「秋の乗り放題パス」新発売・・・JRグループ、「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」改め。「北&東パス」に類似?
先日、鉄的情報を求めて『鉄道コム』(朝日新聞社傘下)に立ち寄っていると、「秋の乗り放題きっぷリニューアル」の文字が目に飛び込んできました。
この記事です。
どういうことかといえば、毎年10月14日と制定されている「鉄道の日」(旧・鉄道記念日)を記念してJRグループ旅客6社共同で1996年より発売してきた、「青春18きっぷ」ライクな普通列車乗り放題のフリーきっぷ(トクトクきっぷ、特別企画乗車券)の一つ、「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」が、今年でJR発足25周年を迎えるのを機に「秋の乗り放題パス」という名称のフリーきっぷにリニューアルされるとのこと。
この新しいきっぷ名称から、ふとJR東日本の音頭取りにより企画されたもののように感じた私《JR東日本では個々のトクトクきっぷ毎の効力形態に応じた命名方が原則として定められており、一定のフリーエリア(乗り放題となる路線エリア)を設定して発券されるトクトクきっぷに対しては「○○パス」と命名されている》。
それはさておき、今回発表されているこの新しいフリーきっぷの概要について、昨年まで販売された「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」と対比させる形で示してみます。
【2011年秋まで】 ◎ きっぷ名称「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」 ◎ 発売額 「大人9,180円(3,060円)・小児4,590円(1,530円)」 ◎ 有効期間取扱方 1枚につき利用期間内に於いて3回(人)まで有効 ↓ 【2012年秋】 ◎ きっぷ名称「秋の乗り放題パス」 ◎ 発売額 「大人7,500円(2,500円)・小児3,750円(1,250円)」 ◎ 有効期間取扱方 利用期間内の連続3日間有効。一人1枚必要 |
【備考】 発売額のところの括弧内表記は、1日(或いは1回)あたりの換算額 |
また、きっぷ自体が備わる効力の範囲に関しては、上記で示している両者とも、「青春18きっぷ」の効力範囲をほぼそのまま引き継いでいます《いわゆる「”青い森”通過利用特例」のほか、後者については「青春18」今夏発売分から普通乗車券に準じて認められた「新青森~青森」間特急乗車特例も盛り込まれている》。
そして、後者「秋の乗り放題パス」の発売期間及び利用(使用可能)期間については・・・
◎ 発売期間「10月5日(金)→10月19日(金)」 ◎ 利用期間「10月6日(土)→10月21日(日)」 |
と、利用期間の日数に関しては昨年と同じく”「鉄道の日」を挟んだ16日間”とされています《発売期間については、新きっぷ自体の特性などから、前年比1日減の15日間とされている》。
今度発表された「秋の乗り放題パス」、一人に付き1枚必要且つ連続3日間有効とされているあたり、有効日数等の取扱方に於いて類似する「北海道&東日本パス(普通列車限定)」〔北&東パス〕を連想させてくれます《「北海道&東日本パス」は連続7日間有効》。
私自身、初めのうちは「連続3日間有効」という有効期間取扱方に関して正直何とも感じなかったのですが、先にリンク紹介した『鉄道コム』掲載記事の、記事本文欄のすぐ下に見える「投票・みんなの意見」項のところを眺めているうち、自分自身の迂闊さにハッとさせられました。
今回設定された利用期間「10月6日(土)~10月21日(日)」のうち、連続3日間で平日が絡まないのは「10月6日(土)~8日(月・祝)」の3日間───つまり利用期間の最初に到来する三連休だけ。
確かにこれでは、勤め人や学生(特に高校生以下)にとって、その三連休しか普通に使用出来る機会がないことになってしまうわけであり、昨年まで発売されていた「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」と比べると使い勝手の悪いものに映ってしまうのも無理無いところ。
もしかすると、今度の新しいフリーきっぷ、定年退職したシニア層をターゲットにしているのだろうか・・・
それとも、穿った見方になってしまいますが、わざと使い勝手を悪くすることで、昨年まで続いた「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」も含めて、「鉄道の日」に因んだ秋のJR全線普通列車乗り放題きっぷ自体を消滅させる狙いがあるとか───本当のところどうなのかは定かでないけれど。
また、先に有効期間等の取扱方で類似する「北海道&東日本パス」が首都圏や札幌都市圏などで整備されている自動改札機に対応した自動化券として発券されていることから、今度の「秋の乗り放題パス」もまた自動改札機に対応させる形で発券される可能性が高そうです。
言い換えれば、改札の省力化を狙っているということもあるのかもしれないですね《「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」では、「青春18きっぷ」と同様、自動改札機が整備された有人駅にあっても有人改札を通る必要があった》。
余談になりますが、”三連休”という言葉から、ふとJR東日本が三連休となる日並びに限り発売されてきている「スリーデーパス」を連想してしまいそうなところ。
「スリーデーパス」自体もまた、そのままだとJR東日本全線などの普通列車のみに通用するフリーきっぷになっていますし───尤も「秋の乗り放題パス」と違って料金券等を別途用意することで優等列車にも乗れますが。
「スリーデーパス」の発売額は、大人用の場合だと1枚13,000円、1日あたりの換算額約4,333円───「秋の乗り放題パス」と比べてかなり高めのように見えますが、優等列車にも普通乗車券の代わりとして使えること、JR東日本管内に於ける一部の3セク路線等もエリア内に入っていることが織り込まれていることによるものかもしれないですね。
若年層などを中心に「使いにくい」などのネガティブな前評判が立っている「秋の乗り放題パス」、果たして汽車旅の振興に貢献出来るか否か、気になります。
◎ 参照記事(本文中紹介分を除く)
『「鉄道の日記念・JR全線乗り放題きっぷ」の発売について』
『スリーデーパス』
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» JRグループ、JR発足25周年記念「秋の乗り放題パス」発売 [kqtrain.net(京浜急行)]
「秋の乗り放題パス」の発売について (2012.8.23) 【PDF/107KB】|JR北海道 - プレスリリース
「秋の乗り放題パス」の発売について [PDF/35KB]|JR東日本:プレスリリース
「秋の乗り放題パス」の発売について|ニュースリリース - JR東海 Central Japan Railway Company
「秋の乗り放題パス」の発売について:JR西日本
「秋の乗り放題パス」の発売について|JR四国
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