新幹線車両製造数累計3,000両達成…日本車両製造。今年度もN700系等約200両を予定《達成直前にE2系の出荷》
当ブログにて7月初旬に掲載した記事の中で、6月中旬に落成された山陽・九州両新幹線直通列車向けN700系”青磁”仕様量産車両のJR西日本保有分(7000番台)・第S3編成の製造元として紹介した、JR東海の連結子会社で愛知県豊川市に車両製造工場を持つ日本車両製造(日車)が、去る9月17日、記念すべき大きな節目を迎えたということで、各種メディアをにぎわしていたみたいですね。
日車が創業以来手がけてきた新幹線車両の製造両数が、去る9月17日に落成された新幹線車両を以て3,000両の大台に到達した、というのです。
これを記念して、豊川市内に構える日車の車両製造工場内でJR関係者など約40人が出席して記念セレモニーを開いていました。
日車のWebサイト上には3,000両達成を記念する特設ページ(トピックス)が登場し、そこに掲載されている『新幹線電車制作の歴史』という資料画像には、年表と共に、時代毎に誕生した新幹線車両たちの面々やトピックスが掲載され、時代の流れと共に変貌する性能や顔つきなどを愉しむことが出来ます。
始まりは”夢の超特急”こと東海道新幹線の開業2年前(1962年…昭和37年)、その東海道新幹線向けに設計・製造された新幹線1000形試作車両だったとか。
以後、”元祖新幹線車両”といわれるべき0系新幹線車両を初め、親会社であるJR東海に向けての東海道・山陽新幹線の最新型「N700系」、東北新幹線向けE2系、そして前記のN700系”青磁”仕様量産車両などの各種新幹線車両を生み出してきたほか、新幹線技術の海外輸出初事例となった台湾新幹線(台湾高速鉄道)向けの700T型車両の製造も手がけてきています。
創業以来の生産累計ベースでは、国内新幹線車両の実に3割が日車製だとか───そして新幹線車両の製造を手がける国内の鉄道車両製造メーカー5社の中では日車が累計3,000両の一番乗りを果たしたとのこと。
ちなみに去る9月17日に落成された、累計3,000両目となる記念すべき新幹線車両は、東海道・山陽新幹線向けN700系通常仕様車両の先頭車だったそうで、恐らく親会社・JR東海(浜松工場)向けのものだったでしょう。
前記の記念セレモニーでは、この記念すべき落成3,000両目の栄誉に浴したN700系先頭車を前にしてテープカットを行い、出席者一同が集まっての記念撮影も行われたそうです。
ところで、この新幹線車両落成3,000両達成という記念すべき大きな節目を迎える直前の9月1日未明、日車豊川工場から1両の新幹線車両が出荷されるところをとらえたとみられる映像がネット上で流布されているのを発見、その車両を目の当たりにした私自身、一瞬目の覚める思いがしました。
私自身、これまで余り意識していなかった〔というか知らなかった→何とも世間知らず(自爆)〕、JR東日本管轄新幹線群の中の一つ・東北新幹線向けに製造されたE2系新幹線車両(”はやて”車両)の先頭車両(10号車→八戸方先頭車両)でした《以下に示す2本の動画は何れも『いのさんのブログ』というブログサイトに掲載されている『☆趣味の事☆ E2系陸送!!』という記事の中で紹介されているものです》。
このE2系新幹線車両に関しては、ウィキペディア解説によると、今年3月末に第J70・J71両編成(何れも10両編成)の2本が製造されたとの話で、初めのうち、これって本当に新製車両なの、等と正直疑ったりもしました。
しかし、出会いました関連映像をネット上から取り寄せて分析してみたところ、先頭車両前面部横に設けられた乗務員扉の窓のところに「J75」の表示が入っていることがわかり、初めてこれは第J75編成に属する新製車両であると理解出来た次第(ォィ)
このE2系車両・第J75編成に属する、先の動画に登場した10号車を初めとする計10両の車両たちは、去る6月のN700系”青磁”仕様車両・第S3編成出荷時と同じく製造元の日車豊川工場から豊橋港まで陸送されたあと船積みされ、受取地とされる宮城県のJR東日本新幹線総合車両センターの最寄り岸壁である仙台港(仙台塩釜港仙台港区)に向けて海上輸送されていったわけでありますが、このうちの愛知県側の陸送現場に立ち会ったギャラリーの方々からブログ内記事などを通じて得られた証言によると、日車豊川工場と豊橋港の間は1台の陸送用トレーラー(と台車運搬用とみられるトラックなどから成る一団)により1両ずつピストン輸送していたそうですが、輸送ルート上に存在する歩道橋の地面からの高さの関係などから、パンタグラフ付き車両とそうでない車両とで輸送ルートを変えていたとのこと。
先頭車両などパンタ装着の為されていない車両については、恐らく、去る6月中旬に豊橋港まで陸送されたJR西日本保有のN700系”青磁”仕様7000番台車両の陸送ルートとほぼ同じルートを辿っていたものと思われますが、このルート上には、左折地点である新栄交差点の手前に設置されている歩道橋の他、往完町交差点を取り囲むように設置されている歩道橋、そして東脇西交差点を過ぎてから豊橋港(牟呂町交差点)方向に少し行ったところに設置されている歩道橋があり、それらの何れかがパンタグラフと接触してしまう虞があることが判明したところから、パンタ付き車両のみ別ルートとした模様。
そのパンタ付き車両のみが辿った別ルートとして考えられるのは、新栄交差点で左折せずそのまま直進し、豊橋バイパス(国道23号線)と交差するところ(豊川橋付近)で左折してその豊橋バイパスに乗り、神野新田交差点まで南下したところで同交差点にて右折、そして豊橋港へと向かうというルートで、これだと新栄交差点手前の歩道橋を過ぎれば、神野新田交差点手前の豊橋バイパス上に設置されている歩道橋が現れるのみで、その歩道橋は自動車専用道路に準ずる地域高規格道路(名豊道路→豊橋バイパスはその一部)上に設置されているということで相応の高さになっているものとみられ、パンタ付き車両であっても通行に支障を来さないと思われます。
ただ、陸送の現場に立ち会った一部の方々から、パンタグラフ付き車両が料金所ゲートを通過するところをとらえた写真画像もネット上に寄せてきており、現在の豊橋バイパスに於いては有料区間が存在しない(開通当初は豊川橋のみ有料だったらしい…)ことから、この新栄交差点から豊橋バイパスを経由して豊橋港に至ったのではないかとの推測は間違っているのかも───本当のところは定かではないです。
ピストン輸送により運搬され、豊橋港で船積みされて出帆となったE2系・第J75編成の車両たち───10両ある第J75編成所属車両について1両ずつピストン輸送したとの話ですから、1日のうちに全ての車両の豊橋港への陸送が終わるはずはなく、E2系車両を迎える側となる宮城県側の現場に立ち会ったギャラリーの方々から得られた証言によると、9月6日に7~10号車の4両が、その2日後にあたる9月8日に残る1~6号車の6両が、それぞれ仙台港に着岸・陸揚げとなったとのこと。
どうやら2回に分けての海上輸送となった様子ですね。
そして仙台港に於いて陸揚げされた第J75編成10両は、9月11日未明までに全てJR東日本新幹線総合車両センターへと陸送された模様。
その、仙台港に於けるE2系車両第J75編成としての最後の陸揚げの模様が、前出の豊橋市内で撮影された2本の動画と共に、『YouTube』に寄せられてきているのが見えました。
この動画を撮影・収録したギャラリーの方からの証言によると、E2系新幹線車両の増備は今回の第J75編成10両が最後になるとのことです。
第J75編成に属する10両の宮城県内に於ける陸送が終了した9月11日───日車製新幹線車両が累計3,000両に達する、その6日前のことでした。
1989年に累計1,000両、2002年に累計2,000両に達したという日車製の新幹線車両、今年度はN700系の通常仕様車両と”青磁”仕様量産車両など約200両の生産が予定されていて、更に現在進行中であるアメリカやブラジル、オーストラリアに於ける各高速鉄道プロジェクトに於いて仮に日本の新幹線技術が採用されるようなことがあれば、それに係る新幹線車両の製造もプラスされることになるでしょう。
尤も、その現在3カ国で進行中の高速鉄道プロジェクトに於いて日本の新幹線技術が採用されるか否かは、導入コストの問題などから、不透明な情勢下にあることは否めないところですが・・・一度は新幹線技術の採用を決めたと発表しながらも導入コストなどを理由にベトナム国会からの反発(承認案の否決)を喰らったベトナム高速鉄道プロジェクトの例がありますし。
何はともあれ、日車には今後とも、先を見据えた車両造りに邁進することを通じ、日本の新幹線技術の発展を支えていってほしいと思います。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『日本車両製造、新幹線の製造累計3000両を達成』
『日本車輛製造:新幹線3000両を達成 社長ら出席し記念式典--豊川 /愛知』
『新幹線3000両を達成 日本車輌製造』
『初代0系、E2系、N700系…日車が新幹線生産3千両突破』
《→『初代0系、E2系、N700系…日車が新幹線生産3千両突破』》
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