【第28回「1万人の第九」出演記;5】「第九」でアクシデント発生、そして平原即興新曲に対する驚き──ゲネプロにて
ここのところ、去る12月5日(日)に大阪城ホールに於いて開催された「サントリー1万人の第九(10000人の第9)」第28回公演に合唱出演した時のことについて、本番前日〔12月4日(土)〕に行われた「総合リハーサル」も含めて、記してきています。
前回、第4回の記事では、本番当日の朝に大阪城ホールに門限ギリギリで入場し、座席最終チェック(空席埋め作業)などを済ませて休憩に入ったところまでを記しました。
昨年開催分(2009年…第27回公演)の座席最終チェックではアルト領域に於いて指示系統の不手際が見られましたが、今年は大したトラブルもなくスムースに進行、清原浩斗先生をステージ上に迎え入れての発声練習へとこぎ着けることが出来ました。
そして、発声練習が終わった後の休憩時間の間に、私も衣装替えを行いました───その場所として、アリーナ席領域やレストラン、サブホール(公演当日に於ける女声陣更衣室として使用)に接続する回廊内壁際に出来ている”隠れ場所”の一つを使いました。
本番用衣装(黒礼服上下に蝶ネクタイ)への着替えを終えた私は、荷物をまとめて、着替え場所となった”隠れ場所”を離れましたが、その後は飲料水の確保に走ったような・・・
何しろ自宅からペットボトル入りお茶を持ち出すのを忘れた上、大阪城ホールへの道中に自販機前に停めてお茶類を買う余裕が全く無く、ノンストップでホール入りしたことから、飲料水の確保をしておく必要がありました。
自販機の類はホール内に於いて一切無い模様で、店開きしていたホール内売店にて販売されていた500ml入りペットボトル入り緑茶を購入───1本180円也。
この値段に対しては、自宅で飲料水を用意するのを忘れたことに対するペナルティと考えていました。
飲料水の確保を済ませた私はトイレに立ち寄った上で自席へ。
いよいよ本番を目前にした最後のリハーサル、いわゆるゲネプロの始まりです。
順序は本番前日に行われた「総合リハーサル」と同じで、先に第2部を行い次いで第1部を行う、というものでしたが、「総合リハーサル」に於いては省略されていた、開演直後に演奏されるオープニング曲と、第1部ゲスト出演者・平原綾香による、「第九」第3楽章の旋律を基にした新曲も、お披露目となりました。
まず、先に行われた第2部のゲネプロ・・・
イヴェント全体の核となっているベートーヴェン「第九」は全4楽章を、一部箇所を除き、通しで演奏されました。
この「第九」ゲネプロに於いてアクシデント発生───終楽章(第4楽章)の595小節目、男声合唱のみによる出だしのところだったか、男声陣の中の少なからぬ人数分の声が1拍分前倒しで出てきてしまっているのが聞こえました。
ご存じのように、「Seid umschlungen, Millionen …」で始まるこの箇所に於いて、合唱(男声陣のみ)は2拍目から入ることになっているわけでありますが、オーケストラによる1拍分の前奏につられたのか、男声陣の中から「Seid」の歌声が1拍分早く出てしまっているのが聞こえてきました。
これには私も一瞬萎えてしまいそうになりました───と書くところなのですが、そんな私も、特に最後のクライマックス部分(「Prestissimo」指示箇所)とその前あたりで、高い音程に於ける声出し方で不安を抱えていましたから・・・
なお、このアクシデントが発生した595小節目を除いては、全般的に順調な仕上がりとなっていました。
そうそう、本番前日の「総合リハーサル」にて私たち合唱団に対してツッコミが入った、「第九」終楽章に於ける声楽導入箇所にさしかかる際の起立タイミングについても、全体として良くなってきている印象でした。
「第九」に続く『蛍の光』のゲネプロに於いて、初めて司会進行・小倉智昭によるエピローグ(エンディング・コメント?)が披露され、この中では、今から200年前に「第九」が作曲された、という旨のコメントも登場、更に小倉コメントと同時進行で、場内2つ設置された大型ビジョンには、レッスン中のスナップ(静止画)が次々と映し出されていくのが見えました。
この小倉コメントの中に登場した「第九」作曲のことを巡り、後日、ウィキペディアで「第九」の作曲時期などを確認してみた私でしたが、本格的に作曲に着手したのは1815年頃、そして初稿が完成しウィーンで初演されたのが1824年。
なぁんだ、ちょうど200年目にはなっていないじゃん───と心の中でツッコミを入れてみた私・・・
とはいえ、本格的な「第九」作曲着手時期から起算すれば、5年後(2015年)にはほぼちょうど200年目を迎えることになるわけで、あながちウソとは言い切れないところがありそうかな《「200年目」まであと少し…》。
第2部ゲネプロが終了したところで15分ほどの小休止に入り、ここで私は持参のパン類とゲネプロ前に買った緑茶ペットによる昼食を済ませました。
一旦席を離れ、ホール内レストラン出入口の先に見える階段のところに腰掛けての昼食───今回は本番前日のうちにスーパーマーケットの日替わり特売として売られていたミニロールなどを仕入れてみたものの、量的に多めで小休止の時間内に全部食べきれず、1品目封を切らず残した状態で自席へ(自爆)
尤も、その残した1品目についてはゲネプロが全て終わった後に食べてしまいましたが・・・ちょっと下ネタ的な話になってしまいました(笑)
小休止が終わり、続く第1部のゲネプロの初めのところで、「総合リハーサル」の際には省略されていたオープニング曲、坂本龍一作曲『THE JAPANESE SOCCER ANTHEM ~日本サッカーの歌~』が初めてお披露目されました。
合唱団員の一人として初めてこの楽曲を耳にした私自身、出だし部分の調(ハ長調)や音使いから、ふとロサンゼルス五輪(1984年)のファンファーレをイメージしてしまいました。
しかし曲の中程、イ短調ベースで書かれたところに入ると印象が一変し、戦いに赴く戦士たちをイメージさせてくれるところとなりました。
ステージ上では、サッカー日本代表をイメージさせる濃いめの青は勿論、オレンジ色など様々なカラーに彩られながら、淀工(淀川工科高等学校)吹奏楽部のメンバーらが力強く演奏している姿が見えました《佐渡プロデュースの青少年弦楽合奏団「スーパーキッズ・オーケストラ」のメンバーもステージに上がっていたのかなぁ・・・よく覚えていないし》。
このあとは第1部ゲスト出演者の平原をステージ上に迎えての、平原歌唱曲全4曲のゲネプロ。
このうちの3曲目に据えられた、先のオープニング曲と同じく「総合リハーサル」時には省略されていた「第九」第3楽章を下敷きとした新曲もこの日初めて我々の前でお披露目となりました。
この新曲で「第九」第3楽章のどの部分の旋律が使われるのか、私も密かに予想していました。
第3楽章中程で登場する、変ホ長調で奏でられる第1主題第2変奏の旋律あたりが使われるのではないか・・・
見事に外れました(爆)
下敷きとして使われたのは、第3楽章の前半に現れる、第1主題のテーマと第1変奏、そして第2主題2パターン(ニ長調とト長調)で使われている旋律だった模様。
そして付けられたタイトルが『Love Story』───これも想定外でした。
「第九」に於ける緩徐楽章である第3楽章については、これまで私自身、ある種の幸福に満ちた世界を描いたもの、という漠然としたとらえ方をしていたのですが、平原はここ第3楽章で使われている旋律に対して「愛のメロディ」という捉え方をしていたみたいで、正直ちょっとビックリでした。
まぁ言われてみれば、そのような捉え方もアリかな・・・
ある意味、新鮮な驚きでした───また一つ、勉強になったかな(笑)
この即興新曲『Love Story』を含む全4曲の演奏に加えて曲間に於けるコメント(インタビューなど)の入り方の確認も行われていましたが、「Love Story」を除く残り3曲については順調に仕上がっている印象でした。
トリを飾る『Joyful Joyful』の後半に於けるアドリブも私なりにちょっとは慣れてきたかな・・・まだまだだけれども。
司会進行・小倉による第1部のクロージング・コメントが入ったところで第1部ゲネプロが終了となり、これにて全てのゲネプロは終わりとなりました。
あとは本番を待つばかり───いよいよ聴衆を迎え入れることになるわけですが・・・
この続きは次回以降の記事にて!
<(_ _)> ありがとうございます。応援よろしくお願いします <(_ _)>
←ソーシャルブックマークです
←ランキング参加中。各1クリックご投票を!
【関連記事(「第28回1万人の第九」合唱出演記)】
【1】本番前日リハのため大阪城ホールに向かう途上で…
【2】総合リハーサル・・・第1部ゲスト&アンサンブル初披露
【3】「始め順調(?)、中'焦り&絶望感'」…いよいよ本番当日、会場へ
【4】座席最終チェック、発声練習、着替え──公演本番当日
【6】本番へ…”練習番号M”での「合唱団+聴衆」大合唱途絶える
【7終】「サッカー」→「平原」でノリノリ、「第九」はワイルドネスに
【関連記事(「第28回1万人の第九」レッスン受講記)】
【1】「大阪5」クラス開講。「第九」は330小節目迄
【2】”マーチ”に”M”に”Seid umschlungen,”。写真撮影
【3】”二重フーガ”と”R”。佐渡練告知も
【4】”練習番号S”箇所から曲の終わりまで
【5】”シャッフル”練習《総復習》。第1部合唱曲楽譜と座席券の交付
【6終】”おさらい会”形式で総復習。本番当日朝の時間割で変更有
【7(佐渡練)】「ワイルドネスに」そして「100%自分をぶつける」
【関連記事(「第27回1万人の第九」以前分関連)】
「大阪「サントリー1万人の第九」2009年(第27回)開催分の関連リンク集…2010年(第28回)開催分リンク集を兼ねる」
« 【第28回「1万人の第九」出演記;4】「座席最終チェック」(座席調整)そして発声練習、着替え・・・本番当日にて | トップページ | 2つの試乗会にエントリーしてみた──九州新幹線・鹿児島ルート全線開業を前に、JR西日本とJR九州。来年2月開催 »
この記事へのコメントは終了しました。
« 【第28回「1万人の第九」出演記;4】「座席最終チェック」(座席調整)そして発声練習、着替え・・・本番当日にて | トップページ | 2つの試乗会にエントリーしてみた──九州新幹線・鹿児島ルート全線開業を前に、JR西日本とJR九州。来年2月開催 »
コメント