”313系的”ディーゼルカー「キハ25形」、姿現す──JR東海、11月10日に日車を出場。名古屋配置で先ずは武豊線に
JR西日本に223系近郊形電車の顔をしたディーゼルカー「キハ122系・キハ127系」が姫新線に登場したのは昨年(2009年)の3月14日のこと。
ちょうど昨年のJRグループ定例ダイヤ改正に合わせてのデビューとなったことは記憶に新しいところ───デビュー間もない頃に姫路駅・姫新線ホームにて初めて目の当たりにしたときには目を丸くしていたことを覚えています。
あの時から約1年8ヶ月───同様の現象が、今度はJR東海管内に於いて見られようとしています。
JR東海における近郊形電車の新標準「313系」の前面形状を持つディーゼルカー「キハ25形」が、ついにその姿を現しました。
一昨日(11月10日)、製造元でJR東海の連結子会社でもある日本車輌製造(日車)の豊川工場から出場、そのまま豊橋と関ヶ原の間で公式試運転に入ったとの情報が飛び込んできました。
今回出場となったのは2両1組のユニットが2本、第P1・P2編成の計4両。
早速、名古屋駅や関ヶ原駅などに於いて当該新気動車の姿をスクープしたブログ内記事や動画が続々とネット上にアップされてきているのが見え、私の知るところともなりました。
前面形状に関しては、前照灯が左右2カ所のみ(尾灯と同位置)であること〔上部中央に前照灯無し〕、連結器の形状とその周りを取り巻く排障器(スカート)の形状が異なることを除けば、ベースである「313系」とほぼ同じ。
前面形状以外では、パンタグラフの有無はともかくとして、列車無線アンテナの位置が車体中央に移動させられている程度。
外観上はまさしく”313系のディーゼルカー版”といってもよさそうなくらいの造りといえますね。
なお、車体側面の窓配置から、座席については、主に名古屋圏にて運用されている313系車両で入れられているものと同様、転換クロスシートが設備されている可能性が高く、またトイレも設置されている模様《ウィキペディア解説では「転換クロスシート」となっています》。
それにしてもこの「キハ25形」、ネット上に寄せられてきているスクープ映像などを見ていて改めて感じるところなのですが、前面形状といい、車体側面といい、313系電車とほぼ瓜二つですね。
最初に記した、JR西日本の223系電車と「キハ127系&キハ122系」以上に───尤も223系電車と「キハ127系&キハ122系」については、前面形状の微妙な違いなどから、”瓜二つ”というレヴェルまでにはちょっと達していないような感を抱くところですが。
あ、”瓜二つ”といえば「JR北海道の731系電車とキハ201系」もありましたね───すっかり忘れていました(冷汗)
一方で、加速時のサウンドについてでありますが、今回ネット上にアップされてきているキハ25形関連動画を視聴すると共に、既に武豊線に乗り入れる列車や名古屋から参宮線に直通する快速「みえ」に充当されてきているキハ75形の発車シーンをとらえた動画も併せて視聴、それぞれが発するエンジン音について聴き比べてみたのでありますが、かなり違うような印象を抱きました。
言葉でどう言い表せばいいのかわからないですし、また収録当時の状況(マイク位置や風の強さなど)にもよってきますが───キハ75形の場合には加速をサポートする低音域のエンジン音が何処か軽やかにして底堅い感じがするのに対し、今度登場したキハ25形の場合には、低音域のエンジン音はあまり発していないとでもいうか、或いはエンジン全体で均等に音を発しながら加速しているのか・・・
ついでに言うならば、太多線や参宮線を中心に見かけるキハ11形の加速時に於けるエンジン音とも違っています《まぁ当たり前でしょうけれどもね…》。
尤も、現時点では、キハ25形の発車シーンをとらえている動画はネット上に1つしかアップされてきておらず、またキハ25形の音声のみを収録したファイルに関してはネット上に於いて未だ一つもアップされてきていないわけですが、今後、本格的な営業運用に入るまでの間に追加で関連レポートやマルチメディアファイルがアップされてくることも予想されますので、こんなことを言うのは本来どうかと思う節はありますが、それを期待していようと思います。
このキハ25形、ネット上にアップされてきているレポート群から、どうやら名古屋車両区(海ナコ;「南紀」や「ひだ」で活躍中のキハ85系などが所属)を配置先としている模様。
既出のJR東海リリース群から、今回は都合計10両(2両編成5本)が製造され、主に武豊線に回されることになっており、同時に既に運用に入っているキハ75形については高山線などに転用されることになっています。
一方で、その武豊線については2015年春を目処に全線電化させるとの公式発表が既になされており、これに伴って313系電車の増備も発表されていることから、電化以後の処遇が気になるところ。
で、先に排障器の形が313系電車と異なる旨のことを記しましたが、これは排障器の下にスノーブラウが装着されていることによるものらしく、降雪地帯に於ける運用も考慮されているとの話などから、約5年先となる武豊線全線電化後は、先に武豊線を去るキハ75形の後を追う格好で、やはり高山線に回される可能性がありそうな感じがします《旧国鉄時代からの生き残りであるキハ40系からの置き換えのために…》。
ただ、全ての台車が動力台車となっているキハ75形と違い、このキハ25形は1両につき動力台車と付随台車を一つずつ履いている模様で、勾配の連続する、そして年間降雪量が多めともいわれている高山本線に於ける運用にも堪えられるのかどうかが気になるところ。
ま、5年後に期待しましょう(笑)
何はともあれ、JR東海の非電化線区にも”313系”顔が出現する時が刻一刻と近づいてきています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『キハ25形新製車2編成が日本車輌で落成』
『【JR海】キハ25形が登場』
《上記以外の「キハ25形」関連ブログ内記事等も参照》
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【関連記事(JR東海キハ25形気動車関連)】
「313系ベースの新型気動車「キハ25形」今年から313系追加分と共に投入か───武豊線では2015年春に電化予定」
「キハ25形、飯田線や武豊線でも試運転──3月12日ダイヤ改正で武豊線に。旧国鉄キハ40系置き換えはマダマダ?」
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以前の記事で「気動車版223系」とか「キハ223系」とか評した「キハ122」「キハ127」ですが、実際乗車したりもしましたが、基本ベースは223系ではありますが、色々と違っていたりする点も多く、見慣れてくれば「223系のコピー」というよりもむしろ「キハ1....... [続きを読む]
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キハ25系は名鉄対策として武豊線に投入、電化までの繋ぎと思います。
キハ75系は高山本線へ転出予定だが、寒冷対策未対応だと岐阜~下麻生と太多線に限られるから紀勢本線(多気~新宮)に転出がよいかも知れません。
高山本線にキハ25系、
太多線(高山本線の岐阜~美濃太田を含む)と紀勢本線(多気~新宮)にキハ75系が走るのは楽しみ。
美濃太田のキハ11は伊勢市へ転属され紀勢本線(トイレがない編成は亀山~三瀬谷に限る)と参宮線でキハ11の運用が増えるかも。もちろん名松線も共通運用に
投稿: 長瀬国分線 | 2010年11月12日 (金) 18時59分
南八尾電車区殿、こんにちは。
大場でございます。
本当にキハ25系は、313系とうり二つですね。普段313系を見ているだけに大変驚きました。ここまで似ているとは!
仰る通り、JR北海道の731系とキハ201系もうり二つであると同時に連結して運行することが可能ですが、今回デビューしましたキハ25系は、同様に313系と連結運転すると面白いのではないかと感じました。
投稿: 鉄道心理学研究家 大場英哲(おおばひであき) | 2010年11月13日 (土) 11時17分
長瀬国分線さん、おはようございます。
いつもありがとうです。
寒冷対策ですか───そういえばキハ75形ではそのことを耳にしないですね。
確かに各乗降口にはドア開閉ボタンが装備されているため寒冷地帯で常時半自動扱いで運用することも可能に思えますが、雪対策らしき装備などは、私自身視認できる範囲では、ちょっと見られないですね。
一方、今回登場したキハ25形では排障器の下にスノーブラウが装着されているのが見えるので、恐らく高山本線の降雪地域に於ける運転も視野に入れていると思われるところ・・・
高山本線に於いてキハ75形が具体的にどう運用されるのか、気になるところです《そういえば既に高山本線などで運用に入っている特急向けのキハ85形気動車もまた寒冷地対策(耐寒設備)のことは聞かれないですね…》。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年11月17日 (水) 08時14分
鉄道心理学研究家・大場英哲さま、おはようございます。
ご無沙汰です。
私も一瞬そのことを考えたものでしたが、キハ25形気動車と313系電車それぞれの先頭部に装着されている連結器の形状の相違(電気連結器部の段数が異なる等…)から、北海道で見られる「731系+キハ201系」といった類の運用は、物理的な面から、先ず不可能みたいですね《非常時は別にして…》。
でも、仮に両者の連結器の形状が同一で北海道で見られるような連結・協調運転が可能として考えた場合、例えば名古屋始発で途中多治見で分割させて中津川方面と美濃太田方面に分かれて運転させるとか、或いは岡崎か豊橋あたりを始発駅として名古屋を通って岐阜まで連結運転させ、岐阜で大垣(米原)方面と美濃太田(高山)方面に分割させるとか・・・結構便利なように思えたりもします。
今後、更なるキハ25形の増備が為されるのかどうか───とかくリニアや海外への新幹線技術売り込みに熱心ともいわれるJR東海のこれからの動向を注視する必要有りですね。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年11月17日 (水) 08時15分
>八尾電車区さん
キハ75系が高山本線の上麻生以北に対応してるかはわかりませんが、耐寒工事が行われそうです。
紀勢本線も大内山付近は積雪することがあるからキハ75系は耐寒対応かも知れません。
投稿: 長瀬国分線 | 2010年11月21日 (日) 09時44分
長瀬国分線さん、こんにちは。
いつもありがとうです。
キハ75形気動車───ウィキペディア解説を見る限りでは耐寒・耐雪施工されているか否かはわかりませんが、JR東海が「主に高山線に転用」すると公式に表明しているあたり、相応の装備は備えているものと思われますね。
キハ75形の前面下部に装備されている排障器を眺める限りでは、その下に雪よけのためのスノープラウは付いていないように見えますが、冬季以外には取り外し可能なスノープラウを用意している可能性有りかな・・・定かではないけれども。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年11月23日 (火) 17時35分
ありがとうございます。
キハ75系は高山本線上麻生以北の豪雪地帯運用に対応のようとわかり、ありがとうございます。
高山本線と紀勢本線のキハ75系運用、楽しみです。
投稿: 長瀬国分線 | 2010年11月28日 (日) 23時12分
長瀬国分線さん、こんばんは。
いつもありがとうさんです。
キハ75形気動車の耐雪・耐寒設備の有無については、現時点ではあくまで推測の域を出ないのが現状です。
実際キハ25形が武豊線に入り始め〔但し電化されるまでの繋ぎとして〕、そして5年後に武豊線が電化され、それらに伴ってキハ75形が高山本線系統に転籍させられる際、その高山本線系統に於いて実際にどのような運用のされ方をするのか・・・それを見てみないことには、正直なところ、何とも言えないですね。
投稿: 南八尾電車区 | 2010年12月 1日 (水) 23時54分