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「きたぐに」・「日本海」存廃のこと──関西発東北方面夜行列車。当面の存続が公式表明された「あけぼの」の一方で

 夜行列車に纏わる話を少し───私自身の勝手なる思いも含めて。

 

 12月4日(土)───大阪に於いては「サントリー1万人の第九」第28回公演が行われる前日───に東北新幹線八戸新青森」間が延伸開業、これに合わせてJR東日本管轄エリア(特に青森県内エリアと首都圏)を中心に大幅なダイヤ改正が行われることになっていますが、こと夜行列車に関していうならば、首都圏と青森を結ぶ寝台特急「あけぼの」についてはJR東日本が公式に当面の存続を表明しているほか、首都圏と札幌を結ぶ寝台特急「北斗星」同「カシオペア」、そして関西と東北方面を結ぶ寝台特急「日本海」急行「きたぐに」についても、JR東日本から2010年9月24日付けで発出されたダイヤ改正公式リリース文書中にそれらの列車の存廃に関して何の記述もなされていません《JR東日本各支社から個別に発出された12月ダイヤ改正関連リリース文書などについても同様》。

 

 

 ついでにいえば青森と札幌を結ぶ急行「はまなす」も然り───あ、「トワイライトエクスプレス」も無事でしたね(笑)

 

 そんなわけで、首都圏及び関西と東北・北海道を結ぶ夜行列車の類に関しては、少なくとも、今度の東北新幹線・新青森延伸に伴うダイヤ改正にかかわらず存続されることになり、とりあえずはそのまま年を越せそうな情勢です。

 

 私としても、まずは一安心といったところです。

 

 

 とはいえ、そのあとに控える、来年(2011年)3月12日に施行される予定であるJRグループ定例ダイヤ改正に於いても以上挙げた東北・北海道方面の夜行列車が安泰かといわれると、これが何ともいえなくなってきているような感じです。

 

 いうまでもなく、毎年春に行われてきているJRグループ定例ダイヤ改正では、例年、前の年の12月中旬頃に改正概要がJR旅客6社から一斉に発表されており、来年改正施行分については「12月17日(金)」頃に一斉発表されることになるでしょう。

 

 ちなみに来年改正施行分では、東北新幹線へのE5系”はやぶさ”車両新規投入、九州新幹線鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)全線開業、287系特急形電車の新規投入とそれに合わせての北近畿エリアに於ける特急運行体系の見直し(「北近畿」から「こうのとり」への改称、北近畿タンゴ鉄道直通2特急「タンゴエクスプローラー」・「文殊」の廃止検討…)───などが予定されています。

 

 この、来年3月施行予定のJRグループ定例ダイヤ改正に関して、「2ちゃんねる」筋を中心に、大阪と新潟を結ぶ583系寝台電車充当の夜行急行「きたぐに」が廃止されるのでは、といった声がちらほらと聞こえてきています。

 

 「きたぐに」といえば、私も2年前(2008年)の夏、新潟市内に於いて開催された海外一流オーケストラの来日公演に聴きに行く際に大阪から新潟県内の柏崎まで自由席利用にて乗っていったものでしたが〔柏崎で越後線に乗り換え〕、大阪発車時点でこそ混み合っていたものの、北陸本線の終端駅でJR東日本との境界駅でもある直江津を発車した時には自由席車(少なくとも私が乗っていた車両)すらガラガラの状態だったことを記憶しています。

 

 また、質問投稿サイト『OKWave』に一昨年・昨年と寄せられてきている「きたぐに」関連質問群(質問及び回答)によると、自由席車に関してはオンシーズン期には下り(新潟行)に於いて大阪から直江津あたりまで満席だったりするほか、北陸本線を走る「雷鳥(サンダーバード)」・「北越」・「はくたか」の最終列車及び1番列車の役割の一端を担っているともいわれており、近・中距離の利用者もそこそこ存在する模様。

 

 北陸新幹線開業の暁には廃止されるだろうとの声も聞かれる夜行急行「きたぐに」でありますが、私自身としては、どのような形であれ、当面存続されることを強く望むところです。

 

 存続にあたっては、例えば自由席車と比べて高額な寝台車両について、B寝台車の一部をリネン類を一切省いた「ゴロンとシート」(普通車指定席)に転換させるのも一つの手ではないかと・・・

 

 尤も「きたぐに」で運用される583系寝台電車を保有しているJR西日本が、JR東日本発祥の「ゴロンとシート」を理解し導入するか否かの問題が立ちはだかるところですが───「ゴロンとシート」という名称自体は商標登録されているわけでも無さそうですから〔類似する「ノビノビ座席」や「のびのびカーペットカー」も然りかな…〕、JR西日本でもその気になれば始められそうなものなんですけどね。

 

 

 「きたぐに」と同じく大阪と東北方面を結ぶ寝台特急「日本海」についても、その存廃を懸念する声が聞かれます。

 

 ただ、なぜか「きたぐに」と比べて、心なしか、廃止を懸念する声のトーンが小さいような印象を受けるところなのですが───私の耳と目が悪いせいかな(悩)

 

 とはいえ、自由席車から寝台車までバラエティに富む「きたぐに」と違い、「日本海」は全車開放型寝台車(A寝台・B寝台)のみで構成される寝台特急列車。

 

 ネット上で眺める限りでは、夏休みなどのオンシーズン期こそ満席近い状態となることがあるものの、それ以外はガラガラな様子。

 

 B寝台車のうちの数両程度を、リネン類を一切省くことで指定席特急料金のみで利用できる「ゴロンとシート」とすることは出来ないものなのか、或いはオフシーズン限定でもいいからB寝台車にも乗車できる割引きっぷ(トクトクきっぷ)を設定するとか───工夫を凝らしていくことで一人でも多くの利用客から支持を得られる存在となり、そして1年でも生きながらえてほしい・・・

 

 関西在住の鉄道好きの一人として、前記の夜行急行「きたぐに」と同様、「日本海」に対してもそう願うばかりです。

 

 

 何はともあれ、「12月17日(金)」頃に発表されるとみられる、来年3月12日施行予定のJRグループ定例ダイヤ改正の概要の中身がとても気になるところです。

 

 今は静かに待っていましょう。

 

 

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コメント

「きたぐに」は通し利用でも自由席は1,260円であるところが魅力ですね。

しかしながら新潟対大阪では、高速バスは週末はいつも満席という現状があります。

とはいえどもたかが高速バスで客を取られても、バス1台分程度では「きたぐに」の輸送力に程遠いものですから、当面は安泰を祈るばかりです。

2009年正月でしたか、大阪行きが柏崎で電気系統の故障なのか動けなくなり、その後運休となったことがあります。車両面では経年ゆえにいつ故障が起きてもおかしくない状況にきているのは事実です。

JR東日本の583系が現役で活躍しているところを見ると、毎日運転は苦しいが、季節運転ならまだまだいけているという実績があります。

「きたぐに」の583系は1往復を5編成で担っているから支障はないと思います。また、521系増備による419系の廃車流用品で、少なくとも北陸新幹線金沢延伸までまだまだ生き永らえたら…と願うところですね。

 「ああああ」さん、こんばんは。

 全区間自由席車にて通しで乗車した場合、確かに料金部分に関して言えば1,260円で済むところなのですが、いうまでもなく、実際にはこれに運賃(9,030円)が乗っかりますので、支払金額は10,290円となります。
 一方、大阪から新潟まで高速バス利用とした場合の運賃は、3列シート車が充てられる通常夜行便で9千円程度、4列シート車が充てられる格安夜行便で6~7千円程度。
 加えて、「きたぐに」で運用に入っている583系寝台電車はデビューから既に40年前後経過しており、それに伴う劣化は覆い隠しきれないところまできていることは、ご指摘されている2009年の柏崎駅に於ける電気系統の故障による運転打ち切りなどの形で示されてきてしまっています。

 よって、鉄道好きではない限り、廉価な夜行高速バスなどに流れていってしまうのは無理ないと言わざるを得ないところでしょう。

 「きたぐに」の今後について、今のJR西日本の財務状況などを考えるとかなり厳しいものがありますが〔福知山線脱線事故に係る補償問題なども引き摺っている様子ですし…〕、現用車両の延命施工(体質改善)を図ると共に、少しでも利用率向上のための何らかの取り組み(新たなトクトクきっぷ開発など)を進めるなどしなければ、北陸新幹線の延伸を待たずして消滅してしまうことにもなりかねません《尤も北陸新幹線自体、中長期的視点で、地域の足(並行在来線など)を食い荒らすなどの懸念を禁じ得ないところがありますが…》。
 場合によってはJR東日本との連携をも考えなければならないのかも・・・

 私としても、1年でも長く「きたぐに」が存続され続けてほしいところなのですが───正直難しいところです。

はじめまして。私も「きたぐに」の存続に大いに関心を持っています。できればもう一度乗っておきたいです。しかし、今年3月のダイヤ改正然り、いつ引退宣告が出てもおかしくは無いでしょう。
「あけぼの」等も、沿線自治体の声は大きいものの、とりあえず12/4をクリアしただけなのかな、と思っています。来年の3/5にはどうなるか分かりません。

2015年3月までに予定される北陸新幹線長野~金沢間開業による『きたぐに』の存廃が気になります。この時点で25歳になってます。

埼玉県出身、父の故郷が富山県南砺市城端町という縁で北陸新幹線は楽しみです。夏季休暇中の今年9月にETC高速1000円制度を利用して第二京阪→京滋バイパス→名神高速→北陸道で父の実家へ行きました。

『きたぐに』は京都~糸魚川で客扱いを行わないが車両の老朽化は深刻ですね。サンライズ285系を交直両用にした685系を登場して欲しかったが。

新潟県上越市に北陸新幹線の上越駅が開業予定(信越本線の脇野田駅を移転)だが、開業後は上越新幹線の線名が改称される可能性もありそうです。

 かみづさん、こんばんは。
 こちらこそ初めまして。

 今のところ、ネット上を眺めている限りでは、「きたぐに」や「日本海」廃止の話は伝わってきておらず、現時点では何ともいえないのが実情です。
 とりあえずは、12月中旬頃〔今年は「12月17日(金)」あたりを予想〕に発表されるであろう、来年3月施行分のJRグループ定例ダイヤ改正の概要に注目ですね。

 長瀬国分線さん、おはようございます。
 いつもどうもです。

 えーっと、急行「きたぐに」のことですが、上下線とも京都と糸魚川の間の深夜時間帯走行区間に於いても客扱いの停車をしますよ。
 ことに金沢駅に於いては、下り(新潟方面)で36分間、上り(大阪方面)で6分間停車しますから・・・

 それはさておき、北陸新幹線についてですが、開業後に於ける並行在来線の処遇(第3セクターへの移管とか)など諸々のことを考えると、勿論私だって新幹線を建設すること自体を否定するつもりは毛頭無いのですが、正直ちょっと賛成しかねるところはあります───国の施策とはいえ。

>南八尾電車区さん

ありがとうございます。
西九州新幹線に関しては佐賀県鹿島市の強い要望で新幹線開業後も長崎本線がJRQとして残ることが決定しましたが、
北陸本線も北陸新幹線開通後もJR西日本として残ってくれれば(線路は各県に明け渡されてもよい)夜行特急や貨物列車の運賃が上がらなくなると思うのですが。

金沢に「きたぐに」客扱い停車、忘れてました。

夜行バスネタが出ましたが、学研都市線の松井山手駅に近い高速京田辺バス停からは長野への夜行バスが停車するようになりました。

 長瀬国分線さん、こんにちは。
 いつもありがとうです。

 九州新幹線・西九州ルート(長崎新幹線)で発生すると見込まれる並行在来線区間について、確かにJR九州が引き続き運営する旨の発表はありましたが、「開業後20年間」という期限付きとなっています《尚かつ上下分離される》。
 期限が付けられているものの”JR九州が引き続き運営する”ということで沿線自治体の同意を得るというプロセスが不要とされたわけですが、一方で開業から21年目以降の扱いについては佐賀・長崎両県とJR九州との間で再度協議するということとされ、この協議如何によっては3セク化されるか、或いは一気に廃線とされるか───何れにせよ流動的なわけで、ここのところを注意する必要があります。

 北陸新幹線───並行在来線となる北陸本線について、私も是非JRの路線として引き続き残してくれることを望むところですが〔接続する他のJR在来線と少なくとも運営面で一体とさせることで路線としての価値が保たれるように思います〕、もちろんその際にはJRへの負担を可能な限り軽くするよう、沿線自治体はもとより国もまた何らかの手当をすべきでは、と考えています。

ありがとうございます。

新幹線開業から20年間限りとはいえ、北陸本線(津端~直江津)もJRの運営で残す西九州方式にして線路は新潟・富山・石川県が管理して欲しいと思います。

本籍富山県民としてトワイライトの料金値上げ、氷見線や城端線の先行きも気になります。

 長瀬国分線さん、こんばんは。
 いつもありがとうさんです。

 仮に並行在来線をJR線として残すにせよ、極力JR側に負担のかからぬよう、上限分離方式を採るなど何らかの措置を講じてあげる必要はあると思います。

整備新幹線開通後の在来線はインフラを県が管理するなりしなければなりませんね。

青い森鉄道は12月4日に編入した区間を含め経費削減からインフラを青森県が管理する上下分離にしたようですが

 長瀬国分線さん、おはようございます。
 いつもありがとうです。

 青い森鉄道の場合は確かに第2種鉄道事業者として路線運営をしている模様ですが、6年半以上前の2004年3月に九州新幹線・鹿児島ルートの「新八代~鹿児島中央」間が部分開業したことに伴ってJRから経営分離された鹿児島本線「八代~川内」間を譲受した第3セクター鉄道・肥薩おれんじ鉄道は第1種鉄道事業者として丸抱えで路線運営に当たっています。
 とはいえ、積立金の取り崩しを余儀なくされるなど、今も厳しい運営を強いられ続けています《鹿児島県側沿線自治体などから嫌われているみたいだし・・・》。

 おれんじ鉄道も青い森鉄道と同じく、もし3セク転換当初から熊本県と鹿児島県が協力して第3種鉄道事業者としてインフラ部分を保有するなりしていたのならば、現在とはちょっとでも状況が違っていたのかも知れませんね。

ありがとうございます。
肥薩オレンジ鉄道、今話題の阿久根市の財政を逼迫させる原因とか聞いたことがあります。
新幹線駅がある水俣市や出水市も財政が逼迫だが、新幹線が通らない阿久根市は『九州の夕張市』と呼ばれる程のゴーストタウンと化しています。

オレンジ鉄道は廃止した方がよいと思ったことがあります。
並走する国道3号線は南九州自動車道が部分開通したことにより交通量も減りました。

 長瀬国分線さん、こんばんは。
 都合により順番が前後してしまったことをお許し下さい。

 かつて放送されていたテレ朝の日曜朝の報道ワイドショー番組の中で、阿久根市が、並行在来線のJRからの経営分離を伴う九州新幹線・鹿児島ルートの「新八代~鹿児島中央」間先行開業に、最後まで反対していたことが紹介されていたことを覚えています。
 結局、鹿児島県や周囲の自治体などからの圧力に屈し、鹿児島ルート先行開業となったわけでありますが、その結果として、阿久根市が懸念した以上に街は寂れていった・・・ともその報道ワイドショー番組に於いて紹介されているのが見えました。

 肥薩おれんじ鉄道───というか、それ以前に、九州新幹線「新八代~鹿児島中央」間の先行開業が、結果として、経営分離される前の鹿児島本線「八代~川内」間を初めとする地元の足をダメにした、と言わざるを得ないところです《今もおれんじ鉄道は必死の経営努力を続けている模様ですが、相変わらず現状は厳しい様子です》。

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