復、同区間に於ける営業最高速度の260km/hで駆け抜けていきました。
終了後、盛岡市内でJR側と機構側との会議が非公開で持たれ、延伸区間に於いて新幹線運行に問題ない、とJR側に対して報告が為されたとのこと。
今後はJR東日本による関係乗務員の習熟を兼ねた試運転(E2系”はやて”車両などを使用)が繰り返されることになる一方、国土交通省による検査も予定されており、検査に合格した場合、11月頃にも延伸区間に於ける試乗会を行う、としています。
一部の地元メディアは「E2系”はやて”車両を使って…」などと報道していますが、九州新幹線・鹿児島ルートの全線開業時期である来年(2011年)の3月に、東北新幹線の最速達列車”はやぶさ”向けに開発され、従前からのグリーン車より更に上位に位置づけられる「グランクラス」車(スーパーグリーン車)も組み込まれているE5系新幹線電車の新規投入が予定されていることから、こちらの習熟運転も必要になるのではないか、と思うところです《言うまでもないことですが》。
東北新幹線「八戸~新青森」間の開業予定日は、大阪に於いて「第28回サントリー1万人の第九(10000人の第9)」の本番前日=総合リハーサルが行われる予定となっている「12月4日(土)」。
1ヶ月前からの指定席券前売開始と『時刻表』発売日(通常は毎月20日前後)との兼ね合い、『時刻表』誌上への新ダイヤ掲載のための入稿締切などを考えた場合、この記事を掲載する時点に於いて、延伸開業区間も含めた東北新幹線全線とその周辺路線などの新ダイヤは殆ど完成されているものとみられます《本当のところはわかりませんけどね》。
11月中に刊行される12月号では指定席券前売開始に間に合いませんし───遅くとも来月刊行される11月号の中で正式に発表されることになるでしょう。
楽しみに待っていようと思います。
ここで、今一つ気になるのが、未だに発売未定とされている「青春18きっぷ」今冬発売分以降の発売有無に関して。
今年2月10日付でJR旅客6社が今年に発売される「青春18きっぷ」について3季分まとめて一斉発表した際に今冬発売分のみ”発売未定”とされているのは、東北新幹線「八戸~新青森」間延伸開業に伴って新たに東北本線「八戸~青森」間が並行在来線として第3セクター鉄道「青い森鉄道」に移管され、これによって盛岡以北の全区間が第3セクターの路線(IGRいわて銀河鉄道+青い森鉄道)となってしまうことに絡んでJR旅客6社間で協議しているためであることは既に多くの方々がご存じのことと思います。
東北新幹線・新青森延伸開業日も決まったことで、新たに並行在来線として発生する区間の第3セクター鉄道線への移管スケジュールも一通り決まっている様子ですので、そろそろJR旅客6社間で議論がまとまってきてもいいはずなのですが、今夏分「青春18」の通用(利用可能)期間がまもなく終わりを迎えようとしている現時点に於いても、未だにその気配すら感じられません。
関西在住の鉄道好きの1人である私自身としては、効力範囲の変更やそれに伴う料金改定が為されてでも、「青春18きっぷ」自体は存続されるべきであるし、そうあってほしいと強く願うばかりです。
特に、昨年春からの「高速道路通行料金上限千円(休日特別割引)」や、今年6月から始まった「高速道路無料化社会実験」への対抗上、2人以上のグループ旅客(家族連れなど)に特化した施策を頑なにとり続けてきているJR西日本の管轄エリア内に於いては、「青春18きっぷ」は人数に関係なく通用する数少ない広域通用型トクトクきっぷとして、特に私のような1人旅派にとって無くてはならない貴重な存在なのです《今月1日にJR西日本から公式発表された「日帰りJR西日本フリーパス」(特定祝日のみ通用)も「最低大人1名を含む2名以上同一行程で移動する場合のみ発売」という縛りがしっかり付いてきています》。
9月中旬ぐらいには「青春18きっぷ」ライクな普通列車専用トクトクきっぷ「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」の今年発売分が公式発表されると思われますので〔ちなみに昨年は「9月17日(木)」付けでリリース済→今年は「9月16日(木)」前後を予想〕、そのあたりか、さもなければ9月終わりから10月初めにかけての時期に「青春18」今冬以降発売分に関して何らかの結論が出されるものと期待するところです。
京阪特急の従前塗装車(8001F編成)の運用が終わりを迎えた9月2日、建設工事を一通り終えた2つの整備新幹線区間に於いて新たな一歩を踏み出したようですね。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『東北新幹線走行試験が無事終了 八戸―新青森間』
《→『新幹線八戸-新青森間 走行試験が無事終了』》
『新幹線試験走行終了 施設などJRへ引き渡し/鉄道・運輸機構』
『八戸-新青森間の走行試験終了 訓練運転へ』
『東北新幹線・八戸-新青森で走行試験開始』
『東北新幹線「八戸・新青森間」の車両走行試験』
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