経費増の影響、早速現る──「サントリー1万人の第九」第29回公演募集要項。合唱参加料値上げ、そして日当ダウン
前回、前々回と、「サントリー1万人の第九(10000人の第9)」今冬開催分(2011年→第29回公演)に係るレッスンクラスのことについて記してきました。
今年は梅田東学習ルーム体育館(特別研修室)が去る3月30日を以て閉館したことなどにより、大阪市内設置クラスを中心に使用施設変更などの異動が発生しているのが見えました。
そして当ブログでネットを通じて調べてみたところ、この一連の異動で主催者・毎日放送(MBS)サイドに於いては、昨年開催分と比べて、大幅な経費増となっている可能性が高いことがわかってきました。
このことが今後公演本番に至る半年余りの間にどのような形で跳ね返ってくるのか、私自身、ある種の懸念を抱いていたものです。
そんな中、前回掲載記事を書いている途上に於いて、私の許に知り合いの「第九」合唱仲間から便りが届きました。
同封されていたのは、セピア調の表紙を伴ったA4サイズ全6ページにわたる3つ折りの「1万人の第九」合唱団員募集チラシ《多謝!》。
ページ数、チラシのつくり自体は昨年開催分と同様に豪華なものです(笑)
どの程度刷っているかにもよりますが、このチラシの印刷代も結構費やしていそうな予感・・・
それはさておき、チラシの中身を開いてみました───ネット上ではまだ公開されていない合唱団員募集要項などがしっかり掲載されているのが見えました。
そこで、2つの点に於いて前記の大幅な経費増の影響が早速現れてきているのが見えました。
一つは合唱参加に際して課金される「参加料」───今年は以下に示す金額となっていました。
◎ 大人 … 9,000円《+3,000円》 ◎ 小・中学生 … 4,000円《+1,000円》 |
【備考】 上記参加料にはレッスン料も含む 《》内は昨年開催分(2010年→第28回公演)からの変動幅 |
ご覧の通り、両区分とも値上げされています───「大人」参加料の改定は2007年開催の第25回公演以来4年ぶり、「小・中学生」参加料の改定は現行の参加料体系が導入された第22回公演(2004年)以来初めてのことになります。
ちなみに、上記「大人」参加料額は、今年2月に東京・両国の国技館にて開催された「国技館5000人の第九コンサート」第27回公演に係る一般個人合唱参加者(首都圏在住者)の”登録参加費”(参加費+登録料)と同程度の金額となっています《「5000人の第九」首都圏在住個人参加者→”初回参加「9,500円」・2回目以降「8,500円」”》。
それにしても、高校生以上の合唱参加者に適用される「大人」の参加料が昨年開催分と比べて1.5倍に跳ね上がっているあたり、ちょっと痛いところですね───こんなことを言ったら「5000人の第九」に個人参加している首都圏在住者から怒られそうだけれども・・・
もう一つは、管弦楽を務める「1万人の第九オーケストラ」の一般公募選抜組個々人に対して支払われる「日当」額。
今年も昨年と同様、来る6月1日から合唱団員とオーケストラ楽団員(の一部)の公募が同時に始まることになっていますが、その中でオーケストラ楽団員の一般公募に応じ選抜されたエキストラ楽団員(一般公募選抜組)に対し今冬開催分の公演本番前日と当日に於いて支払われる日当の額は、昨年開催分と比べて2,000円マイナスの「3,000円」となっているのが見えました。
「1万人の第九オーケストラ」がステージ上に登場するのは、興行のメインであるベートーヴェン「第九」演奏を擁する第2部のみ、つまりコンサート全体の半分を受け持つ格好になっているわけですが、それにしても昨年比で4割カットとされるあたり、ちょっと痛いような気が・・・
とはいえ募集段階に於いて「年齢不問」且つ推薦状の類が不要となっているという点〔デモテープは必要(VHS、DVDなどの媒体で)〕は、特にアマチュア奏者にとっては魅力的に映るのかも知れないですね。
余談ですが、昨年開催分に於いて一般公募を経て採用されたオーケストラ楽団員は管・弦合わせて5人だったそうです《昨年暮れにBS-TBSにて放映された『1万人の第九~シンフォニーに首ったけ!佐渡裕が語るベートーヴェンの魅力』より》。
以上、経費増に伴い募集要項に及ぼしている影響について記してきましたが、特に「大人」の合唱参加に係る参加料の大幅値上げは、10月頃に予定されているであろう公演チケットの発売額設定にも影響を与えることにもなりかねませんね。
手許にある資料で調べてみたところ、少なくとも3年前(2008年→第26回公演)から昨年にかけて、「大人」の合唱参加に係る参加料額がそのまま公演チケットの発売額とされていた、つまり「大人」の合唱参加料とチケット発売額が同じ(6,000円)であることがわかりました《2007年の第25回公演に於いては「大人」の合唱参加料「6,000円」に対しチケット発売額は「5,000円」》。
そうすると、今年、「大人」の合唱参加料が1.5倍の9,000円にされたわけですから、公演チケット発売額も9,000円前後にされるのでは───そうなってくると、その金額相応の中身としなければならなくなるわけであり、呼び物として招聘する大物アーティストに益々依存しかねないところ《勿論断言出来ませんが…》。
けれども、当然のことながら、一般に大物アーティストであるほどギャラ(出演料)はアップするもの。
更に、前々回掲載記事で、大阪市内設置クラスのうちの土・日開講クラスの数が、新たに確保された施設のキャパシティの関係からか、昨年開催分の2倍以上に増えていることを紹介しましたが、このためなのでしょうか〔間違っていればスミマセン〕、手許に届いた「1万人の第九」今冬開催分募集チラシには「レッスン講師も増えました」との文言も踊っているのが見えました《公式キャラクターのひとりに”語らせる”形で》。
ということは、合唱指導者にかかる人件費(謝礼)もアップしている可能性があるということですね《当ブログに訪問されコメントを残して下さった「第九」合唱経験者の一人もこのことを懸念していました》。
あともう一つ───去る3月30日を以て閉館した梅田東学習ルーム体育館は、通常のレッスンだけでなく、11月から12月にかけて設定される「佐渡総監督レッスン(佐渡裕特別レッスン、佐渡練)」の会場としても使われていたことから、後継施設の選定方によってはこちらも大幅なコストアップが避けられないところ《例えば今年の佐渡練の会場として全て尼崎のアルカイックホールを充当した場合、経費は昨年開催分の5倍程度となることが予想されます(アルカイックホールの今年10月以降利用分に対して適用される基本使用料体系に於いて「準備・練習のため舞台を使用する場合」の半額割引が適用された場合で)》。
これから公演本番に至るまでの半年余りの間、前記の公演チケット発売額は勿論のこと、他の場面に於いても何らかの影響を受けることは必至と言わざるを得ないところですね。
そして、下手をすると聴衆にそっぽを向かれるばかりか、参加料の高さなどから合唱参加応募者数の大幅ダウンをも招きかねない・・・
来年で30年目の大きな節目を迎える「1万人の第九」───その大きな節目を前に、今、大きな正念場を迎えているといえそうです。
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やはり参加料が値上げされるのですね。初心者クラスなら12回のレッスンと佐渡錬、リハ、本番で9000円でも安いといえるかも知れません。2時間程度をワンコインで楽しめるところは他にはありませんし、私の場合は、レッスン後の飲み代が参加料の3倍くらいかかります。ただ、初めて参加する人が、参加料をみて躊躇されるのではないかと危惧いたしますが。
投稿: nori | 2011年5月 8日 (日) 03時23分
合唱参加費が高すぎるのでやめる人が多い。
投稿: | 2011年5月10日 (火) 10時58分
noriさん、こんにちは。
レスが遅れてしまい、どうもスミマセン。
「2時間程度をワンコインで楽しめる」というのが正直意味がわからなかったのですが・・・
計算してみてわかりました。
要するに、初心者向け「12回クラス」の場合、通常レッスン1回あたり500円、「佐渡練」・「総合リハーサル」・「公演本番」は各千円ということで「9000円」ということなのですね。
確かに500円でレッスン1回受講出来るというのは、他のお稽古事ではちょっとなさそうかな・・・
とはいえ、表面的に見て、参加料(大人)が昨年比1.5倍に跳ね上がっているわけだから、合唱参加応募者総数が昨年開催分から減少することは避けられないのかもしれないですね。
投稿: 南八尾電車区 | 2011年5月16日 (月) 15時53分
「2011/05/10 10:58」付けでコメント下さった名無しさま、こんにちは。
応募者総数が昨年開催分から減少するのは避けられないでしょうね。
尤も、この昨年比1.5倍に跳ね上がった今年の大人参加料額で、東京「5000人の第九」の首都圏(1都6県)在住者に係る個人参加料と同水準となっていますが・・・
投稿: 南八尾電車区 | 2011年5月16日 (月) 16時00分
noriさんの言われるとおり、6,000円では安すぎると思っていました。
音大の先生のレッスンを6回(初心者クラスでは12回)も受けられて、
大阪城ホールで歌えて、1部のゲスト出演を楽しめて。
音楽の質はともかく、一部の参加者の質が下がってきているのは、
交換絵日記においても指摘されているところであり、参加料を上げる
ことによって、意識の低い参加者の応募を躊躇わせる効果もあれば、
よいのではないかと思います。
ちょいと上から目線のホンネを洩らしてしまいましたが…
9,000円の参加料は決して高くはないと思います。
私は今年ももちろん応募します。
投稿: 3年連続を目指してます | 2011年5月19日 (木) 18時03分
「3年連続を目指してます」さん、こんばんは。
レスが遅れてしまい、どうもスミマセン。
合唱参加料をレッスン受講の対価として考えるんですね───う~ん、なるほど。
例えば経験者向け”6回クラス”にてレッスンを受講する場合を想定した場合、全6回の通常レッスンのみ考慮すれば1回当たり1500円となりますし、通常レッスンに加えて佐渡練、そして公演前日のリハと公演当日の「ゲネプロ&本番」をも考慮すれば1回当たり1000円となる・・・
本番に向けて一つ一つのレッスンを無駄にせず受講した場合、これはお得といえますね。
で、記事本文の中でも記していますように、今度改定された「大人」の参加料9千円は、東京「国技館5000人の第九」に於ける首都圏在住者の個人参加者に係る参加料と同じ水準となっていますので、べらぼうに高いわけではないように私も思うところです。
尤も、参加料の値上げに伴って、例年10月頃に発売されてきている公演チケットの代金が今年はどうなるのか、凄く気になるところですが・・・
投稿: 南八尾電車区 | 2011年5月25日 (水) 00時34分
初心者で楽譜も読めませんが参加したいのです。
いいのでしょうか?
歌いたい、歌いたい。
投稿: 初心者 | 2011年5月31日 (火) 15時40分
初心者さん、こんばんは。
「1万人の第九」は経験不問で合唱参加出来るイヴェントです。
毎日放送社屋にて配布されている今冬開催分の募集チラシにも「あの第九を、未経験から学べる大チャンス」とハッキリ記されています。
たとえ楽譜が読めなくとも参加申込OKですよ───12回のレッスンの中で暗譜で「第九」が歌えるよう指導してくれますから。
今日(6月1日)から応募が始まっていますので、忘れてしまわぬうちに早めにエントリーして下さいね。
投稿: 南八尾電車区 | 2011年6月 1日 (水) 18時49分
問題は お金の価値観でしょうね。クラシック音楽鑑賞はしない 自分で歌を歌うこともしない テレビの歌番組を即座にチャンネルを変える などなど こういうひとには今回の参加料が1000円でも 高いでしょうね。すべて自分にプラスになることばかりで9000円!!と考える人には妥当な金額でしょうね。
投稿: | 2011年6月 3日 (金) 10時58分
「2011/06/03 10:58」付けでコメント下さった名無しさま、こんにちは。
なるほど、”自分にプラス”───つまり”自分への投資”という思考方もありですね。
例えば経験者向け”6回クラス”で受講する場合を考えると、佐渡練や公演前日・当日も含めれば、単純割りで、1回あたり千円となるわけですから、こう見ればあながち9千円という金額も高過ぎるとはいえないですね。
事実、価格水準でいうならば、東京「5000人の第九」に於ける首都圏在住者の個人参加に係る現行参加費とほぼ変わりありませんから・・・
何はともあれ、まずは応募して当選となることが先ですね。
投稿: 南八尾電車区 | 2011年6月 4日 (土) 11時01分
自分でコメントを書いてから、後見ていなかったのですが、久しぶりにのぞいてみました。合唱経験のない私が、5年前にふと思いついて誰に誘われることもなく参加して、多くの仲間ができ、ブログを初めてさらに趣味が広がりました。参加費が高くなると初めて参加する人が躊躇するかもしれませんね。昨年は、初心者クラス12回のレッスンのあと、11回居酒屋に行きました。居酒屋の入場料が1回500円みたいなものです。多くの人が、歌うことの楽しみを知って、仲間ができる喜びを味わえるといいなと思います。
投稿: nori | 2011年6月 5日 (日) 02時27分
noriさん、こんにちは。
合唱参加料、昨年比1.5倍に跳ね上がっていますから、仰るように、初めて「1万人の第九」に参加される人にはすごぶる高く映ることでしょう。
勿論当選していることが大前提ですが、9千円支払うからには、昨年以上にレッスンの類を無駄には出来ませんね。
加えて、より有意義なものにするため、変な言い方になってしまいますが、水回りならぬ”レッスン回り”にも目を向けたほうがいいのかも知れません《noriさんの仰る”居酒屋”とか;尤も私にはとてつもない難問に映ってしまいますが》。
お互い、当選を祈っています。
投稿: 南八尾電車区 | 2011年6月 6日 (月) 17時17分
初めて書き込みさせてもらいます。
録画したドラマのCMでこのイベントをふと見つけ、
今調べまくって、ここにたどり着いた
大学4年の男です。
周りに聞く人がいないのでここに書きこまさせていただきます。
就活も落ち着き、最後の大学生活をエンジョイできないかと思い、
レッスンも受けれて、たくさんの方とも交流ができ、いい値はしますが、
かなり自分にプラスになると思い参加申し込みをしたいと思っています。
しかし、合唱は初心者でついていけるかも分からず。。。。。
また、テノールとバスどちらのパートにしようか悩んでます。
男ですが、高い声も出せるのでテノールでもいいような、、、とか思ってますが。
これまでの練習風景を見たりした上で
こんな私に何かアドバイスをお願いします。
投稿: ゆうちゃん | 2011年6月10日 (金) 21時25分
「ゆうちゃん」さん、こんにちは。
こちらこそ初めまして。
「1万人の第九」には初心者の方も数多く集っています。
公演本番では「第九」を原語(ドイツ語)且つ暗譜で歌うことになっていますが、初心者向けに全12回構成のレッスンを用意し〔それとは別に1回の「佐渡総監督レッスン」も〕、基礎から面白く(時には厳しく?)指導してくれますので、きちんとレッスンを受け、練習を重ねることで、歌えるようになりますよ。
あと、高い声も出せるということでしたら、是非テノールで挑戦してみてはいかがでしょう《悔いを残さないためにも…》。
応募受付は今週の金曜日(6月17日)の夕方17時で締め切られますので、忘れてしまわぬうちに早めにエントリーしておきましょう《PCまたは携帯から公式サイトを通じてエントリー出来ます》。
当選されることを祈ります。
投稿: 南八尾電車区 | 2011年6月14日 (火) 15時02分