阪急6354F編成、「京とれいん」としてリニューアル、そして報道公開・・・3月19日から嵐山へ、そして5月から河原町へ
去る1月上旬に当ブログに於いて、アコモ改造(リニューアル施工)のため、阪急正雀工場敷地内に位置するアルナ車両の工場に入場しているとの情報が流布されている・・・と紹介しました、阪急6300系車両の6354F編成。
その6354F編成が、6両編成とされた状態で、去る2月18日に京都本線「正雀~桂」間で出場試運転を実施、そして更に一昨日(3月7日)には正雀駅の北東に位置する正雀車庫に於いて報道関係者向けに公開されました。
なお2月中に行われた出場試運転の際には、全ての窓が鎧戸(ブラインド)で閉じられると共に乗降口扉の窓全面にも紙による目隠しが施され、車内の様子を包み隠していた模様《車体へのラッピングも為されていなかった様子》。
さて、一昨日に報道公開された、6両編成の「京とれいん」と名付けられた6354F編成───車体には「京とれいん」ロゴと共に京扇子などをあしらったラッピングが施され、また車体側面中央下部に表示されている車番の真上に社章が配されているのが目につくところ。
車番の上に社章・・・というスタイルは、6300系車両デビュー当時を思わせるものがありますね。
で、車内に視線を移してみると、現役時代には内壁に張り巡らされていた阪急オリジナルの木目調模様から、乗降口扉の部分は竹模様に、その他の部分についてはライトグレー基調の波模様に改められているのが見えました《阪急としては異例》。
そして、6両編成全体を2両ずつ3つにブロック分けして異なる改造が施されていました───正確には2パターンの改造となっている様子かな。
その中でも、中程の2両が最も手を加えられている模様であり、座席といい、乗降口と客室部の境目に設置された飾り付けといい、何だか京都の町屋をイメージして徹底的に造り込まれているような印象を受けました《阪急からの公式リリースにも「京町屋をイメージした」旨のことが書かれていますが…》。
ことに座席に関しては、阪急としては恐らく初めてのことになるであろう、4人がけと2人がけのボックスシートとされているほか、背もたれの一部には畳が採り入れられ、手すりなどに木材が使用されるなどのこだわりよう《背もたれの上部に取り付けられている曲線状の仕切(模様入りガラス?)は障子をイメージしたものだそうな…》。
また天井の照明も電球色の蛍光灯を採用しているみたいで何処か温もりのようなものを感じ、土間をイメージしたという床と合わせて、1両全体を町屋に見立てて造り込まれているかのような印象───座席配置から、2人連れとか3~4人のグループに向きそうな感じですね。
一方、両端の2両ずつ・計4両については、「京唐紙」をモチーフにした座席デザインに変更、とされていますが、どうやら従前からの6300系車両に入っている転換クロスシートの座席モケットを「京唐紙」模様に張り替えただけ(頭当てカバーの形状も変更)というような印象で、座席以外では床と内壁部を中程2両とほぼ同じ感じの模様の入ったものに張り替えられたのみ。
眺めているうち、何だか手を抜いているような印象を禁じ得ないところはありますが、反面、現役時代からの転換クロスシートを、モケットを張り替えた上で、引き継いでいる格好になっていることから、1人からでも気軽に座れるような感じではありますね。
先に”手を抜いている”と書きましたが、それでも「京唐紙」を手本としたモケットに張り替えたり、竹模様や波模様の内壁に張り替えたりすることで京都の雰囲気をそれなりに醸し出しているように感じるところであり、変な話、必要最低眼の費用でそれを実現させているようにも思えるところです。
あと、現役時代には見られた、先頭車両の運転台(乗務員室)すぐ後ろの2人がけミニロングシート(6300系車両に於いては希少なロングシート)は、「京とれいん」としてリニューアルされた後も「京唐紙」モケットに張り替えられる等して残されているのだろうか───つり革が存置されているあたり、残されている可能性が高いですね《尤も本当のところは、該当する写真画像が見当たらないため定かではありませんが…》。
それと、これは6両全てにいえることですが、観光用車両としての性格を前面に押し出すためでしょうか、通常は天井に取り付けられる車内吊り広告挟み具や、妻面内壁部に装着される広告差しが一切取り払われているのも特色といえるでしょう。
”観光用車両としての性格を前面に押し出すため”といえば、4カ国語による案内放送の実施や、車内に於ける京都ガイドマップ4カ国語分の配布も挙げられているところなのですが、案内放送の中には発車後や停車直前に於ける通常の停車駅案内放送も含まれるのだろうか・・・
その一方で、空調設備に関しては現役時代のものをそのまま継続使用しているみたいで、車体外観や車内設備以外のところではさほど手が入れられていない様子《中程の2両を除く4両については荷物棚や日よけの鎧戸(ブラインド)もそのままにされている様子(見た感じで)…》。
ということは、走行機器などの電装部品類の検査(というかメンテナンス)の類とかはされていなかった、ということなのだろうか───本当のところはわからないけど《まぁ全くしていないということは無いでしょうけれどもね》。
阪急からの公式発表によると、今回報道公開されました「京とれいん」は、まず3月19日から5月8日までの土休日に運転される「梅田~嵐山」間臨時快速特急3往復のうちの1往復に充当される格好でデビューすることになっており、その後は、5月14日に施行される京都本線の土休日ダイヤに限定したダイヤ改正により、新たに設定される「梅田~河原町」間快速特急に充当されることになっています。
またネット上では、今回「京とれいん」として報道公開された6354F編成のほか、6300系車両最初の編成ともいわれ、昨年1月8日を以て京都本線定期特急運用から引退した後も春・秋の行楽シーズンに臨時設定された嵐山線直通快速特急に6両に減車された上で運用されていた6350F編成についてもリニューアル施工を受けているとの話も聞かれるところなのですが、現時点ではこれ以上のことは何も判明していません。
この「京とれいん」が嵐山や京都中心部を訪れる観光客に支持される存在に成長出来るのか否か───まずはデビューとなるその時を待ちたいと思います。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『阪急が観光列車「京とれいん」を3月導入』
『阪急6300系6354編成が試運転』
『阪急6300系が6連で臨時快速特急に』
『阪急 嵐山への直通臨時列車を運転』
『阪急「京とれいん」 コンセプトは「和・モダン」』
『阪急 新型電車「京とれいん」公開 乗車券だけでOK』
『和風列車「京とれいん」を運行 阪急京都線に3月から』
『阪急京都線に「京とれいん」 - 京町家・京唐紙をデザインした特別仕様列車』
『9003F』
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【関連記事(阪急「京とれいん」&20110514ダイヤ改正)】
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