寝台特急「日本海」、『キャスト』で紹介──3月17日JRダイヤ改正で廃止。臨時格下げ後、上りで所要3時間以上延長
昨日(3月7日)の夕方に朝日放送で放映された情報番組『キャスト』の一番最後で、来る3月17日のJRグループ定例ダイヤ改正施行によって定期列車としての運行を終える寝台特急「日本海」(大阪~青森)のルポが扱われているのが見えました。
このルポが扱われることは新聞紙上テレビ欄でも告知されていたことであり、掲載のされ方から、番組後半あたりで取り上げられるのでは、と感じていました。
そこで自宅のビデオレコーダに録画することを決めたわけでありますが、当該番組に関するウィキペディア解説で得られるタイムテーブル情報と勘案した結果、番組終了時刻4~5分前で打ち切る形で時刻設定した上で録画設定を行いました。
ところが、これが裏目に出てしまいました。
ルポ自体が取り上げられたのは番組の最後、それも番組自体が終わるまでの十数分間という時間帯でした。
そのため、ルポ全体のうち後半部分が抜け落ちてしまうという・・・orz
まぁ、情報の過信はダメですね(沈)
で、どのようなルポだったというと、テレビ欄に掲載されている放送予告から、寝台特急「日本海」が定期列車として何故姿を消すことになったのかを探るものだったみたいです。
実際には、取材班が起点駅である大阪から下り「日本海」で終点の青森まで乗車して車内をレポートすると共に、定期列車として廃止されるに至った理由を探るべく関係各所への取材も実施、それらを掛け合わせる形で構成していたような印象でした。
ビデオレコーダへの録画から漏れてしまったのはルポの後半部分、未だ空が暗いうちに到着した駅(JR東日本管轄内の駅でしたが具体的な駅名は失念…)に降り立つところから最後までの間の数分間で、この中には廃止に追い込まれた背景を紹介するものや終点駅・青森に到着する際の車内風景をとらえた映像などが含まれていました。
その、「日本海」を定期列車として廃止に追い込んだ背景───番組では東京を起点とする東北新幹線と秋田新幹線をその背景の一つとして紹介、特に一昨年(2010年)に新青森まで延伸開業した東北新幹線では、大阪(というか新大阪?)からでも東京に於ける乗り継ぎ(勿論「東海道新幹線→東北新幹線」)を経て最短6時間(だったように記憶…)で結ばれるようになったと紹介していました。
その一方で、「日本海」は片道約15時間、とも紹介・・・
番組の最後では、スタジオに居合わせていたコメンテーターから、サービスがなおざりにされていた、等という意味の短いコメントを引き出しているのを見聞き出来ました《そのように覚えているけれど、その記憶にちょっと自信が持てない…》。
一部録り逃がしてしまったこと自体は残念に思いますが、それにしてもコメンテーターの話を聞くうち、何だか切ない気分にさせられたものです。
先に”「日本海」は片道約15時間”と記しましたが、それを逆手にとって、個室寝台車の充実や座席車の連結、部分的に売店設備を備えた車両(残りは普通席かフリースペース)の連結といった、まぁ「トワイライトエクスプレス」とまでいかなくとも、ある程度バラエティを持たせた編成にする等のテコ入れを、JR発足以降にでもしていれば、今とは違った生涯を辿っていたのかもしれないですね。
その「日本海」、多客期臨時扱いに格下げされた後に於ける最初の運転は、ゴールデンウィーク期間中の通算4日間であることが明らかとなっています。
これは去る1月20日付けでJR東日本からリリースされた『春の増発列車のお知らせ』という文書の中で発表されているもので、具体的な運転時刻及び期日等は以下の通りとなっています。
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【下り(大阪→青森)】 ◎ 運転時刻 大阪20:38始発→青森12:42終着 ◎ 運転日(始発駅基準) 4月27・28日、5月5・6日 【上り(青森→大阪)】 ◎ 運転時刻 青森16:21始発→大阪10:27終着 ◎ 運転日(始発駅基準) 4月26・27日、5月4・5日 【列車編成】 24系客車6両(電気機関車牽引) |
ここで大阪駅の発車時刻が夜20時台となっているところから、ふと、同じく夜20時台に大阪駅を発車した今は亡き「日本海3号」を思い出しました。
そこで、「日本海」がまだ2往復態勢で運転されていた頃の、JR東日本配置車両による「日本海3号」と「日本海2号」の、2往復態勢最後の年となった2007年夏時点での運転時刻を拾ってみますと・・・
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◎ 日本海3号(大阪→青森) 大阪20:17始発→青森11:48終着 ◎ 日本海2号(青森→大阪) 青森16:45始発→大阪07:12終着 |
上記時刻と、先に記した多客期臨時扱い格下げ後最初の「日本海」運転時刻とを比べてみると、特に青森からの上りに於いて旧「日本海2号」と比べて所要時間が3時間半以上延びていることがわかります《大阪からの下りでは30分少し延びている程度》。
そして臨時格下げ後の「日本海」上りの運転時刻について、青森発車時刻は旧「日本海2号」より早くなっているのに対し、大阪到着時刻はその3時間弱あとに発車していた旧「日本海4号」の大阪到着時刻より4分遅くなっていることもわかってきました。
更に臨時格下げ後の列車編成が「24系6両」と短くされているわけでありますが、具体的な編成内容について一部メディアは「B寝台6両のみ」とする予定と報じてきています。
同じく青森車両センター配置車両を使用している寝台特急「あけぼの」には個室があったり横臥式普通車指定席「ゴロンとシート」(リネン類省略;女性専用車「レディースゴロンとシート」も有り)があったりとバラエティに富んでいるのに対し、正直何だか見窄らしい印象。
多客期臨時扱いに格下げされるに伴って客車6両という短い編成にされても、需要喚起と費用節減の観点から、せめてでもそのうちの2両か3両を指定席特急料金で利用出来る「ゴロンとシート」車にしてほしい、と願うのは私だけでしょうか。
現行「日本海」の最終運転日となる3月16日に大阪と青森をそれぞれ発車する分については、何れも秒単位で全席完売となる”瞬殺”を演じた旨のことが一部メディアにより報じられています。
最後の最後まで、事故起こすことなく駆け抜けてくれることを祈るばかりです。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『「日本海」最終列車は10秒で完売! 「きたぐに」や山陽新幹線100系&300系も』
『寝台特急「日本海」(2007年夏の時刻)』
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