旧・水了軒の「八角弁当」他約20品目、復活販売へ・・・デリカスイト、2月15日から。当面は阪神地区向け予約販売のみ
かつては大阪駅構内や新大阪駅構内に長らく店を構え、私自身も、何も買うことなく大阪駅構内を幾度と無く歩いているうちに〔ォィ〕、そこに存在するのが当たり前と思えるぐらいにその名前が頭の中に焼き付いている駅弁屋「水了軒」。
駅弁を専門に取り扱う外部有名サイトによって工場内の様子がとりあげられ、そこで様々な取り組みを紹介して胸を張っていたかつての駅弁界の名門は、しかし残念なことに、昨年(2010年)4月21日に破産手続開始決定。
競合するコンビニ弁当などに圧されて収益が悪化していたところに、当時既に進行中だった大阪駅の大改修(大阪駅開発プロジェクト)を巡り、新装オープン(「大阪ステーションシティ」として5月4日開業予定)後に於ける大阪駅構内に入居するのに必要なテナント料を捻出出来ず追い込まれ、自己破産に至ったのでは、等と当ブログに於いて詮索などしていたものでしたが・・・
その後、破産手続開始から約3ヶ月後の昨年7月16日に岐阜県大垣市に本拠を置く弁当類製造販売業デリカスイトが旧・水了軒の関連商標と旧本社工場の設備を約6億円で買い取り、事業を引き継くこととなりました。
それから更に約7ヶ月経った今月・・・
今は亡き旧・水了軒に於いて取り扱っていた駅弁たちの販売再開に向けて準備を進めてきたデリカスイトが、ついに最初の成果を上げようとしていることが幾つかのメディアによる報道から明らかになりました。
そのデリカスイト、去る2月2日付で、旧・水了軒の取扱駅弁約20品目の復刻販売を2月15日(火)から始める、と表明したのです。
最終的には、かつて旧・水了軒自身が行っていたように、駅構内等で販売することを目指している様子なのですが、現時点では駅や百貨店などとの交渉が続いている状態だそうで、当面は電話或いはファックスによる予約販売に限定する、としています。
今回製造販売されるのは、かつて旧・水了軒で取り扱っていた駅弁のうち・・・
◎ 八角弁当(はちかくべんとう) ◎ 大和(やまと) 《老舗の精神を大切にしたワンランク上のお弁当》 ◎ 難波(なんば) 《様々な用途に通年ご利用いただける和風弁当》 ◎ 大坂(おおさか) 《大阪を代表する粉もんと串カツの入った弁当》 ◎ 源八(げんぱち) 《おかずをバランスよく詰め込んだ幕の内弁当》 |
を初めとする約20品目───デリカスイト発出のリリース文書に記載されているのは上記5品目にとどまっていますが、これらのほか旧・水了軒では、事業停止に至るまでの数年間、「汽車弁当」、「味遊楽」、「二重折詰」、「大阪寿し」も主力的存在と目されていた様子で、これら主力4品目も販売されるのかどうか、ちょっと気になります《リリース文書では”別紙カタログ”を用意していると案内しているものの、ネット上にアップ無し》。
それはさておき、上記列挙の5品目のうち、旧・水了軒の看板商品的存在だった「八角弁当」について、旧・水了軒から移籍した社員たちが、販売当時のパッケージをほぼそのまま引き継ぎつつ、生の食材にこだわり、昔ながらのレシピにより高野豆腐の煮物などを再現、販売が好調だった約10年前の味を取り戻すことに成功したといいます。
また、破産直前には冷凍食品を使って調理していたそうですが、今度の復刻に際してはそれを一切排除したのだとか。
そして販売価格も旧・水了軒が存命していた時と同じ「1,100円」に設定───人気を博していた「八角弁当」がここに復刻を果たしたというわけですね。
尤も、今度復刻された「八角弁当」では白色の小カップに入れられた煮付け1品も盛りつけられているみたいですが、これについては他の復元され盛りつけられたオカズ類とは別枠のように扱われている模様───もしかすると煮付けだけ当時のレシピが見当たらなかったのだろうか・・・定かではないけれども。
先にも記していますように、当面は予約販売のみとし、対象地域も「阪神地区」と限定されています。
予約注文は、かつての旧・水了軒本社工場に設けられた「水了軒厨房」(デリカスイト大阪工場?)に於いて用意されている専用予約番号(電話&Fax)により受け付けるほか、各旅行代理店窓口に於いても受け付けるのだとか。
そして、大阪・豊中・吹田の各市と兵庫県尼崎市については1万円以上の注文から、左記以外の阪神地区エリアについては2万円以上の注文から、それぞれ配達に応じるとしていますが、個人であっても、事前に予約を入れた上でデリカスイト「水了軒厨房」に直接取りに行くことで、1個からでも販売に応じてくれるのだそうです。
あと、予約家付け窓口として公式に表明されている「各旅行代理店窓口」について、これについてはリリース文書から「阪神地区に所在する旅行代理店店頭でも予約を受け付ける」と解釈出来るところなのですが、現時点ではリリース文書以外に外部で流布されている情報が一つも見当たらず、正直ちょっと不安に感じるところがあります───あ、何もリリース文書自体を否定するつもりは毛頭ありませんよ(汗)
何はともあれ、旧・水了軒の事業を引き継いだデリカスイトの最初の成果が試される時が間近に迫っています。
今後、昔みたいに駅構内に売店を構えて販売されることになるのか・・・彼らの取り組みを静かに眺めていようと思います。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『姿消した老舗の駅弁、復活へ 大阪のファンは見捨てず』
《→『水了軒の八角弁当、宅配から復活へ 10年前の味で』》
『水了軒の製法で「八角弁当」復活…15日から』
『水了軒の「八角弁当」、15日から復活』
《→『水了軒の「八角弁当」、15日から復活』》
『「八角弁当」を復刻 デリカスイト、15日から販売』
『「八角弁当」を復刻販売 15日から予約受け付け』
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【関連記事〔駅弁販売業者「水了軒」(4月21日自己破産)の事〕】
「「水了軒」事業停止、破産手続きへ…4月20日。1888年(明治21年)創業の老舗駅弁屋、大阪駅大改築最中の終焉」
「駅弁「八角弁当」等の復活に道筋・・・岐阜の総菜店チェーン「デリカスイト」、水了軒保有の商標・工場施設一切を買取」
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夜中に働いていらっしゃる方々は申し訳ないですが、夜中に椎茸の煮物やタマネギやニンニク、天ぷら油の臭いが風向きに寄って、部屋に入ってきます。工場側として臭害対策をしてもらいたいです。改善されないようでしたら、近隣の方々、マンション組合から訴訟も検討いたします。
よろしくお願いいたします。
投稿: | 2011年8月 9日 (火) 00時43分
「2011/08/09=0:43」付けでコメントされた名無しさま、こんばんは。
こちらからのレスが遅くなりまして申し訳ないです。
工場(デリカスイトの工場?)の近くにお住まいのご様子ですね。
既に何らかの手を打たれているのであれば申し訳ないのですが、まずは市役所(というか地方自治体)の環境保全課あたりにお問い合わせされてみては如何でしょうか。
どのように臭気が漂ってくるのか、そしてその臭気の程度などを事細かに自治体側に伝えて調査して貰い、その上で第三者を交えての工場側との問題解決に向けての話し合いを持たれたほうがよろしいかと思います。
以下のWebサイトが詳しいです《ご参照下さい》。
『においでお困りの方』(「公益社団法人 におい・かおり環境協会」公式Webサイトより)
→「http://www.orea.or.jp/about/troubled.html」
お役に立てず、どうもすみません。
投稿: 南八尾電車区 | 2011年8月22日 (月) 20時04分