287系特急形電車、北近畿エリアに登場・・・3月12日、「こうのとり」等向け。9日前に第4陣出場《381系も期間限定で》
東日本地域の大地震───テレビに映し出される映像を目の当たりにするにつれ、これは16年前(1995年)に襲来した阪神・淡路大震災を上回る惨状であるように、私の頭の中でも少しずつ理解出来つつあるところです。
改めて、被災された方々には、心からお見舞い申し上げます。
今回は地震とは関係ない話題となってしまいますが〔次回あたりも地震と無関係の話題を持ち出すかも…〕───去る3月12日に施行された今年のJRグループ定例ダイヤ改正に纏わる話です。
前回、今年のJRダイヤ改正に伴って九州新幹線・鹿児島ルート(博多~鹿児島中央)が全線開通したことを長々と書きました。
昨年(2010年)12月4日の東北新幹線・新青森延伸(全線開業)と同様、まさに歴史的な出来事でした《先の東日本大地震では、広範囲にわたって橋脚が破損するなどの被害に遭い、那須塩原以北の区間に於いて復旧の目処全く立たず等と報じられてきています》。
その、鹿児島ルート全線開業と共に、今年のJRダイヤ改正に於いて誕生したものが関西圏内にもあります。
当ブログでもちょくちょく触れてきていますが、JR西日本の北近畿エリア内電化区間〔福知山線(”JR宝塚線”区間含む)、山陰本線(”嵯峨野線”区間含む)等〕に於ける「こうのとり」や「きのさき」等の電車特急向けに、北陸本線向けの683系特急形電車をベースに開発された287系直流特急形電車です。
今度のダイヤ改正で新規投入となったわけでありますが、前記の鹿児島ルート全線開業の時と同様、この287系電車もまた、東北地方大地震の影響を考慮し、予定されていた出発式の類は一切取り止めとなった中での静かな門出となりました。
『YouTube』には、早速、営業運用に入ったばかりの287系を捉えた映像が続々と寄せられてきているのが見えます。
その中の幾つかを視聴───昨年12月にデビューし今回施行されたJRダイヤ改正で本格運用に入った225系近郊形電車と同様のVVVF加速音を発しながら軽やかに滑り出す姿、改正前からほぼ独占的に運用されてきた183系(485系崩れ)が踏み続けてきたレールの上を少し甲高い感じの継ぎ目音を発しながら走り抜ける姿・・・
「サンライズエクスプレス」こと285系寝台電車の前面形状を少しスマートにしたような顔つきで、車体側面下部は勿論のこと、上部も若干絞り込んでいるような印象を受ける造りは、これまでの183系を見慣れてきた身にとっては新鮮味を覚えるところですし、既に223系5500番台を順次投入するなどして世代交代を推し進めてきている普通列車と共に、北近畿エリアを走る電車特急に於いてもようやく世代交代の波が押し寄せてきているような感じもするところです。
また「北近畿」改め「こうのとり」が運転されている福知山線に於いては、287系と従前からの183系に混じって、日根野電車区に配置され改正前まで「はんわライナー」や「やまとじライナー」でお勤めしていたであろう381系振り子式特急形電車・旧国鉄色編成も、今回施行されたJRダイヤ改正を受けて、運用に入っています《どうやら日根野からの貸出という格好になっている模様》。
こちらは6月末までの期間限定運用となっていますが〔その後は287系にバトンタッチ〕、それでも381系に関しては、旧国鉄時代の末期にあたる1986年の福知山線全線電化完成を受けて当初「北近畿」向けにも投入される予定だったところ当時の国鉄自体の財政難が災いして投入が見送られたという経緯があるだけに、全線電化完成から実に25年の歳月を経てようやく当初予定通りに福知山線で走ることが出来るようになったわけであり、先が見えているという現実と交錯してちょっと複雑な心境にはなっているかな・・・
とはいえ、183系の走る姿と比べれば、天井部にパンタグラフ以外の機器類をほぼ全て取っ払い、且つ車体側面の絞りもきつめに作られている分、スマートに見えるところはありますね。
ここで、ちょっと毒吐きになってしまいますが、287系のデビューを報じる某地方紙の記事に掲載された写真画像のうち、「従来の『183系』の車両も…」との解説文が付けられている写真画像に写っている車両について、行先表示窓の位置や車体側面に於ける窓配置、それに窓から見える座席の形から考えて、「183系」ではなく「381系」のように思えますけど・・・
まぁ、どうでもいいことでしょうけれどもね。
ところで287系といえば、その出場状況について、当ブログでも先月(2月)23日に第3陣7両(3両編成と4両編成の各1ユニット)が出場したことを喋りましたが、今月に入ってからも、デビュー9日前にあたる去る3月3日に、第4陣として同じく3両編成と4両編成の各1ユニット計7両が近畿車輛から出場したとの情報が既にネット上に流布されてきています《→『287系7両が近畿車輌から出場』・『【JR西】287系公式試運転』》。
第4陣として出場したのは、新大阪(京都)方から順に・・・
「クモハ287-7」=「モハ286-103」=「クモハ286-3」= 「クモハ287-6」=「モハ286-4」=「モハ287-104」= 「クモロハ286-4」 |
の7両とみられ、先に出陣した第3陣までの計18両と同様、城東貨物線・北線(鴫野~吹田)を通って吹田に抜けた後、湖西線・永原とを往復するという公式試運転に入っていました。
この第4陣の出場により累計で25両が落成・出場したことになり、残る21両については6月末までに7両(3両+4両)ずつ3回にわたって順次出場させることにしている模様。
当初287系の投入が発表された時点では川崎重工業兵庫工場でも製造されるとの一部報道もありましたが、これまで4度にわたる落成・出場は全て近車からとなっています。
残る21両についても近車のみで製造されるのかどうかについて、現段階では何とも言えないところなのですが、ネット上では、現在521系交直流近郊形電車の製造に追われている川重がその後に287系を製造するのでは、との声も聞こえてきています《→『287系は川崎重工でも作られているんですか?』》。
実はその川重に於いて去る3月7日に521系2両編成2ユニット計4両が落成・出場しており、これで昨年12月にJR西日本が公式に表明した追加投入分40両全てが出揃った形になっているとみられることから、今後は残る21両のうちの一部について川重が製造する可能性も考えられるところ。
引き続き注視していようと思います。
何はともあれ、北近畿エリア内電化区間に於ける電車特急に於いても、ようやく世代交代の始まりを告げるものとなったであろう今回の287系特急形電車の運用開始。
既に新型特急形ディーゼルカー「キハ189系」に置き換えられた特急「はまかぜ」、そして普通列車向け223系5500番台などと共に、北近畿エリアの鉄路は新たな時代へと入ることでしょう。
期待しています。
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