キハ189系、11月7日に特急「はまかぜ」運用入り・・・JR西日本。コマツ製'環境優先'エンジン搭載《JR他社でも採用》
去る11月6日にテレビで放映された関西のローカルニュースで、日本海(山陰地域など)に於けるズワイガニ漁解禁の話題が取り上げられているのが見えましたが、その話題に接したとき、ふと頭の中であることが思い浮かんできていました。
もう10日前の話ですね───スミマセン(苦笑)
この、ズワイガニ漁が解禁された「11月6日」・・・
そう、大阪から播但線経由で但馬地域(香住・浜坂・鳥取)に向けて走っている特急「はまかぜ」の世代(運用車両)交代が行われる前日でした。
この「11月6日」を以て、それまで活躍してきた旧国鉄時代からの生き残り組の一つで独特のターボ音を響かせることでも知られている「キハ181系」が「はまかぜ」運用から引退し、翌日すなわち11月7日からいよいよ新顔である「キハ189系」に「はまかぜ」運用のバトンが渡されたわけですね。
最初に記しました、頭の中に思い浮かんだ”あること”とは、この新しい特急用ディーゼルカー「キハ189系」のデビューのことなのでした。
「キハ189系」───「キハ181系」をイメージさせる前面形状を持つこの新しい特急形気動車は、去る3月中に最初の編成が製造元である新潟トランシスから出場、関西地区を中心に試運転を積み重ね、8月下旬以降には後続の編成も順次製造元から出場となり、現時点に於いて少なくとも3両編成5本がスタンバイした模様。
更に9月中旬と10月中旬には一般向け展示会(一般公開)が行われ、その模様が動画などの形でネット上に続々とアップされてきているのが見えますが、車内を一通り眺めてみて、床の文様に座席のモケットの模様、そしてブラウン基調の妻面(何やら文様が入っているように見えたけど…)とが相まって、客室内全体として何処か落ち着いた感じに仕上がっているような印象を抱きました。
ほんのりクリーム色がかった車内照明(電球色?)も落ち着いた雰囲気に一役買っているかのようでした。
その一方で、通路上部に装備されている電光式案内表示で、停車駅案内などを表示する部分のみならず号車番号を表示する部分までもLED化されているあたり、何処か新しさのようなものを感じました。
あ、乗降口ドアの内側に見られる濃い木目調の文様(?)もまた目を引きましたよ───何とも重厚な感じでした。
そして、前記のズワイガニ漁解禁の翌日にあたる11月7日、特急「はまかぜ」として正式デビュー・・・
独特のターボ音を響かせながら駆け抜けてきたキハ181系の後釜として、山陰路を駆け抜ける定期の特急列車としての第一歩を記したキハ189系───フラットな感じにして力強さを兼ね備えているかのようなエンジン音を発する一方で、車輪を通じてレールに響く音は何処か軽やかな感じ。
旧国鉄時代の車両たちと比べて軽量化・高性能化が図られてきている現代の車両ならではの光景が、播但線を介して日本海側と瀬戸内海側とを行き来する「はまかぜ」に於いても見られるようになってきた、ということがいえるわけですね。
で、今回新たに営業運用に入ったキハ189系に搭載されているエンジンは、コマツ(小松製作所)製の「SA6D140HE-2」という型番を持つディーゼルエンジン───このディーゼルエンジンにはコモンレール方式の燃料噴射装置が採用されており、排気ガス中に含まれる有害物質(窒素酸化物,すす等)を減らす効果があるといわれています。
キハ189系には、この新型エンジン「SA6D140HE-2」が1両あたり2基搭載されています。
実はこのコマツ製新型ディーゼルエンジン、2006年5月25日に徳島地区を中心に運用開始したJR四国1500形気動車に初めて搭載されたのを皮切りに、翌年以降JR東日本に於いてもキハE130系・キハE200系(以上2007年デビュー)・キハE120系(2008年デビュー)に順次搭載され、更には2009年に姫新線に於いてデビューしたJR西日本の”223系ディーゼルカー版”キハ127系にも搭載されてきているわけでありますが、特急形気動車への搭載は今回デビューしたキハ189系が初めてとみられます。
前記の”フラットな感じにして力強さを兼ね備えているかのようなエンジン音”も、このコマツ製の新しい”環境優先”エンジンによって生み出されてきているともいえるわけですね。
それでいて環境に優しい・・・
ヘッドマーク表示が無くなったことに対する物足りなさは正直少しありますが、新型ディーゼルエンジンの繰り出すフラットで力強いベース音のサポートを受けてステンレス(先頭部を除く)をまとった車体が軽快に走り去る光景を見るにつけ、一つの時代の区切りのようなものを意識させられるところです。
キハ189系の営業運転開始により、山陰本線の非電化区間を走る特急列車に充当される車両に関しては、全てJR発足後に登場した新しい特急形気動車に置き換わったことになるわけで、北近畿エリア電化区間に於いて来年3月に新型特急車両「287系」が新規投入されることも含めて、山陰本線全体、特に同本線を走る定期優等列車を見ていると、時代の流れというものを否が応でも感じさせられます。
普通列車、そして去る8月に新調された余部橋梁をも含めて、今後の山陰本線全体の発展具合に期待していようと思います───キハ189系気動車の今後益々の活躍も期待しつつ。
P.S.
もう一つ、JRグループ内でコマツ製新型ディーゼルエンジン「SA6D140HE-2」の搭載例がありました───前記のJR四国1500形気動車のデビューから約2ヶ月後の2006年7月29日にJR九州が大分地区を中心に運用を開始したキハ200系220形(両運転台仕様)の200番台車両にも搭載されています・・・忘れるところだった(冷汗)
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先日、早速キハ189系で大阪~鳥取を乗りました。
播但線は何度か乗ったことありますが、やっと最新型気動車が入ったと感じました。
木目調デザインは何となく阪急や阪急系列各社(能勢電・北急・神鉄・北神)を思い出しそう。
新潟トランシスにコマツ製エンジン、キハ127系と同様にメイドイン北信越で占めましたね。
長野・富山・福井で製造された部品はないものの、本籍地が富山県の者として好きな車両になりました。
鳥取で泊まればテレ朝系が映らないことにびっくりしたが、
TBS系が関東や北陸と同じ6チャンだから懐かしく感じました。
日テレ系が関東の4でも関西の10でもなく富山県と同じ1チャンでした。
投稿: 長瀬国分線 | 2010年11月16日 (火) 18時34分
長瀬国分線さん、こんにちは。
いつもありがとうです。
新顔・キハ189系特急形気動車に早速乗車されましたか。
阪急の車両を連想させる木目調デザイン───頭の中で想像するうち、私も一度乗ってみたくなりました。
でも今は経済的事情などもあってとても無理・・・
『YouTube』などの動画共有サイトで我慢します(爆)
投稿: 南八尾電車区 | 2010年11月17日 (水) 11時17分
>南八尾電車区さん
経済的に無理でしたか。
播但線が播但道と並走するのに加え、
舞若道福知山ICと豊岡市を結ぶ国道426号線が整備されていること、
北豊道の春日~和田山が開通したことで利用者減が進んだ「はまかぜ」の利用者が増えることに期待です。
今年6月末から舞鶴若狭道が無料化されたことにより(賛成派ですが)、車へシフトが進んだのもあります。
投稿: 長瀬国分線 | 2010年11月21日 (日) 09時56分
長瀬国分線さん、こんばんは。
いつもありがとうです。
JR西日本に限らず、JR旅客6社が「高速道路上限千円」や「無料化」の影響で軒並み収益を減らしてきているわけですし───特に路線総延長が旅客6社中最短のJR四国は特に深刻と聞きます。
そのような状況の中で、新型のキハ189系に置き換えられた「はまかぜ」が、並行する高速道路の整備が進む中、存在意義を確保するためには、まずは智頭急行を介して大阪と鳥取を結ぶ「スーパーはくと」との差別化、次にスピードアップ、そして新たなトクトクきっぷの開発・・・課題山積みですね(爆)
そして、マイカーとの融合(「パーク&ライド」とか)もまた、現実に即する形で、考えなければならないのかも。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年11月23日 (火) 18時24分
ありがとうございます。特にJR四国はJBのETC値下げ以降、かなり利用者が減ったのは知ってます。
大阪市~東かがわ市は鉄道利用では遠回りだが、車ではほぼ直線に近いルートで行けます。
JR西日本も北近畿・山陰地方を中心に利用者が激減しました。
キハ189系、阪急チックな内装と生まれ年(1989年)の数字に近いことから気に入りました。
投稿: 長瀬国分線 | 2010年11月28日 (日) 23時26分
長瀬国分線さん、こんばんは。
いつもありがとうさんです。
キハ189系、「阪急チックな内装」ですか───なるほど。
でも、私自身このディーゼルカーに乗れるのはまだ当分先のことになりそうです。
何しろ今の私には”汽車旅”といえば真っ先に”青春18きっぷ”がいの一番に思い浮かんでくる始末ですから・・・
それどころか、経済的理由などから、その”青春18きっぷ”すら満足に買えませんし(自爆)
『YouTube』で我慢するしか術がないです(涙)
投稿: 南八尾電車区 | 2010年12月 2日 (木) 01時14分
YouTubeでのキハ189系はどうでした?
キハ181系の例から天理臨運用にも使われると思います。
埼玉県は定期運用で走る汽車が八高北線にしかない汽車旅は馴染みが薄く好きになりました。
山陰や四国は汽車王国で気に入ってます
投稿: 長瀬国分線 | 2010年12月 5日 (日) 21時42分
関西圏で汽車こと気動車が走るのは非電化の姫新線、智頭急行、播但線、山陰本線(城崎温泉~伯耆大山)、北條鉄道、KTR、信楽高原鐵道、関西本線(亀山~加茂)、紀州鉄道、紀勢本線(新宮以東)はもちろんのこと、
他には東海道・山陽本線(名古屋~岡山)、福知山線、山陰本線(京都~福知山、和田山~城崎温泉)、舞鶴線(綾部~西舞鶴)くらいしかありません。
全国的にみても東京都、神奈川県、奈良県、沖縄県は定期運行の汽車が走らず、
旅客鉄道の電化率100%は上記4都県と大阪府だけです
(JRに限れば静岡県と滋賀県も)。
投稿: 長瀬国分線 | 2010年12月 5日 (日) 21時51分
長瀬国分線さん、おはようございます。
いつもありがとうです。
今回、勝手ながら、2本分まとめてレスしますね。
『YouTube』を通して眺めるキハ189系───例えば大阪から姫路に至るまでの東海道・山陽本線区間に於ける駅通過シーンを捉えた映像では、キハ181系時代と比べ、軽やかなサウンドを響かせながら223系電車並の高速で駆け抜けていくような印象を抱くところですね。
天理臨などの形で、山陰路以外で駆け抜けるキハ189系の姿を、私も見てみたいです。
話は変わり、キハ189系から離れますが、関西圏内電化区間に於けるディーゼルカーの運行について、かつては大和路線の「加茂~奈良」間に於いても僅かながら存在していました。
急行「かすが」に、1日1往復の亀山始発奈良行き普通列車(キハ120形充当)───勿論、今では共に過去帳入りとされていますが。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年12月13日 (月) 08時06分
ありがとうございます。
キハ75系急行『かすが』が大和路線を走っていたのは知ってます。
汽車旅は好きで、関東圏では八高線の他、久留里線、小湊鉄道、いすみ鉄道、わ鐵、烏山線、真岡鐵道、水郡線、関鉄、鹿島臨海鉄道、ひたちなか海浜鉄道が気に入ってます。
鹿島臨海鉄道は1985年3月に開通した比較的新しい路線だが、海岸寄りを高架で走る景色が気に入ってます
(内陸の埼玉県出身、今は奈良県在住でこれまた内陸県在住ということで)。何となく伊勢鉄道(73年に国鉄伊勢線として開通)と感じが似ていた。
山間路線で汽車は小海線も気に入ってます。
奈良県在住としてキハ189系の天理臨も見たいです
投稿: 長瀬国分線 | 2010年12月16日 (木) 00時09分
長瀬国分線さん、こんばんは。
遅くなってスミマセン。
鹿島臨海鉄道といえば、今でこそ鹿島神宮(鹿島サッカースタジアム)と水戸を結ぶ非電化路線として知られるところとなっていますが、かつては鹿島神宮から北鹿島(現・鹿島サッカースタジアム)を経由(スイッチバック)して鹿島港南に至る盲腸線(旅客サイドから見た場合)として知られ、終点の鹿島港南駅は電話ボックス一つある他は何もないことで広く知られるところとなりました。
私も興味を抱いていたものでしたが、結局乗らず仕舞いとなってしまいました《尤も”鹿島神宮と水戸を結ぶ”今の鹿島臨海鉄道にも乗ったことは一度もありませんが…》。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年12月21日 (火) 00時21分