貴重な”学研奈良登美ヶ丘発生駒行き”を味わう──近鉄けいはんな線、最終電車。『YouTube』から《乗継情報も》
最終列車(電車)。
言うまでもないことですが、地元の人々、さもなければ原則泊まりがけで行かなければ体験出来ないものといえるでしょう《勿論例外もありますが…》。
しかし、『YouTube』を初めとする動画共有サイトのおかげで、今では現住所に関係なく全国各地の「最終列車」を体験することが出来るようになっています。
「最終列車」を現地で取材そして撮影してくれた人たちに感謝しなければ!
最終列車といえば、実は当ブログでも以前に一度だけ取り上げたことがあります。
それは近鉄名古屋線に於ける、近鉄名古屋始発の特急最終電車「近鉄名古屋23時15分発・津行き特急」───この”津行き特急最終電車”にこだわって制作された幾本かの動画たちが『YouTube』に寄せられてきている旨のことを紹介しました。
名古屋からのJR線に於いては2時間ぐらい前に津方面に向かう列車の運転(途中駅乗換を含む)を終了している中で、この近鉄特急の津行き最終はとても貴重な存在のように思えたものです。
それで、今回ご紹介するのは、同じく近鉄に於ける最終列車になりますが、最近になって『YouTube』に於いて発見し、しばしば耳にするようになってきているものの一つである「近鉄けいはんな線(けいはんな線)」の最終電車をとらえた映像です。
この映像は、私自身、つい最近になって近鉄に於ける一般車両の、ドア開閉音も含めた走行音を耳にしたいという衝動に駆られるようになり、ネット上を探し求めていく中で見つけたものです。
正確には、現在「けいはんな線」と呼称される区間のうち、2006年3月27日に開業した「生駒~学研奈良登美ヶ丘」間に於ける生駒方面最終電車”学研奈良登美ヶ丘始発生駒行き”をとらえた映像でありますが、その1本前の電車にも目を向けている格好になっています。
この「生駒~学研奈良登美ヶ丘」間は、JR東西線やおおさか東線などと同様、いわゆる「上下分離方式」により開業した区間でもありますが〔近鉄が路線運営を行い施設保有・管理は第3セクターの「奈良生駒高速鉄道」が実施〕、ご存じのように、この区間の開業によって「東大阪線」と称されていた既存の「長田~生駒」間も「けいはんな線」に改められ、再スタートを切っています。
今回ご紹介する動画に登場する”学研奈良登美ヶ丘始発生駒行き最終電車”は、同じく登美ヶ丘始発の生駒行きとして運転される1本前の電車と共に、元々夜遅くに学研奈良登美ヶ丘から東生駒車庫に入庫するための回送電車だったのを、2006年7月19日に行われたダイヤ修正(変更)にて生駒までの営業列車に置き換えられたもの。
学研奈良登美ヶ丘駅を発車する電車が、ダイヤ組成上、基本的に生駒、長田を経て大阪市営地下鉄中央線にそのまま直通乗り入れする中で、同駅に於ける最終電車及びその1つの電車の合わせて2本だけは近鉄線内・生駒より先へは運転されないというわけであり、そのあたりが貴重な存在といえます。
去る3月20日にダイヤ変更が施行されたばかりの現行ダイヤの下では、平日・土休日を問わず、学研奈良登美ヶ丘駅の発車時刻で「23:26」と「23:36」の2本が設定され、何れも同駅発車から約9分後に終着駅の生駒に到着する組成方となっています。
この貴重な生駒行き電車で運用されている車両は、2本とも近鉄車〔7000系ファミリー(7000系及び7020系)〕である模様。
参考までに、学研奈良登美ヶ丘駅に於ける最終電車にもなっている「23:36」発の電車の終着駅・生駒に於ける接続を見ますと、同じく生駒から分岐する支線・近鉄生駒線(王寺方面)については既に運転を終えていますが、生駒を通過するメインラインたる近鉄奈良線に関しては、奈良方面では近鉄奈良まで走る電車が残っている一方、大阪難波方面では、途中の東花園までは曜日に関係なく運転が残っている他、平日に限れば大阪難波まで運転される列車が1本だけ残っています《具体的には”生駒「23:51」発大阪難波行き普通電車”》。
更に、蛇足ながら、その平日のみ唯一残る大阪難波行き電車について見てみると、鶴橋でJRの大阪環状線・外回り及び内回り双方の最終電車に何れも乗り継ぐことが可能で、殊に天王寺方面に向かう外回り最終電車(天王寺行き)では、終着駅・天王寺にて大和路線の王寺方面最終電車(王寺行き普通電車)に乗り継ぐことも出来ます。
今回『YouTube』にて見つけた”学研奈良登美ヶ丘発生駒行き最終電車”関連の動画は、同一人物の手により撮影・投稿された以下列挙する計4本の動画から成っています。
(1)学研奈良登美ヶ丘駅・最終1本前、生駒行き電車入線 (2)学研奈良登美ヶ丘駅・最終1本前、生駒行き電車発車 (3)学研奈良登美ヶ丘駅・生駒行き最終電車入線 (4)生駒行き最終電車に乗車、終着駅・生駒まで |
撮影当時、最終1本前の生駒行きには7020系電車(映像から「7124F」編成)が、生駒行き最終電車には7000系電車(映像から「7106F」編成)が、それぞれ充当されていた様子《動画タイトル中に記載有り》。
なお、7000系と7020系の双方は、ご存じの方もおられるかと思いますが、外観は両者ほぼ同じである一方、搭載されている制御機器類で差異が見られます。
7000系では初期型GTO素子によるVVVFインバータ制御装置が、そして延伸区間(生駒・学研奈良登美ヶ丘間)開業に合わせて既存の7000系への増備分として製造された7020系ではIGBT素子によるVVVFインバータ制御装置が、それぞれ搭載されています。
今回ご紹介している一連の動画を順番に視聴されることにより、一度に2種類の加減速音及びブレーキ緩解音を体験出来るようになっています《7020系の加速音と緩解音、恥ずかしながら初めて耳にしましたが、随分進化したような印象を受けたものです(う~ん…)》。
ついでに言えば、ドアエンジンの音も、7000系では奈良線等で運用されている8000系といった比較的古い時期に製造された車種が発するそれとそっくりでしたし、7020系では同じく奈良線等で運用されているVVVFインバータ制御装置搭載の1220系電車あたりが発するそれとそっくりな印象でした。
そういえば、大阪市営地下鉄中央線に乗り入れしている関係もあるでしょうが、ドア開閉時、大阪市交通局の新20系に搭載されている電子チャイムと同じものが鳴っていたなぁ・・・
何はともあれ、深夜、眠りに就かんとする近鉄けいはんな線の姿を味わってみて下さい。
(1)終電1本前の生駒行き入線
(2)終電1本前の生駒行き発車
(3)生駒行き最終電車入線
(4)生駒行き最終電車に乗車
映像の中で、生駒行き最終電車が学研奈良登美ヶ丘を発車しようとする際、ホーム上に設備されているガラス張りの待合室の内部に約2名の客(サラリーマンとOL各1名?)が眠りこけているのが見えましたが、あのあと、あの人達は駅員によって駅の外に誘導されたのでしょうか・・・
それと終着駅・生駒駅に到着したあとに映る、生駒駅・けいはんな線ホーム上に設備されている発車標ですが、あれもまた大阪市営地下鉄の谷町線などで現在見かけるものに酷似しているような気がする───ひょっとすると同じものだったりして(わからないけど)
尤も乗り入れ先である地下鉄中央線に於いては、現在、最新の液晶ディスプレイ式発車標に取り替えられていますが・・・
深夜の近鉄けいはんな線の姿をお伝えしました(つもり?)
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