札幌市交等「SAPICA」市電・路線バスにも拡大、そして「Suica」も…2013年度中。JR「Kitaca」陣営、逆転の危機?
北海道に於けるICカード型乗車券といえば、2008年10月25日に新規導入されたJR北海道の「Kitaca」に、その約3ヶ月後の2009年1月30日に札幌市営地下鉄に於いて新規導入された、札幌市と札幌市交通局そしてバス事業者3社(北海道中央バス、ジェイ・アール北海道バス、じょうてつ)で構成される札幌ICカード協議会による「SAPICA」を思い出すところですね。
このうち「Kitaca」については既にJR東日本の「Suica」との相互利用サービス提供が実施されていることは周知のとおり。
一方、現在は札幌市営地下鉄のみに於いて導入されている「SAPICA」については、今のところ、何処とも相互利用関係を結んでいません。
それどころか、「SAPICA」のシステム自体はというと、「Kitaca」と同じくソニーのFelicaを基にしたサイバネ規格を採り入れているものの、使われているコード類が独自のものとなっているため、そのままでは「kitaca」などのJR系ICカード型乗車券と相互にやり合うことが出来ないのだそうな《似たような例として、他に伊予鉄道等で導入されている「ICい~カード」などが存在〔「ICい~カード」の場合はFelicaを基にした独自規格(非サイバネ)にて運用〕》。
これについてウィキペディア解説は、「Kitaca」と同様に「Suica」との相互利用(又は片利用)を実現させようとするならば「Suica」の開発・導入元であるJR東日本にライセンス料を支払って暗号IDの割り当てを受ける必要がある、としていて、「SAPICA」導入元の札幌ICカード協議会加入社局に於いては、導入当初に於いて、それに堪えうるだけの財務状況にはなかったものと想像されるところ。
そうこうしているうちに「SAPICA」新規導入の約2ヶ月後にあたる2009年3月14日にはJR陣営の「Kitaca」が「Suica」との相互利用サービス提供を開始───その一方で、同じ北海道・札幌都市圏に於いて通用する「SAPICA」と「Kitaca」の間では、システム上の相違などから、今もなお相互利用が出来ぬまま推移しています。
そんな中、先日、まるで”下克上”を匂わせるかの如くのニュースが報じられてきました───いや「下克上」という言い方は用法として適当ではないのかも知れないが…
札幌ICカード協議会は現在札幌市営地下鉄のみに導入されている「SAPICA」について、2013年(平成25年)6月頃までに同協議会加盟社局が運営する札幌市営地下鉄以外の公共交通機関(札幌市電・バス事業者3社による路線バス)の全てにも導入範囲を広げることを表明、同時に同協議会加盟メンバーの一つである札幌市交通局とJR北海道、JR東日本の3者が、2013年度中を目処に、「SAPICA」導入エリアに於いてJR東日本「Suica」も追加導入することを明らかにしました。
具体的には、「SAPICA」導入エリア拡大に伴うシステム改修に合わせて「Suica」を追加導入する格好とするのだそうで、これにより拡大された「SAPICA」導入エリアにおいて「Suica」及びこれと相互利用サービスを展開している「Kitaca」や「PASMO」、「toica」、「ICOCA」等も利用出来るようになる、としています。
イメージ的には、岡山電気軌道などに導入されている「Hareca」の導入エリアにスルッとKANSAI協議会の「PiTaPa」も追加で導入・・・というのと同じ感じということになりそうですね《おかげで「たま電車」などが見られる岡山電気軌道の電車に「ICOCA」でも乗車可能》。
それにしても、ここのところ進捗してきている「Suica」を中心とする相互利用サービス網の拡大は、札幌市交通局そして札幌ICカード協議会にとって脅威に映ると共に魅力的にも感じていたのでは───そのあたり定かではありませんが、当初「Suica」ライセンス料の支払いに事欠くほどの財務状況にあったと想像されるだけに、今回「SAPICA」導入エリア拡大という大きな機会に便乗する格好になるとはいえ、かなりの決断だったように想像されるところですね。
一方「SAPICA」の「Kitaca」との相互利用サービス提供に関しては協議を継続するとしていますが、これについてJR北海道は「JR各社や主要私鉄との13年春からのICカード統合に向けた調整が先決」との認識を示しています。
JR各社や主要私鉄との13年春からのICカード統合に向けた調整───昨年(2010年)12月20日付けでICカード型乗車券を発行しているJR旅客5社と大手私鉄、公営交通の各社局が共同で表明した、全国の主要ICカード型乗車券10種による相互利用サービス構想実現に向けての協議のことを指すわけでありますが、この全国主要ICカード型乗車券10種相互利用サービス提供構想の実現目標時期とされている「2013年春」は、「SAPICA」導入エリア拡大時期とほぼ重なると共に、拡大された「SAPICA」導入エリアに対する「Suica」追加導入時期とも似たり寄ったりとなっていますね。
ここで、ふと思ったことなのですが、仮に予定通りに2013年度中に「SAPICA」の札幌市電などへの導入エリア拡大と共に「Suica」追加導入が完了となってサービスインを果たしたとして、その時点で「Kitaca」を導入しているJR線側に於いて前記の全国主要ICカード型乗車券10種による相互利用サービス構想が実現していないか頓挫してしまったということになれば、使用出来るICカード型乗車券の種類に於いて「SAPICA」陣営(札幌都市圏公営交通等)が「Kitaca」陣営(札幌都市圏JR線)を上回るという逆転現象が起きてしまいます。
初めのところで”下克上”と記した所以が、ここにあります。
この逆転現象に於いては、既にJR線札幌都市圏区間に於いて導入されている「Kitaca」とその相互利用相手である「Suica」については、今度の「SAPICA」エリア拡大に関しては純粋に導入(利用可能)エリアの増加につながるわけであり、当該ユーザにとっては選択肢も広がって利便性向上につながることが期待されますが、その一方で新たに北海道内で使用出来るようになる”「Suica」の相互利用相手であるICカード型乗車券”、中でも「Suica」と同じJR系列に属する「toica」・「ICOCA」・「SUGOCA」の3種類に関してはJRのICカード型乗車券を持っていながらJR線を利用出来ないというジレンマを抱えることになりかねません。
その意味で、実現目標時期を「SAPICA」陣営に於ける導入エリア拡大と「Suica」追加導入の予定時期とほぼ同じくしている全国主要ICカード型乗車券10種による相互利用サービス構想が果たして本当に実現するのか否か、大いに注目されるところといえそうですね。
厳しい寒さが続く中、ICカード型乗車券の世界はにわかにホットとなっている様子ですね。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『SAPICAエリアにおけるKitacaおよびSuicaの利用サービスの開始について』
『ICカード乗車券SAPICAのバス・市電への導入について』
『札幌市営地下鉄にSuicaサービス導入』
『地下鉄とバス、キタカで乗れます 13年度以降』
『IC乗車券:キタカで札幌地下鉄に JRと市、13年度から /北海道』
『キタカとスイカ、札幌の地下鉄・バスも利用OK 』
『札幌の地下鉄・バスに「キタカ」 13年度導入で合意』
『JR北海道 鉄道運輸収入1・6%減 高速無料化など響く』
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