”汽笛一声「あおなみ線」”実現へ──名古屋市､2013年2月SL実験運行､今年1月に構想か｡JR西日本から車両借受

　昨年（2011年）事実上経営破綻し、目下経営再建中の名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線、通称「あおなみ線」。

　その「あおなみ線」を巡り、今日（11月22日）ぶらり立ち寄った『鉄道コム』に於いて、目玉を丸くさせるような記事が掲載されているのが見えました。

　　『あおなみ線でSL運行、来年2月実験』

　この記事によると、名古屋市は11月20日付で、来年（2013年）２月16・17両日に、１日３往復にて「ＳＬあおなみ号」と称する蒸気機関車（ＳＬ）牽引列車を名古屋臨海高速鉄道西名古屋港線（あおなみ線；名古屋～金城ふ頭）に於いて実験的に運行させると発表しています。

　運行区間はあおなみ線のうち「名古屋～名古屋貨物ターミナル」間の5.1kmで、先頭には蒸気機関車「C56-160」が立ち、次いで12系客車３両、そしてしんがりにDE10形ディーゼル機関車を繋ぐという、いわば「プッシュプル方式」での運転───往路は「C56-160」が牽引し、復路はDE10形ディーゼル機関車が牽引する格好となります。

　この蒸気機関車「C56-160」は戦前期に当時の鉄道省が支線向けに設計・製造したC56形蒸気機関車のラストナンバー車であり、現在はＪＲ西日本の梅小路蒸気機関車館に於いて動態保存されていますが、今度の実験運行に際して当該機関車を名古屋市がＪＲ西日本からレンタル、また一部報道によると、12系客車３両とDE10形ディーゼル機関車もまたＪＲ西日本からのレンタルで賄うとしています。

　ＪＲ西日本が持つ12系客車といえば、宮原総合運転所に用途の限定されない原型車６両が配置されていることが知られており、併せてその宮原には構内入換用としてDE10形ディーゼル機関車２両も配置。

　もしかすると、その宮原に配置されているDE10形のうちの１両と12系客車原型車のうちの３両をセットで借り受け、これに梅小路から借り受ける「C56-160」と組み合わせて運転させるということになるのだろうか───このほうが費用などの観点から効率的に思えますし。

　そして、仮に宮原配置のDE10形が指名されるということになれば、かつて阪和線・きのくに線で運転されていた臨時客車列車「きのくにシーサイド」の牽引機関車として使用されたことのある1152号機（DE10-1152）が拠出されるのでは、と勝手に想像したりもします。

　果たして、実際どうなることやら・・・

　ところで、このあおなみ線に於けるＳＬ実験運行は、今年の１月頃に名古屋市の河村たかし市長が表明した、あおなみ線にＳＬを走らせることで同線の活性化を図るという構想が基になっています。

　この構想では、ＪＲ西日本からC56形或いはC57形の何れかのＳＬを借り受け、早くて今年度（2012年度）中にあおなみ線の「名古屋～中島」間5.9kmで試験運行させる───ことになっていたのだそうですが、今度の発表では、使用車両こそ当初の構想通りになっているものの、運転区間の終点が高架駅である中島から地上駅である名古屋貨物ターミナルに変更となり、距離にすれば800m短縮させられている格好となっています。

　やはり街中の高架線上（それも旅客車両のみ走る路線）で煤煙を吐かせながら軸重の大きなＳＬを折り返しさせることに、ある種の懸念を感じたためなのだろうか・・・

　催行内容詳細については名古屋市発出の関連リリースなど関連文書類に委ねますが、名古屋市では今度のＳＬ実験運行のため今年度予算に４千万円を計上しているとのこと。

　それにしても、ＳＬを走らせることであおなみ線活性化を図るのであれば、沿線にＪＲ東海運営の鉄道車両等保存展示施設「リニア・鉄道館」や、ショッピングモールなどが点在しているわけですし、いっそのことＪＲ線との相互直通乗り入れを実現させ、併せてＪＲ線とあおなみ線相互で通用する割引きっぷ（というか”トクトクきっぷ”）の類を企画・発売すればいいのに、と思ってしまうのは私だけでしょうか。

　でも、それにはＪＲ（というかＪＲ東海）との本格的協議を要するなど、ＳＬ実験運行以上にハードルが高いか───う～ん、せめてでも方向転換（スイッチバック）を要しない米原・大垣方面からの直通乗り入れだけでも実現してほしいところだけれども・・・

　あ、締めで話を変な方向に逸らせてしまってスミマセン！

◎ 参照記事（本文中紹介分を除く）
『あおなみ線でＳＬに乗ろう　名古屋市、来年２月実験走行』
『あおなみ線でＳＬ実験走行へ』

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