美祢線、9月26日全線運転再開──線内乗り放題きっぷも発売《2010年7月豪雨で運休中;山口国体に間に合うか》
美祢線といえば、今は無き”大嶺支線”(南大嶺~大嶺)や、2009年まで「宇部岬~重安」間で1往復(宇部線内は編成分割の上2往復)していた石灰石列車などが思い出されるところですね。
このうち”大嶺支線”は私も廃止される直前に乗りに行った覚えがありますが、あの時は雨降りだったような───それでも車内は満員となり、多くのギャラリーと共にお別れ乗車していました《使用されていた車両については殆ど失念してしまっていますが、他の方の写真レポから、両開きドアを備えたキハ30だったみたいですね(ォィ)》。
一方、「宇部岬~重安」間を結び、美祢線にも乗り入れていた石灰石列車、通称”赤ホキ”に関しては生憎実地で目の当たりにしたことはありませんが、市販の鉄道関連CDを通じて”赤ホキ”の放つ独特の線路ジョイント音などを何度も耳にしていて、一時期填りかけたこともありました《今も頭に焼き付いてしまっていますが…》。
この”赤ホキ”廃止を巡っては、とあるブログが現地取材などを根拠に著名な鉄道趣味誌に掲載された”赤ホキ”関連レポートの類に異議を唱えるなど色めき立つこともありましたが、美祢線のシンボルの一つとして生き続けてきた”赤ホキ”の廃止に一抹の寂しさを禁じ得ないでいたものです。
そんな美祢線ではありますが、既に周知されていますとおり、昨年7月の集中豪雨により橋梁・路盤流失が相次いだ影響で全線運休に追い込まれるという憂き目に───以後はバスによる代行輸送が採られ、今日に至っています。
この美祢線全線運休を巡っては、一時、山口県知事がJR西日本側から廃止の打診を受けた旨のことを記者会見の席上で漏らしたことから、物議を醸したこともありました《JR西日本側は美祢線廃止を否定》。
しかし結局、JRと山口県、国の3者が費用を出し合う形で、美祢線の復旧工事は進められました。
そして、1週間前(8月24日)の話になりますが、JR西日本は、来る9月26日の始発から全線で運転を再開する、と発表しました。
地元メディアの報道によると、今後の美祢線全線運転再開へのスキームとして、9月3日より線内全駅の清掃活動に着手、21日から25日にかけて試運転を行い、26日の全線運転再開を迎える、としています。
ちなみに、今年10月には山口県内で第66回国民体育大会「おいでませ!山口国体」が開催されることになっており、当初JRではこの国体開催までに全線復旧を間に合わせるようにとの山口県からの要請に対して「通常、災害発生から(復旧まで)3年かかるところを1年余りでやろうとしていることを、ご理解いただきたい」等と難色を示していました。
それでも見事全線復旧にこぎ着けられたわけですから、工期短縮のため、様々な工夫を凝らしていたことは想像するに難くないところでしょう。
なお、復旧工事に際し、一番の難物と目されていたのは、「湯ノ峠~厚保」間に架かり、昨年7月の豪雨で端の土台ごと流失したという第3厚狭川橋梁の復旧工事だそうで、この橋梁の復旧完了に伴って全線復旧と相成る模様。
また、運休前には落石警戒のため線内6カ所で徐行運転が行われていたところ、今回の復旧工事に合わせて落石防止のためネットや柵が設置される等の落石防止策も併せて講じられたことから徐行運転は不要となり、上下線で所要時間が平均で4分短縮される、とも伝わってきています。
余談になりますが、私もこの美祢線には過去に2~3度お世話になっていて、一番最後にお世話になったのは約2年半前の2009年3月13日、かの寝台特急”ふじぶさ”(「富士」+「はやぶさ」)の始発駅に於ける運転最終日の当日のことでした。
その日は山口県内で雨を伴った強風が吹き荒れ、山口線の一部区間や美祢線などに於いて運休となりバス代行となっていましたが、そんな中、厚狭駅前から美祢線の代行バスに乗り込んで長門市駅に向かいました。
長門市あたりまで来れば何とかなるだろう、という一縷の望みにかけて・・・
結局は長門市駅に辿り着いても山陰本線関係は全て”運転見合わせ”と判明し、無意味に終わったのですが、その長門市に向けて走った美祢線代行バス、満席に近い状態だったように何となく記憶しています《尤も代行バスに振り向けられたのは中型の観光バス車両だったような・・・》。
なお、JR西日本では、今度の美祢線全線復旧を記念して、美祢線全線が1日乗り放題となる「美祢線1日乗り放題きっぷ」を運転再開6日前にあたる9月20日から10月30日まで、JR西日本広島支社管内に所在する主要駅「みどりの窓口」にて発売することを同時に発表しています。
1枚千円(「大人」の場合)で、同時利用人数の制約はありません〔1人からでも購入可〕───利用期間は「9月26日~10月31日」と設定されており、使用前日までに購入する決まりとなっています。
しかしその設定された利用期間内には、JRグループ旅客7社共通「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」とJR西日本限定「鉄道の日記念・JR西日本一日乗り放題きっぷ」の発売も予想されており、乗車日によりきっぷの使い分け等が求められるところですね《「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」及び「鉄道の日記念・JR西日本一日乗り放題きっぷ」に関しては、9月中旬頃に公式発表されるものとみられます(ちなみに昨年は9月13日に公式発表されていました)》。
何はともあれ、沿線で生活する人たちの足として、そして地元の産業を支える礎の一つとして、美祢線にはこれからも生き続けてほしいと願っています。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『美祢線運転再開日および列車ダイヤなどについて』
『「美祢線1日乗り放題きっぷ」を発売します!』
『美祢線 来月26日再開』
『JR美祢線:来月26日再開 豪雨災害から1年2カ月ぶり /山口』
『昨夏から不通、山口の美祢線9月26日に再開』
『美祢線、9月26日運転再開』
『JR美祢線、9月26日から再開』
『集中豪雨災害から1年以上、美祢線が9/26運転再開 - 仙崎駅乗り入れも復活』
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ベートーベン
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歓喜の歌~ベートーヴェン(混声)

昼でも夜でもあさえき(笑)
新幹線停車駅なんですが…。
長門市・仙崎行きは乗り換えよいしょ。
投稿: とんじ | 2011年10月27日 (木) 00時30分