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「第九ひろしま2012」早くも開催告知──12月9日、第28回、8年ぶりの第2日曜日開催。広島出身の大植が初のタクト

 先月(2月)下旬に知り合いの「第九」合唱仲間から届いたメールから知るところとなった話です。

 

 広島市内で毎年12月中旬(第2又は第3日曜日)に開催されてきている「第九ひろしま」の、今冬開催分(第28回公演→”第九ひろしま2012”)の日程や指揮者等が既に発表されているというのです。

 

 それにしても、何とも気の早い話とでもいうか、異例の早さでの発表となったものですね───大阪の「1万人の第九」なんか、まだその前段階の「スタッフミーティング」1回目が開かれたという情報すらまだ入ってきていないというのに。

 

 

 今冬の「第九ひろしま2012」開催を告知しているのは、「第九ひろしま」を主催している中国放送(RCC)の自社Webサイト内『RCCイベントガイド』。

 

 見覚えのある指揮者の上半身写真に真っ赤な色をした「第九ひろしま」バナーが掲載されているのが見え、早速クリックしてみると、黒背景に真っ赤という取り合わせの、渋い感じをした募集案内ページが出てきました。

 

 そこには”見覚えのある指揮者”と共にソリスト陣の一部も併せて発表されているのが見えましたが、その”見覚えのある指揮者”というのが・・・

 

   大植英次(Eiji Oue)

 

 

 私も思わず目を丸くしていました(驚)

 

 広島市出身で大阪フィルやミネソタ管などでめざましい活躍を見せてきている指揮者・大植英次が、ついに彼の故郷・広島で毎年開催されてきている「第九ひろしま」の指揮台に立つ。

 

 勿論、「第九ひろしま」への客演指揮は今回が初めてとなります。

 

 そして、これはまさしく、広島交響楽団(例年通り)相手の”里帰り公演”ともいえますね!

 

 

 実は当ブログに於いて、過去に「第九ひろしま」の指揮台に誰が立つかを予想してみたことがあります。

 

 それは2年前の2010年のこと───この前の年(2009年)に開催された第25回公演(第九ひろしま2009)まで山下一史が史上最多の4回(それも4年連続で)指揮を務めてきていたこと、そしてその年にて「第九ひろしま」自体が25回目という一つの節目を迎えていたことから、主催者側で別の指揮者を捜し求めているのではと勝手に推測、当ブログでも誰が指揮台に立つのかを色々と予想していたものでした。

 

 そうした中で勝手に有力視していた指揮者3人をリストアップしたわけでありますが、そのうちの一人が大植だったのです。

 

 結果的には、予想に反し、円光寺雅彦が14年ぶりに指揮台に立つことになり、昨年開催分(2011年→第27回公演”第九ひろしま2011”)との2年連続で公演指揮者を務めました《その後、去る2月26日に行われた東京「国技館5000人の第九」第28回公演に於いても公演指揮者を務めました》。

 

 あの時には予想ハズレに終わった当方でありましたが、今年、変な言い方になりますが、2年越しでの「予想的中」(?)となりました。

 

 何はともあれ、正直ビックリです。

 

 

 現在大植は、既に周知されていますとおり、大阪フィルハーモニー交響楽団の音楽監督を務めていますが、今年度限りでその職を辞することになっています《辞職の際に同楽団桂冠指揮者の称号を授与される予定》。

 

 そして辞職後の進路については、現時点では何も情報が入ってきていないため不明なままなのですが、考え得る限りのパターン(選択肢)を挙げてみますと・・・

 

【1】
広島交響楽団に常任指揮者として所属(音楽監督は秋山和慶のまま)

【2】
アメリカに再度乗り込み別の楽団でキャリアを積む


【3】
ドイツ語圏の国に再度乗り込み別の楽団でキャリアを積む

【4】
アメリカ、ドイツ語圏諸国以外の国を本拠とするプロオケでキャリアを積む

【5】
楽団に属しないフリーランスの指揮者として活動

 

 本記事の趣旨から逸脱しかねないためパターン毎の理由については割愛しますが〔それをやり出すと収拾がつかなくなってしまう…〕、ざっとこんなところでしょうか。

 

 なお、アメリカに於ける「別の楽団」とは過去に音楽監督を務めたことのあるエリー・フィルとミネソタ管の2楽団以外のオーケストラを〔準指揮者を歴任したのみのバッファロー・フィルは可〕、ドイツ語圏の国に於ける「別の楽団」とは過去に首席指揮者を務めたことのあるハノーファー北ドイツ放送フィル以外のオーケストラを、それぞれ指します。

 

 何はともあれ、大植の今後の活躍ぶりに期待しようと思っています。

 

 

 話を戻しますと・・・

 

 今冬開催分「第九ひろしま2012」の公演期日は「12月9日(日)」───12月の第2日曜日にあたります。

 

 第2日曜日に開催されるのは、2004年の第20回公演(第九ひろしま2004)以来8年ぶりのこと。

 

 『RCCイベントガイド』からの発表によれば、合唱団員募集は、昨年と同様、大阪「サントリー1万人の第九」と同じく6月1日から開始するとしており、5月頃に具体的な応募方法などを発表予定としています。

 

 参加を希望する人は、募集チラシが出来次第送付するので、まず電話してほしい、と呼びかけています《RCCイベント担当部署宛のメールでも代用可能とみられます。その場合には「第九ひろしま2012」参加希望(募集チラシ送付希望)の旨をメール本文に於いて明記されるとよろしいでしょう(当然の事ながらメール本文には住所・名前など連絡先も忘れずに)》。

 

 今回、参加資格の項に「広島県外在住の方」が新設され、要件として「ベートーヴェン交響曲第9番「合唱」の合唱部分をドイツ語且つ暗譜で歌える方(暗譜です)」と明記されているのが見えました───このあたり、条件さえ満たせば在住地を問わず受け入れるRCC側の意志が当初から明確に示されているといえるでしょう《これまでの「第九ひろしま」には無かったことです》。

 

 ただ、この「第九ひろしま」では、同じく民間放送事業者が主催する大阪の「1万人の第九」と同様、後日に公演の模様が放送されることになっていますが、他局との同時ネットを組んでいないことから、広島県外から合唱参加する場合には、予め公演終了後に於ける関連放送の視聴及び聴取が広島県外に於いて一切出来ないことを暗黙のうちに承諾し、合唱参加することが求められます《少なくとも形式的には…》。

 

 とはいえ、「第九ひろしま」自体が広島にとどまらず中国地方に於いては個人単位から気軽に合唱参加出来る希有な「第九」イヴェントであること、そこで管弦楽を例年務めてきている広島交響楽団もまた中国地方に於いては唯一のプロオーケストラ(或いは”中国・四国地方に於ける唯一の「日本オーケストラ連盟に加盟しているプロオーケストラ」”)であることを鑑みれば、更なる知名度向上のため、全国ネットとまでいかなくとも、せめて中国・四国地方に所在するTBS系列局と同時ネットを組んで放送していってほしいと願うのは私だけでしょうか。

 

 勿論、中国・四国地方にとどまらず、いわゆる「遅れネット」の形であってもいいので九州・近畿など他地域でも放送されればありがたいところですが───実際、大阪「1万人の第九」に於いても、主催者であり関連番組制作局でもある毎日放送(MBS)が地上波同時ネット局として公式に表明している全国5つの局(昨年のみ8局)に加えて、例年3~4局程度「遅れネット」により同じく関連番組が放映されているぐらいですから。

 

 

 それにしても、異例なまでに早い「第九ひろしま2012」開催及び合唱団員募集の告知・・・

 

 主催者たるRCC側の並々ならぬ危機感の表れなのか定かではありませんが、ミネソタ管や大阪フィルなどで意欲的且つ個性的な活躍を見せた男が今冬の「第九ひろしま2012」をステージ上に於いてどのように取り仕切るのか、今から興味津々な私です。

 

 尤も私自身の経済的事情が相変わらず足かせになっていますが、前向きに考えていこうと思います。

 

 

P.S.
 本文中「ソリスト陣の一部も併せて発表」と記していますが、現時点ではテノール独唱者のみ発表されています。

 誰かといいますと・・・錦織健

 これもまたRCC側の危機感の表れか───随分思い切ったことをしてくれたな、と感じました。

 尤も島根県出雲市出身のテノール歌手である錦織はいわば島根(というか出雲)が誇るアーティストでもあり、島根が属する中国地方に於いて数少ない大規模な「第九」イヴェントたる「第九ひろしま」でソリストの一人として起用されるのは、ある意味理に適っているともいえそうなところ。

 未定となっている他の3名の人選がどうなるのか気になるところではありますが、今冬のステージ展開を期待すると共に、これで「第九ひろしま」というイヴェント自体が潰れてしまわぬよう祈るばかりです。

 

 

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