合唱幻想曲『友よ、大阪の夜明けを見よう』に首ったけ(?)な私…山本直純作曲。「1万人の第九」第2回公演にて初演
この『友よ、大阪の夜明けを見よう』という楽曲、1984年開催の「サントリーオールド 1万人の『第九』コンサート」第2回公演に於いて初演されたものでありますが、当該公演の準備段階に於いて主催者・毎日放送(MBS)の内部から「大阪の歌を創ろう」と声が挙がってきていたところから誕生したものであると伝えられてきています。
最近でも、一昨年(2009年)に大阪市内で、そして昨年(2010年)に東大阪市内で、それぞれこの合唱作品がとり上げられていた模様であり、中でも昨年の12月26日に東大阪市内で開催された地元合唱団主催による「第九」演奏会の中でこの作品がとり上げられた際には、作詞者の藤本も公演会場内にて、他の聴衆と混じる中で、演奏に立ち会っていた模様です《ちなみにこの時には「ピアノ+(祭り太鼓+鳴り物)」という伴奏形態の下で演奏されたことが伝わってきています(「1万人の第九」合唱指導者団の一員に加わっている木村俊明氏が指揮していたそうです)》。
さて、現在、私が繰り返し耳にしているのは、関西国際空港が新規開港した年・1994年に開催された「サントリー1万人の〔第九〕コンサート」第12回公演の第1部の最後に於いて、公演指揮者にしてこの作品の作曲者でもある山本自身が関西フィルハーモニー管弦楽団とその背後に控える大阪フィルハーモニー合唱団と「1万人の第九特別合唱団」を指揮して演奏したものであり、当時公演会場にて予約を済ませて後日に代金引換にて配達され手にしたビデオソフトに収録されているもの───ちなみに私も、当時の合唱団の一員として、青色基調の表紙をした楽譜を手にして、合唱参加していました。
今回、ウィキペディア解説「サントリー1万人の第九」の改訂に際しての資料として使うことも兼ねて、改めて聴いてみたいと思い立ち、当時購入したビデオソフトを丸ごと、ビデオレコーダなどを経由して、PCにビデオデータとして取り込んだものの中から繰り返し耳にしてきています。
久しぶりに耳にしたものだから、初めのうちは特に混声合唱部分に於いてなかなかリズムについていくことが出来ず、頭の中が混乱してしまっていましたが、徐々に合唱参加当時耳にしたメロディとリズムを思い出してくると、その蘇ってきた記憶を基に繰り返し聴いていくうち、次第にリズムについていけるようになりました。
「大阪、大阪、大阪、大阪~」、「天満、天神、天王寺~」、「芦原(?)に愛を~」・・・
繰り返し聴いているうち、何だか大阪という坩堝にはまりこむような気がする(爆)
一方で、自分自身はまかりなりにも関西の人間であり大阪に住む人間なんだ、と心の中で誇りを抱いてみたりもしていました───先日、首都圏に於ける鉄的話題を目の当たりにした後にこの楽曲を耳にした時には、余計に「大阪の人間」であることを自ら意識していました(爆)
で、『友よ、大阪の夜明けを見よう』という楽曲自体、前奏曲(Prelude)から始まり、次いで「夜明け」・「春の光は(間奏曲)」・「祭」の順番で構成されているわけでありますが〔→『山本直純の合唱曲楽譜(音楽之友社)』〕、前奏曲とそれに続く「夜明け」は、構造的に、実質一続きになっているような印象を抱きます。
楽曲全体の流れとしては、地球全体から日本列島そして大阪に次第にフォーカスを定めるかのような歌詞の書き方と音楽の構築方で始まり、「春の光は」あたりでは穏やかな感じでゆったりと進み、「祭」に入ったあたりからは大阪コテコテな歌詞が現れ、それを反映するかのようにメロディも大阪の薫りを漂わせるような書き方になっているものの、最後には「友よ」・「あいうえ大阪」などと連呼しながら急に開けるような感じで曲を閉じる格好になっています。
それにしても、作詞した藤本こそ地元・関西(大阪府堺市)出身であるものの、作曲した山本は東京(五反田→現在の東京都品川区内)生まれの音楽家なので、そのあたりで正直ギャップを感じなくもないところなのですが───あ、なにも東京出身だから否定しているのでは決して無いですよ(冷汗)
関西人・藤本が創った歌詞と、山本が創った音楽は見事なまでに溶け合っているように感じています《当たり前、といわれればそれまでなんでしょうけれどもね…》。
何はともあれ、大阪の魅力をギュッと詰め込んだ一品(というか一作品)ということが出来るでしょう、「1万人の第九」から世に送り出されたこの合唱作品は。
改めて大阪のことを想うと同時に、在りし日の山本を偲んでみようと思っています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『今日の風景(東大阪第九シンフォニーの調べ 大阪府)』
『東大阪第九シンフォニー合唱団のコンサート』
『第九を聴きに行く。』
『今年もコンサートの〆は『第九』で・・・』
『中之島国際音楽祭2009(パンフレット)』
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