三陸鉄道、三陸海岸で真っ先に運転再開…16日以降、まず「久慈~陸中野田」間。JRは18日夕の「八戸~鮫」間から
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災…)、そしてそれに伴う大津波の襲来を受けた地域の復興───各種ライフラインと共に、鉄道に於いても徐々に進捗してきている様子ですね。
そしてその鉄道復興の波は、未曾有の大津波の襲来を受けた三陸海岸沿いの地域を走る「三陸縦貫線」と、それに向けてほぼ垂直に伸びる鉄道線区にまで波及・・・
その「三陸縦貫線」と総称される幾つかの鉄道線区とその周辺線区の中で、真っ先に復旧に漕ぎ着けたのは、なんと第3セクター鉄道・三陸鉄道の「北リアス線」でした。
その「北リアス線」全区間(宮古~久慈)71.0kmのうち、まず地震発生5日後の16日に「久慈~陸中野田」間で、その4日後の20日には「宮古~田老」間で、それぞれ運転再開。
地震に加えて大津波の襲来をも受けた太平洋沿岸地域の中にあって、JRに先駆けて、一部区間ながらも、運転再開させたことに正直驚きを禁じ得ませんでした。
こうした光景を目の当たりにした時、ふと、約16年前(1995年1月17日)に神戸市内を中心に襲来した阪神・淡路大震災に於ける、神戸市内への鉄道路線復旧第1号となった阪神本線「甲子園~青木」間運転再開〔同年1月26日←甲子園以東区間は地震発生翌日(同年1月18日)から運転再開〕、そして阪急神戸本線「御影~王子公園」間運転再開(同年2月13日)の時のことを思い出しました。
当時被災した阪神間鉄道線区が全て復旧してから暫く経過した後に放映されたテレビ特別番組の中で、阪急「御影~王子公園」間運転再開の時のことを「阪神間の人たちにとって勇気づけられる開通となりました」というふうに紹介されていたことを今でも覚えています。
あ、同じテレビ番組に於いて、阪神本線・青木まで運転再開した時のことについては「神戸市内に待望の電車が入ってきました」などと紹介されていたのを覚えています───これにしても、当時の神戸市民にとっては励みになったことでしょう。
以上のことから考えてみた時、大津波の襲来を受けた太平洋岸を走る鉄道路線にあっての、いち早い三陸鉄道・北リアス線の一部区間運転再開に地元被災民たちは勇気づけられれたように想像されるところです。
それにしても、厳しい経営状態が続いてきているところに襲来した今回の大地震に大津波、そして追い打ちをかけるかの如きの、2008年以来の原油価格高騰(1バレルあたりの価格で100ドル台突破)に苛まれているはずの三陸鉄道・・・
いや、これは三鉄に限ったことではありませんが、原油価格云々を語る以前に、燃料(石油類)自体が被災地全体に満足に行き渡っていない現状もありましたね(焦)
そんな状況の中にあって、震災による逼迫した燃料事情のため運行本数を絞りながらも、”復興支援列車”と銘打って今月いっぱい無料としているあたり〔初めは3月22日までの期間限定としていたみたいだが…〕、三鉄の復旧に向けての並々ならぬ意気込みのようなものを感じました《来月以降も「割引運賃」にて運行を続けるとの由…》。
三鉄自身もまた地震と大津波襲来により壊滅的被害を被っているにもかかわらず〔特に南リアス線〕、地元被災民のため身を削るような行動に出るという彼の立ち振る舞いには、私も頭が上がらないです。
で、今日(3月29日)からは宮古側区間の「田老~小本」間も運転再開となりました《昨日(3月28日)のうちに試運転を実施》。
またJR線も去る18日夕刻から八戸線「八戸~鮫」間で、26日夜からは山田線の「上米内~宮古」間で〔「盛岡~上米内」間は既に再開済〕、そして昨日(3月28日)からは釜石線「花巻~遠野」間と仙石線「あおば通~小鶴新田」間で、それぞれ運転を再開。
更には盛岡と宮古を主に国道106号線を介して結ぶ岩手県北バスの路線バス「106急行バス」も、三陸鉄道「久慈~陸中野田」間運転再開日と同じ16日から運行を再開させています。
三陸海岸に向けて伸びる鉄道線区に於いても徐々に復旧してきているあたり、復興に向けて一歩一歩確実に歩んでいることを印象づけてくれています。
その一方で、大津波の襲来により壊滅的被害を被った地域や、加えて福島原発爆発事故による放射能汚染に対する懸念のため近づけない地域(避難指示・屋内待避指示地域)にかかる線区に於いては、未だ復旧の目処が立たないか、それ以前に被害状況の把握すら出来ないところも存在するなど、復興に至る道のりはまだまだ険しいのも実情。
1日でも早く復興への糸口が掴めるようになることを祈るのみです。
今後とも見つめ続けます。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『岩手沿岸の鉄道が一部運転再開 無料で』
《→『三陸鉄道走った 12・7キロ再開/ルポ』》
『三陸鉄道が部分運行 宮古―田老 買い出し客らが乗車』
『宮古-小本、29日にも再開 三鉄、3往復予定』
《→『3/29 三陸鉄道運行状況』(←IAT報道記事)》
《→『宮古駅〜田老駅〜小本駅が復旧:三陸鉄道:北リアス線』》
『106急行運行再開 盛岡地域の公共交通、徐々に復活』
『震災・忘れないでください。』
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